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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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発売日については、PC Watchで詳細に推測されているのでそちらをご覧いただきたいが、クリスマスまでには店頭に並ぶことは間違いなさそうだ。 AV Watchでは特にPSXのレコーダとしての機能について、ソニー株式会社 ブロードバンドネットワークカンパニー 企画管理部門 企画部1課 統括課長 松岡 賢次氏に、お話を伺った。 ●誰でも使えるハイブリッドレコーダを目指す 松岡氏は、同社の民生用レコーダとしてはフラグシップモデルとなる、ブルーレイディスクレコーダ「BDZ-S77」の開発にも関わっており、多機能・高画質機の需要も熟知している。
一方、PSXの開発にあたっては、「自分の妻や、父親でも説明書を読まずに使える、わかりやすい機能」を目指したという。その意味では、PSXは、BDZ-S77の対極にある存在といえるだろう。
●PSXは、アップデートで機能追加が可能なレコーダ PSXでは、レコーダ機能のアプリケーションプログラムは、フラッシュメモリではなくHDDに格納されている。プログラムをフラッシュメモリに書き込む仕様だと、後から機能を追加していくと、容量が足りなくなってしまうことがある。 PSXの場合はその心配がなく、さらにEthernetを搭載していることで、インターネット経由でアップデートすることが可能となっている。つまり、ハードウェアでしか実現できないことを除いては、後からユーザーの要望に応じて、いくらでも機能が追加できることになる。 出荷状態では未完成ともいえ、今回聞いたPSXの機能については、あくまで出荷時点での仕様ということになる。1年後にはまったく違う機能を備えたマシンになっている可能性すらある。
なお、アップデート方法については、「すべてのユーザーがインターネットに接続しているとは想定していない。ディスクでのアップデートも検討している」という。また、機能追加が有料になるかどうかについては「これから検討していくが、ビジネス的にはアップデートを有料にしなくても利益が出るように開発している」と話す。
●EPGは、G-GUIDEを採用
基本的なEPG画面のデザインは、コクーンやスゴ録が採用しているものとほとんど同じで、広告も表示される。しかし、プレイステーション 2プラットフォームを採用したことで、「従来機とは比べものにならないぐらい高速に表示する」という。
予約設定はEPGと日時設定のみで、Gコードには非対応。メールでの予約もサポートしていない。EPGの受信も地上波を利用しているので、将来予定されているアップデートでの使用を除けば、現在のところレコーダ機能で、Ethernet端子の使い道はない。
●高画質化回路はフル装備 録画機としてのハードウェア性能は、ソニーらしいこだわりが見られる。3次元Y/C分離、TBC、GRT、DNRといった、現在の高画質レコーダに必須の高画質化回路はすべて搭載。一部で、3次元Y/C分離を搭載していないという噂が出ていたが、「当然の機能なのでスペック表から省いていたら、憶測を呼んだようだ」と説明する。
ビデオDACは12bit/108MHz、オーディオDAC 24bit/96kHzで、プログレッシブ出力も可能。音声形式はドルビーデジタル2chだが、PCM形式のサポートも考えているという。なお、録画機能については汎用のDSPを使用しており、「PSX用に開発した特別なものというわけではない」とのこと。再生(MPEGデコード)は、プレイステーション 2同様にGSとEEで行なっている。なお、プレイステーション 2同様、VCDの再生はできない。また、早見再生機能は搭載していないが、「アップグレードでの対応を検討している」という。 録画モードは、HQ、HSP、SP、LP、EP、SLPの6種類で、マニュアル設定は不可。各モードのビットレートは、「スゴ録などと同じ」とのこと。スゴ録で採用されている2pass再エンコード「ダイナミックVBR」には対応していないものの、全モードVBR記録。「CBRという噂が出回っていたが、ダイナミックVBRに対応していないとの発言が曲解されてしまった」という。 HDDからDVDへは無劣化コピーのみ可能(いわゆる高速ダビング)。再エンコード機能がないので、HQで録画した複数の番組をLPに再エンコードしながら、DVD1枚にするといったことはできない。
また、ゲーム中の予約録画実行は、MEPG-2エンコーダを別途搭載しているので可能だが、ダビング中に予約録画を実行することがはできない。これは、「高速ダビングの速度を優先させているので、ダビング中に予約実行をできない仕様とした」と説明する。
●VRモードでも追記できない DVDドライブの記録速度は、DVD-Rが4倍速、DVD-RWが2倍速、DVD+RWが2.4倍速。なお、DVD+RWについては、後日ファームウェアのアップデートで対応する予定。DVD-RWにはビデオモードに加え、VRモードでの書き込みもサポートする。 なお、DVDへの直接録画はできず、DVDへはHDDからコピーのみ行なえ、DVDにHDDからビデオモードで書き込むと、自動的にファイナライズされてしまう。PSXにはファイナライズ解除機能もないので、一度書き込んだディスクにPSXで追記することはできなくなる。 さらに、驚くべきことにDVD-RWのVRモードで書き込んでも、PSXで追記することは不可能という割り切った仕様となっている。松岡氏はこの仕様について、「ファイナライズという概念は、まだそれほど浸透していないので、自動ファイナライズとした。また、VRモードで追記できるようにしてしまうと、メディアによってできることが変わってしまうため、VRモードでも追記できないようにした」と割り切った理由を説明する。 つまり、あとでパソコンやレコーダで編集するわけではなく、PSXのみで使用する場合VRモードを使うメリットはない。 さらに、わかりやすさのための割り切りは、HDDへの録画時にも及ぶ。HDDへの2カ国語放送を録画時する際にも、主/副音声を記録して再生時に選択できる方式ではなく、録画時にどちらを記録するか選ぶ仕様になっている。
このことから、HDDにはビデオモード互換で記録しているのかと推測すると、「HDDへの記録はVRモードに近い形式で行なっている。しかし、DVDへの書き出し時にわかりづらくなるので、あえてHDDでも録画時に選ぶ方式とした」と否定。わかりやすさへの徹底ぶりがうかがえる。 また、CPRM対応記録型DVDメディアはサポートしていない。そのため、デジタルWOWOWなどの有料放送や、2004年4月から全番組にコピーワンス信号が付加される地上デジタル放送やBSデジタル放送は、HDDに録画はできるが、DVDに書き出すことができない。これらの放送の録画を考えている場合は注意が必要だ。 ●編集機能も単純化
しかし、タイトル分割や結合はできないので、複数の番組から欲しいところだけをつないで1本にするということは不可能。編集した番組は1枚のDVDに、複数のタイトルとして書き込むことになる。
その場合、DVDのメニュー画面の作成機能が重要になるが、「(PSXの機能として)やろうと思えばなんでもできてしまうが、複雑になってしまうので、どういった機能を持たせるのか検討中」としている。
DV(i.LINK)端子を搭載しなかった理由は、「付けるかどうか悩んだが、付けるとどうしても編集機能の充実が必要になる。今回は、割り切った」と説明する。
●限られた機能に満足できるか。それが問題だ
プレイステーション 2のプラットフォームを採用した理由も「PSXではインターフェイスの速度に一番気をつかった。高速なGUIを実現し、使い勝手を上げるためにプレイステーション 2のプラットフォームを採用した」と話す。そのため、「開発段階で、プレイステーション 2のゲーム機能は不要という議論もあった」とまでいう。 実際に、PSXでのゲーム機能はレコーダや、写真再生といったPSXの機能の1つという位置づけとなっている。ゲームディスクが入った状態で電源を入れても、ゲームではなくメニューが起動し、そこからゲームを選ばないとゲームが立ち上がらないという仕様を見ても、その思想が伝わってくる。 動作音についても「プレイステーション 2とは比べものにならないぐらい静か」としており、AV機器として設計されていることがわかる。
つまり、PSXのレコーダ機能を、プレイステーション 2のオマケ機能と見ていると、製品の本質を見誤ることになる。どちらかといえば、作りたいレコーダを実現するために、プレイステーション 2の技術を使用したにすぎないという印象だ。 ただ、その作りたかったレコーダは、多機能なものではなく、小学生から老人まで、誰もが使えるレコーダである。現在の日本のハイブリッドレコーダ市場は、多機能な製品で占められている。その市場に、価格競争力も持って一石を投じるのがPSXということになる。 エンドユーザーとしては、価格が下がって、選択肢が増えることを素直に歓迎したい。さらに、主戦場となる年末商戦に向けて、市場では他社のレコーダもPSX対抗のためか値下がり傾向にあり、PSXの250GBモデル「DESR-7000」(99,800円)、160GBモデル「DESR-5000」(79,800円)の価格に近づいてきている。今年の年末は、レコーダ市場で熱戦が繰り広げられるのは間違いない。
□ソニーのホームページ (2003年11月18日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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