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2003年12月1日午前11時、地上デジタルテレビ放送の本放送が東京・名古屋・大阪の3大都市でスタート。それを記念して赤坂プリンスホテルで「地上デジタルテレビ放送開始記念式典」が開催された。 ただし、12月1日時点で受信できる地域は非常に限られた地域で、式典が開催されたホテルでも電波を受信しているわけではなく、光ファイバーで中継していた。
普及台数のロードマップは、2006年ワールドカップ・ドイツ大会時で1,000万世帯、1,200万台。2011年に4,800万世帯、1億台としている。なお、現在の地上アナログテレビ放送は、2011年7月24日での終了が予定されている。
地上デジタルテレビ放送開始記念式典に先立ち、地上デジタル推進全国会議の第2回総会が実施され、麻生太郎総務大臣は「デジタル放送には、“見るテレビ”から、“使えるテレビ”に変われる要素が秘められている」とデジタル放送に対する期待を説明。
「テレビは国民に最も身近なメディアであり、2011年には全国どこでもデジタル放送を見られるように、後からこの決断をしてよかった、思えるように努力する」と政府としての意気込みを語った。
次に、地上デジタル推進全国会議の成田豊座長から「デジタル放送推進のための第4次行動計画」について説明が行なわれた。以前の行動計画から追加された項目は、「三大広域圏についてのエリアマップの作成と配布」、「共通スローガン・共通ロゴマークの制定」、「すべての視聴者に使いやすい受信機やリモコンの開発・供給」など。
また、現在の地上デジタルチューナの普及状況について、「累計30万台。CATVの再送信が約710万世帯で視聴可能。当初予定の200万世帯を大幅に前倒しすることができた」と報告された。
地上デジタル推進全国会議の第2回総会終了後、地上デジタルテレビ放送開始記念式典へと移行。地上デジタルテレビ本放送開始に向けて、壇上の後列に在京民放各局の女性アナウンサーが並び、前列に小泉純一郎内閣総理大臣を中心にして、麻生太郎総務大臣、NHK 海老沢会長、日枝久 民放連会長、日本テレビ放送網 間部耕苹社長、株式会社テレビ朝日 広瀬道貞社長、株式会社東京放送 砂原幸雄会長、株式会社テレビ東京 菅谷定彦社長、東京メトロポリタンテレビジョン株式会社 後藤亘社長など、錚々たる顔ぶれ11人が取り囲んだ。 地上デジタル本放送開始10秒前からは、小泉総理大臣がカウントダウンの音頭をとった。なお、地上デジタル放送は、送信側では圧縮、受信機側では展開作業が発生する。そのため実際には、カウント「ゼロ」の掛け声から1~2秒遅れて、会場に設置されたテレビに、各局の地上デジタルテレビ放送が映し出された。
地上デジタルテレビの本放送は、つつがなくスタート。小泉純一郎内閣総理大臣は、「小泉内閣が進めている構造改革で、最も進んでいるのはIT分野。新たにスタートしたデジタル放送は、できるだけ早く全国に普及させたい。政府は円滑に進むように支援していく」と語り、政府としての支援を約束した。
続いて、日枝久 民放連会長は、「率直に言って、期待と不安を抱えながら、デジタルへの船出を迎えた。デジタルのメリットは高画質・高音質というだけではなく、まったく新しいサービスなど、無限の可能性を秘めており、まったく未開の地への旅立ちだと考えている」と胸の内を説明。
さらに、「2011年には4,800万世帯、1億台のテレビすべてをデジタル化する。これは、革命的な出来事であり、国策である。地方局においては、経営を圧迫することもあるだろう。地域によって情報格差がないよう、国、地方団体に公的支援のお願いをしている。また、メーカーの方には、使いやすい、安い、デジタルテレビを作ってほしい」と、政府や他業界への要望を付け加えた。
全国会議の発起人の1人でもある、ソニーの出井伸之会長は「地上デジタルをどうしようかと、会議を重ねてきた。地上放送は幹線であり、CSやBSがデジタル化したのとはわけが違う。テレビは1家に1台ではなく、各壁のコーナーに1つの時代となった。PCがTV化、TVがPC化していく中で、それらの製品は日本の得意分野ばかり。メーカーとしてはより安く、より利益の出る、また面白い製品を作っていくのが使命と考えている」とメーカーとしての姿勢を話す。
加えて、「放送業界の方々も面白いコンテンツを作っていただいて、切磋琢磨したい。共通の目標は世界的に普及するということで、それぞれの業界間で競争することではない。今後、大きな商品として育て生きたい」と語った。
□社団法人地上デジタル推進協会(D-PA)のホームページ
(2003年12月1日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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