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2004 International CESレポート 【ブルーレイ/DVD編】
~ブルーレイをDellとHPが支持、DVD-Rの2層記録をパイオニアがデモ
DVD+Rは2層規格を1月に策定。DVD-RAMは2005年前半に16倍速に~


開催期間 : 1月8~11日(現地時間)

会場 : Las Vegas Convention Center
     Las Vegas Hilton Hotel
     Alexis Park Hotel


ブルーレイのロードマップ

 ブルーレイディスクに参加している各社は8日(現地時間)、共同で記者説明会を開催。新たに「ブルーレイ ROM(以下BD-ROM)」と「ブルーレイ R(以下BD-R)」の規格策定予定などを発表した。さらに、PCメーカー大手の米Dellと米HPがブルーレイを支持し、将来ブルーレイROMドライブなどを同社が提供するPCに搭載すると発表した。

 発表会では、LG電子のJin-Yong Kim氏が、ブルーレイの構造やセキュリティ方式などを解説。その後、ロードマップの中でBD-ROMとBD-R、BD-Dataなどの規格を検討していることを明らかにした。

 それによればBD-ROMは2004年前期にVer1.0が策定され、中期にBD-RのVer1.0が策定予定。その後、BD-Data規格と融合するという。

 なお、BD-ROMについては7日(現地時間)に、ソニーのカンファレンスで発表・展示されたこともあり、説明会では簡単な概要を紹介するだけに留まった。また、BD-RやBD-Dataなどの詳しい内容についても明らかにされなかった。BD-ROMには、インタラクティブなメニュー画面や、ゲームなども収録できるという。

BD-ROMの概要 映像以外にも様々なコンテンツを収録できるという メニュー画面のデモ

 その後、HPのMaureen Webber氏と、DellのGerry Smith氏が登場。「テレビが急速にデジタル化する中で、ブルーレイはHDTVに対応できる革命的な技術。ブルーレイに関わることができて非常に嬉しい」と述べ、ブルーレイのサポートを決めた理由として「オープンなアーキテクチャであること」、「セキュリティが高いこと」などを挙げた。

 なお、3規格は現在実現に向けて動き出した段階で、ドライブの製品化の時期や、搭載PCの発売時期などは未定。

DellのGerry Smith氏とHPのMaureen Webber氏 ソニーの安藤国威社長も応援に訪れた


■ 16倍速のDVD+Rは2004年内

 DVD+RWアライアンスは、DVD+R/+RWのメディアやドライブの市場シェアや、2層記録の仕様、16倍速記録の規格策定時期などを発表した。

 まず現時点で14社が提供するメディアが8倍速記録に対応していることを示し、DVD+R/RWの高速記録への対応をアピール。その後、アライアンスとして2004年内に16倍速記録の規格を策定する予定であることを明らかにした。

 なお、DVD+Rの16倍速の記録技術は、Philips Researchが2003年の11月に奈良県で開催されたISOM(International Symposium on Optical Memory)で技術発表を行なっている。

 また、2層記録についても仕様が確定し、2004年1月に規格書の配がを開始されることが明らかになった。規格内容は既発表のものと同じで、1枚のディスクに8.5GBまでの記録が可能。記録速度は2.4倍速だが、さらなる高速化も予定しているという。

 なお、通常のDVDビデオやDVD-ROMとの互換性も重視されており、DVD+Rの読み込みに対応しているほとんどのドライブで、2層のDVD+Rディスクも再生できるという。製品の出荷時期は、PC用のドライブが春頃、民生用が今年後半の予定。

容量は8.5GBへ 技術解説も行なわれた 製品の出荷時期は、PC用のドライブが春頃、民生用が今年の後半の予定

 発表会では、最新のシェア動向なども発表された。全世界のにおけるDVD+R/+RWドライブのシェアは2003年第1四半期が29%、2003年には35%を記録。DVD±R/±RWドライブも2003年第1四半期に33%を占めており、合わせて55%となっている。地域別では欧州が最も多い71%、次いで米国が60%と好調。しかし、日本では18%と苦戦が続いている。

最新のシェア情報


■ パイオニア、A06を使ったDVD-Rの2層記録のデモ

RWPPIのブース

 2003年10月に、DVD-Rの2層記録技術の開発に成功したパイオニアは、同社のブースで作成した2層のDVD-Rディスクを、通常のDVDプレーヤーで再生するデモを行なっている。また、RWプロダクツ プロモーション イニシアティブ(RWPPI)のブースでは、2層書き込みが可能なドライブを展示し、書き込みから再生までを実演した。

 書き込みに使用するドライブは同社の「DVR-A06」。市販品と同じもので、ファームウェアだけを独自のものに変更することで、内部の機構などを改造せずに、2層記録ができるという。なお、2層記録はまだフォーラムで策定されておらず、ファームウェアの公開の予定などはない。

 デモでは100MB程度のデータをレイヤー0とレイヤー1にそれぞれ書き込む。その際、レイヤー0への書き込みが終了してディスクの記録面を見ると、データ量だけトラックの色が変わっている。その後、レイヤー1への書き込みが終了しても、変色したトラックの範囲に変化はない。このことから、レイヤー0と1に重ねて書き込んでいることがわかる。なお、記録速度は2倍となっている。

 デモでは6個のチャプターを作成。1~3がレイヤー0で、4~6がレイヤー1。チャプターを選択することで、任意のレイヤーを見ることができる。なお、作成した2層のDVD-Rディスクは、パイオニアのプレーヤーでは通常のDVDビデオ同様に視聴可能。「規格が策定されていないこともあり、ほかのメーカーのプレーヤーでは検証していないが、ほとんどのプレーヤーで問題なく再生できる」という。

100MBのデータをそれぞれの層に記録する 2層記録が可能なディスクをセット 各レイヤー記録するデータを選ぶ

内周の色の違う部分は、レイヤー0とレイヤー1を重ねて書き込んでも変化はない チャプターを飛ばすと、レイヤーが自由に移動する 再生は通常のDVDプレーヤー「DV-464」で問題なく再生できていた


■ DVD-RAMも5倍速から16倍速へ

DVD-RAMパビリオン

 DVD-RAMパビリオンでは、5倍速記録に対応したDVD-RAMメディアが、マクセルと松下電器からそれぞれ参考出品。

 記録レイヤーやスタンパ技術を改良することで、5倍速記録に対応。発売時期や価格などは未定だが、記録型DVD会議(RDVDC)が現地時間の8日に行なった記者会見の中で、ロードマップが公開された。

 それによれば、2004年前半に5倍速が策定され、2005年の前半には16倍速にも対応するという。


松下電器の5倍速対応メディア マクセルの5倍速対応メディア ロードマップ


□2004 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
□関連記事
【1月8日】2004 International CESレポート 【ソニー編】
再生専用ブルーレイ「BD-ROM」や、Hi-MDの米国モデルなど
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040108/ces02.htm
【2003年10月8日】【CEATEC 2003 講演レポート】
ブルーレイは来夏に2層2倍速規格をリリース
カートリッジ無しの-R/-ROMメディアも予定
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031008/ceat07.htm

(2004年1月9日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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