ディスプレイの専門展示会「EDEX2002」が開幕
―東芝松下ディスプレイ、17型有機ELディスプレイを出品


開催期間:4月16日~18日

開場:東京ビッグサイト(西ホール)

入場料:無料(要登録)



 電子ディスプレイの業者向け展示イベント「EDEX2002 電子ディスプレイ展」が、4月18日から東京ビッグサイトで開幕した。期間は4月17日まで。入場は無料となっている。主催は社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)。

 同イベントは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといったディスプレイの新型モジュールなどを中心に展示するイベントで、今回は31社・団体が参加。PC用液晶ディスプレイはもちろん、携帯電話向けやテレビ向けなど多岐にわたる出品が見られた。AV Watchでは、特にテレビ向けディスプレイモジュールの参考展示を中心にレポートする。


■ 東芝松下ディスプレイ、世界最大の17型有機ELディスプレイを展示

 4月1日に発足し、同イベントが初めての製品展示の場となった「東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社」。一般公開としては最大となる17型の有機ELディスプレイを参考出品し、来場者の注目を集めた。

 展示品は17型の1,280×768ドットのアクティブマトリクス型の高分子有機ELディスプレイ。有機ELとしては、これまで一般公開されたものとしては最大となる。対角は432mm。輝度は100~300cd/m2としており、コントラストは200:1以上。

 もちろん、家庭でのテレビ用途を想定しており、量産予定は2~3年後になる見込み。そのころには普及が進むと見られるPDPと競合するが、同社では小型テレビの需要も依然として見込めると判断し、有機EL事業への参入を決めたという。

東芝松下ディスプレイテクノロジーのブース。東芝と松下の開発品が分け隔てなく並べられていた 17型有機ELディスプレイは、インクジェット技術を応用した高分子タイプを採用。まだ動きがぎこちなかった 液晶の展示も多かった。特にワイド型を数多く出品し、最大22型までをラインナップ

 なお現在のところ、同社は液晶ディスプレイと有機ELディスプレイ分野の開発・生産に的を絞っており、PDPの生産は松下電器本体が行なう。また、統合して2週間ということもあってか、新会社になってからの開発品の展示はなかった。17型有機ELディスプレイも松下電器の開発品となる。

 そのほか、ワイド液晶パネルを3種類を展示した。サイズは11、15.2、22型となり、22型はすでに松下電器の「TH-22LT1」などに採用されている。

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■ 三洋電機、アクティブ型有機ELを今夏に実用化

 三洋電機は、Eastma Kodakの合弁会社、エスケイ・ディスプレイの生産する2.2型有機ELディスプレイを展示し、今夏の生産開始を告げた。

 携帯電話向けの製品で、4月4日に行なわれたコダック株式会社のプライベートショー「Kodak e-Revolution 2002」に出品されたものと同じ。携帯電話に実装した状態のモックアップも展示した。

 また、テレビ用の液晶モジュールとして、39.6型と29型を参考出品した。すでにCEATEC 2001などで展示済みの製品で、解像度はWXGA(1,280×768ドット)。サンプル出荷ははじまっているものの、量産への動きはまだないという。

今夏に実用化のめどがついたフルカラーアクティブ型の2.2型有機ELディスプレイ。携帯電話専用のアスペクト比を採用している テレビ用には40型と29型を出品。解像度が高く、他ブースの大型液晶パネルに比べると精細感で勝っている

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■ パッシブ型有機ELを展開するパイオニア

 パイオニアブースでは、カーオーディオ向けなどですでに出荷済みのパッシブ型エリアカラーの有機ELを使用した製品提案を行なった。

 視認性の良さを活かし、情報家電をはじめとした様々な製品展開を訴求。ポータブルMDプレーヤーやDVDプレーヤー、腕時計などで、冷蔵庫や電子レンジなどの白物家電用の例も展示した。

DVDプレーヤー。カーオーディオ用の256×64ドットのものが使われていた ポータブルMDプレーヤーには、開発中の小型モジュールを使用。同じ製品を応用した展示に腕時計があった 情報家電時代を見据えた白物家電用のディスプレイ


■ 大型液晶パネルを展示したシャープとサムスン

 シャープは、30型と20型の液晶ディスプレイモジュールを展示した。これは同社の液晶テレビ「AQUOS」に使用しているものと基本的には同じタイプ。これまで、大サイズの液晶モジュールをOEM供給していなかった同社だが、液晶テレビの需要の高まりを受け、今年より外販を決定したという。

 20型は4月下旬から出荷が開始される見込みで、30型は年末に供給が始まる予定。20型の採用先はプロシューマではなく、AQUOSと同じ民生用テレビとのこと。また、30型以上のパネルも開発中だが、今回は展示を見送ったという。

 韓国Samsungは、すでの各所で展示済みの40型液晶テレビを出品した。CEATEC 2001の時とは異なり、パネル背面が剥き出しではなく、製品を意識した出来上がりになっていた。ただし、発売は未定としている。

シャープの20型と30型液晶パネルは、AQUOSと同じもの。今年より外販が始まる サムスンブースは、他のイベントで発表済みの40型液晶テレビをメインに据えた。「wise view」という愛称がついたようだ

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■ エプソン、日立は液晶リアプロジェクタを出品

 エプソンブースのメインは、CEATEC 2001でも出品した高分子有機ELディスプレイの参考出品。携帯テレビのようなモックアップに、実際に動く製品を入れていた。実用化はまだ未定。

 主に携帯電話用やPDA用のパネルを多く展示したエプソンだが、ブースのすみには4月下旬発売の業務用50型液晶リアプロジェクタ「ELP-RM50W1」を設置していた。1,280×720ドットのパネルを採用し、ハイビジョンに対応。デモではD-VHSからのハイビジョン映像を映していた。

 50型は、今回のイベント全体でも最大級。奥行きの短さを活かし、ブース内の比較的狭い場所に設置してあり、いきなりの大画面の出現に驚く来場者も見受けられた。

 また、日立は反射型液晶のLCOS(Liquid Crystal on Silicon)を採用するパネルを出品し、同パネルをリアプロジェクタでデモンストレーションした。リアプロジェクタは急造のもので、製品化はまだ先という。

エプソン初の液晶リアプロジェクタ「ELP-RM50W1」。50型で720pの表示に対応する。開発中の0.9型1,284×724ドットのパネルも参考出品された 日立はLCOSをリアプロジェクションでアピールした

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□EDEX2002 電子ディスプレイ展のホームページ
http://edex.jesa.or.jp/

(2002年4月16日)

[orimoto@impress.co.jp]

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