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Windows Media 9の説明会を開催。リリースは来年に延期
--Jストリームらと5.1chライブ配信サービスを2003年3月開始


12月3日発表


 マイクロソフト株式会社は3日、Windows Media 9に関する説明会を開催した。Windows Media 9の機能に関するアップデートはなかったが、リリース予定が12月中から、来年早々に延期となることが明らかにされたほか、「5.1chライブ配信サービス」をJストリームや日本HPと共同で、2003年3月より行なうことなどが発表された。

御代茂樹氏

 説明会では、ニューメディア&デジタルデバイス本部 マーケティング部 部長の御代茂樹氏が、Windows Media 9の概要について語り、ブロードバンド人口の急増や、PDPの普及によるホームシアターの普及など、Windows Media 9の新機能を生かす市場が立ち上がりつつあると解説した。

 また、同社では、従来のPCを利用したインターネットでの動画視聴のほかにも、デジタルシネマや、ポータブルプレーヤー/DVDプレーヤーなどへのデバイスへの展開も積極的に行なっている。PC用ソフトという枠を超えて、様々な展開を可能にする能力をWindows Media 9が持っているとアピールした。

 なお、Windows Media 9では、マイクロソフトと松下電器によるマルチメディアタイトルの統一規格「High.M.A.T」をサポートしているが、11月にHighM.A.Tとコンセプトが良く似た、「MPV」を米国の光ストレージ標準化団体OSTAが発表している。両者の関係については、「まだ、実際に対応した製品が市場に出ていない段階なので、モノが出てから市場の動向や声を聞いて判断するというやり方があっていいと思う。現段階で両者の間で協議を行なっているという話は聞いていない(御代氏)」という。


プレミアサービスについて Windows Media 9のフォーカスエリア

 また、Windows Media 9では、プレミアサービスと呼ばれる会員制メディアサービスを提供する。米国では音楽をPressPlayとFullAudio、映画をCinemaNowとIntertainerがサービス提供しているが、日本でもほぼ同数のコンテンツプロバイダと提携し、サービスを行なうという。サービスは、Windows Media 9日本語版の公開にあわせて提供開始の予定。

 なお、御代氏によれば、Windows Media 9のリリースは若干遅れており、米国版が2003年明けに、日本語版がそれよりやや遅れて公開されるという。また、日本語版の公開時には、ラウンチイベントを予定しており、その際にプレミアサービスのパートナーなども明らかになる見込み。

5.1chライブ配信サービスの概要

 また、Jストリームと日本ヒューレット・パッカードと共同で、5.1chに対応した高精細動画像ライブ配信サービスを2003年3月より提供開始することを発表した。

 HPのサーバーやエンコードマシンと、Windows .NET Server 2003を組み合わせ、Jストリームがサービスの主体として、販売やサービス提供を行なうもの。サービス開始当初は、3Mbps/30fps(DVDクオリティ)での5.1chに対応したWindows Media 9のストリーミング配信を行ない、ハードウェア環境が整い次第6Mbps(HDクオリティ)での配信を開始するという。サービス提供価格は500万円~。

 あわせて、同社新宿オフィス11階に、「デジタル時代の新たなライフ&ワークスタイルを提案する」を目的にしたショールーム「Microsoft eXPerience Room」を12月4日より公開することを発表し、報道関係者向けに公開した。


eXPerience Roomに設置されたホームシアターシステム

 「eXPerience Room」は、Windows Media 9のほか、タブレットPCやWindows XP Media Center Editionなどを展示し、新たなライフスタイルを提示するというもの。ただし、パートナー企業や報道関係向けのショールームで、一般公開の予定はないという。

 今回は、eXPerience Roomで、ゴスペルユニット「Remedy」と、渡辺香津美氏の演奏によるライブ配信デモが行なわれた。新宿オフィス内に仮設スタジオと2.8GHz Xeonデュアル構成のHP製サーバーを設置し、リアルタイムでの5.1chライブ配信を行なった。

 クライアント側はサーバーと100BASE-TXで接続したコンパック製のPCを利用し、オーディオ出力は、クリエイティブメディアのUSBオーディオインターフェイス「Extigy」を接続、ExtigyからヤマハのAVアンプ「AZ-1」に5.1ch出力していた。また、映像はパイオニアの50型PDPにRGB出力された。

 デモでは、Remedyの演奏時に3Mbpsで、渡辺香津美氏の演奏時に6Mbpsのストリーミング配信が行なわれた。Remedyの演奏時にハードウェアのトラブルにより音声が出力されないことがあったが、映像のフレーム落ちはほとんど起きていなかった。6Mbpsでの配信時には、映像が止まることが数度あったが、音声は途切れることなく出力されていた。

Remedyの演奏風景。各プレーヤー用に加え、5.1ch用に前方にマイクを設置している リアルタイムで5.1chミックスを行なった

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases02/120302wm9.asp
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021125/osta.htm
【10月18日】Microsoftと松下、PC-AV機器間の共通規格「High.M.A.T」を共同開発
~WMP9に搭載、対応プレーヤーは2003年発売
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021018/highmat.htm
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--正式リリースは12月が有力
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021010/ms.htm

(2002年12月3日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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