新会社は三洋電機岐阜事業所内におかれ、資本金4億5,000万円。出資比率は三洋電機が66%、Eastman Kodakが34%となる。新会社の社長には現三洋電機セミコンダクターカンパニー経営企画室の清水英雄氏が任命され、副社長にはEastMan Kodakのディスプレイ事業部製造部門ディレクター、G・ラジェスワラン氏があたる。設立当初の従業員数は100人。 当初生産するディスプレイは、携帯電話、PDA、カーナビ、携帯TVなどの小型機器向け。FOMAなどの次世代携帯電話市場を最大のターゲットと見据えており、その後、デジタルカメラ、次世代大型TVなどにも視野を広げていくという。生産はアクティブ型フルカラーのみに絞り、パッシブ型の生産は行なわない。生産分はすべて三洋電機とEastman Kodakに販売される予定。
設立当初は、三洋電機の岐阜工場内にラインを設置し、2型などを生産。2002年内に増資(60億円)を行ない、2003年4月には鳥取三洋のガラス基板工場を活用した大型のものに着手するという。その際、「鳥取工場のTFT液晶ラインの2棟中、1棟を有機ELに転換する」(三洋電機 近藤定男取締役)とし、有機ELディスプレイへの傾斜を強める。2005年には売上高約700億円、総投資額は500億円を見込んでいる。 また、今回の新会社設立について、来日したEastman Kodakのディスプレイ事業部プレジデント、レスリ・G・ボルガー氏は「2005年には2,250億ドルの市場となるインフォイメージの世界に焦点を合わせたもの」と語った。 大型TV分野へは2005年頃の市場投入を見込んでいるが、現状では明るさの面でさらなる開発が必要だという。また、LCDなど他方式に比べると「少し高めの販売になる」(三洋電機 近藤取締役)と予測している。しかし、視野角や本体の薄さなどの利点を述べ、「(小型分野を中心に)他方式を駆逐するだろう」(同)との予想も発表された。
両社は、'99年2月に有機ELディスプレイに関する共同開発のための協業契約を締結し、同年9月には世界初のアクティブマトリックス型有機ELディスプレイを開発。2000年5月には5.5型の開発に成功したという実績を持つ。今回の生産会社の設立は、コダックが有機ELディスプレイに関するパテントを供与し、三洋電機のガラス基板技術と結びつけたもので、「共同開発での成果を事業化したかったため」(三洋電機 近藤取締役)と説明している。
□三洋電機のホームページ (2001年12月4日) [orimoto@impress.co.jp] |
I |
|
00 | ||
00 | AV Watchホームページ | 00 |
00 |
ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp