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エプソン、同社初の57V/47V型リアプロテレビを国内投入
-国内テレビ事業に参入、エプソンダイレクトでの直販を開始


ELS-57P1
5月31日発売

標準価格 「ELS-57P1」56万円
「ELS-47P1」46万円

連絡先 エプソンダイレクト
受注センター
Tel.0120-545-101


 セイコーエプソン株式会社は31日、57V型と47V型のリアプロジェクションテレビ「ELS-57P1」および「ELS-47P1」の国内発売を発表した。同日よりエプソンダイレクト株式会社を通じて販売する。価格は57V型が56万円、47V型が46万円。愛称は「LIVING STATION(リビングステーション)」。

ELS-47P1

 2004 International CESの会期中に米国での発売を発表した製品。720pリアル解像度に対応した透過型液晶を採用するほか、昇華型プリンタを内蔵し、放送中の画像や各種メモリーカード内の画像をプリントできるのが特徴。当初より国内での発売を予告していたが、5月31日からの販売が決定した。

 都内3カ所(エプソンダイレクトプラザ、エプソンスクエア新宿、エプソンイメージングギャラリーepSITE新宿)、大阪1カ所(エプソンスクエア御堂筋)で常設展示を行なうほか、期間限定の展示イベントをCOREDO日本橋(東京・日本橋)や、ジャスコ南松本店専門店街ハートフルタウンなんなん(長野県松本市)など、東京および長野の5カ所で6月1日より実施する。

 画面サイズ、外形寸法、重量を除くと、57V型と47V型のスペックはほぼ共通。同社が「D4」と呼ぶ世代の0.7型高温ポリシリコンTFTを採用。解像度は1,280×720ドットで、コントラスト比は暗所800:1、明所350:1、応答速度は10ms程度としている。

投写プロセス

 リアプロジェクション方式の利点として同社が挙げるのは、「大画面化が可能」、「高解像度化しやすい」、「低消費電力」など。特にサブピクセルでRGBを表現するプラズマテレビや液晶テレビに対し、1ドットでRGBを実現することの有利さを強調。リアル1080pなど、今後の高解像度化にも低コストで対応できるとした。また、色再現性の正確さ、なめらかな階調性、チラツキのない画面といった点でも優れるという。

 消費電力は通常時180W、プリンタ動作時280W。同クラスのプラズマテレビや液晶テレビより、大幅に低い数値になる。ランプは100WのUHE。光学エンジン部にファンを2つ搭載するが、動作音は「気にならないほど低い」(同社)という。ランプ寿命は約1万時間。交換用ランプは16,000円で用意する。本体前面に交換スロットを設け、ユーザーによる交換も可能。

47V型の側面および背面。左下はフィルター交換口。上部の置き台はテレビの上に物を置きたい人のためだという。取り外しが可能 背面の入出力端子パネル。右下の拡張端子はCD-R/RWドライブ用
画面下のプリンタ、操作パネル、前面入力 オプションのCD-R/RWドライブ 画面右下のパネル内。ランプ交換口とスピーカー

 リアプロジェクションテレビの弱点、視野角についての公表値はない。ただし発表会では、「実用上問題ないレベルまで引き上げている。(他方式と)比較すればまだ十分でないところはあるものの、実質的に部屋のどこからでも見られる」(丹羽憲夫副社長)との説明があった。

 57V型で41.3mm、47V型で37.7mmという奥行きについては、「フラットパネルテレビでも実際にはCRTと同じようにコーナー設置の事例が多い」(映像機器事業部永嶋伸一氏)とし、「CRTの20型クラスと同じ奥行きで、57V型の大画面を実現する」と説明。さらに「ビデオなど奥行き40cm程度のものを下に設置することも多い」(映像機器事業部内田健治部長)と、薄さが強調して語られる昨今のフラットテレビの風潮に疑問を呈すことで、リアプロジェクションテレビに設置面でのデメリットにならないことを強調した。

液晶リアプロジェクション方式よる優位性を解説した

 チューナは地上アナログ×2を搭載。2画面同時表示や最大8番組のマルチ表示に対応している。また、他社製AV機器の制御が可能な専用リモコンが付属する。

 地上デジタルチューナについては、「今回は表示デバイスなど当社の得意分野で構成し、コスト面でのインパクトを求めた」(同社)とし、オプションで対応する。直販価格は、同社ブランドの地上/BS/110度CSデジタルチューナ「ELSDT1」が29,800円(発売記念キャンペーン中は10,000円)、ソニー製「DST-TX1」が75,600円。

リモコン 内蔵する投写エンジン

 画質面では、10bitデジタルガンマ回路や独自のLCDドライバにより、「メリハリのある映像と、豊かな階調表現が可能」としている。3-2プルダウン機能も内蔵しているほか、「ダイナミック」、「シアター」、「ナチュラル」といった画質モードを備え、さらに2つのユーザー設定モードも利用できる。

 プリンタは300dpiの昇華型。CF Type1、スマートメディア、メモリースティック、SDメモリーカード、MMCに対応するメモリーカードスロットを備え、カード内の画像をプリントできる。また、放送中の画像を印刷する機能も搭載。リモコンにもプリントボタンを設けている。用紙はL判またははがきサイズに対応する。

 また、背面の拡張端子(USB)に専用CD-R/RWドライブを接続し、メモリーカード内の画像の書き込みや、フォトビューワーでの表示が可能。専用CD-R/RWドライブの価格は17,000円。

 57V型、47V型の映像入力端子は、コンポーネント×1、D4×2、DVI×1、アナログRGB×1、S映像×3、コンポジット×3。ビデオ出力(コンポジット)、音声出力、リモコン出力なども備えている。両機種とも20mmツイータと120mmフルレンジのステレオスピーカーを内蔵。

 外形寸法および重量は、57V型が138.2×41.3×100.4mm(幅×奥行き×高さ)/56kg、47V型が116.1×37.7×87.9mm(同)/48kg。


 丹羽副社長は、国内テレビ市場への参入を「プリンタ、プロジェクタ、ディスプレイといった自社のコアテクノロジーを活用した戦略を展開している。テレビマーケットは高解像度の大画面製品の重要が増しており、これらの技術で参入できるチャンスなのでは、と考えた」と解説した。また、今後の製品展開については「リアプロジェクションテレビのラインナップを増やし、マーケットにおけるプレゼンスを確立したい」と述べ、その一翼として1080pリアルパネルの製品化を示唆した。

 映像機器事業部の内田健治事業部長は、2002年から2006年における全世界のマイクロデバイス搭載リアプロジェクションテレビ(非CRT)の伸び率を113%と説明(外部調査会社の資料を参考)。「国内ではまだ立ち上がってない市場といえるが」と語った後、普及していない理由を「CRTを使った時代の画質の悪さ・巨大な外観」に起因するとした。

 新製品の奥行きや画質をCRT時代の印象を払拭するものとし、「良さがわかっていただければ確実に普及する」と自信を見せた。新製品のターゲットはAV機器やハイビジョン放送に関心が高い「アクティブシニア」、「ファミリー世代」。そのほか応接室など、法人向けにも営業を行なう。販売目標は2モデルで年1万台。

丹羽副社長 映像機器事業部の内田部長

 販売はエプソンダイレクトのWebサイト、Fax(専用フォーム)、フリーダイヤルを通じて受け付ける。納期は現在1週間ほどを見ており、納品、設置、結線、地上アナログチューナ設定までをエプソンダイレクトが請け負う。

 保証期間は1年間で、期間終了後もサービスマンによる出張修理を有償で提供する。また、専門スタッフを置いた専用サポートセンターを設ける。エプソンダイレクトの山田明取締役社長は「担当できることを光栄に思う。販売にまい進したい」と挨拶した。

□エプソンのホームページ
http://www.epson.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.epson.co.jp/osirase/2004/040531.htm
□販売ページ
http://livingstation.jp/
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(2004年5月31日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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