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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズは28日、社長定例会見を開催。中間期の業績や、今後の戦略について説明を行なった。 中間期の連結営業収益は、前年比4.3%増の371億4,600万円、営業利益は同15.5%減の31億5,900万円、純利益は同10.3%減の34億1,100万円となった。これについて重村一代表取締役社長は、「今年はテレビCMを行なったが、昨年の同期はテレビCMを一切行なわなかったので比較すると減益になる。中間期は当初の見通しを上回る利益をあげている」と説明。
また、総登録者数は372万5,000人、個人契約者数は324万人となった。重村社長は「損益の境目である300万人を超えたことで、黒字が安定化してきた。ただ、スカパー! (124/128)の伸び率は堅調だが、スカパー! 110はスローダウンしている」と分析。しかし、2004年度の業績見通しは新規個人契約件数50万件、累計総登録件数385万4,000件のままで、個人解約率も8.9%と、「当初の見通しに変更はない」とした。
これについて重村社長は「スカパー! 110の伸びは鈍化していたが、7月1日から行なった30日間無料体験サービスが効果を発揮し、加入者は増加傾向にある。また、チャンネルの新ベーシックパックを11月1日から導入して、新規加入者の増加を図って行く」と説明した。
11月1日から販売される新ベーシックパックの名称は「スカパー! 110パック」。これまでの「新スカパー! 2パック」や「CS日本パック」には含まれていないフジテレビ721・739、TBSチャンネル、さらに11月18日に開局されるディズニー・チャンネルなども含めた計43チャンネルが視聴でき、月額視聴料は3,570円。 また、新規加入者を対象とした「Welcomeキャンペーン」も実施。11月1日から12月31日までの期間中にスカパー! 110に新規加入し、同時に「スカパー! 110パック」を契約すると、加入料2,940円が無料になり、パック料金も月額2,480円になる(3カ月間のみ)。また、HD放送を行なっている「スター・チャンネルHV」を含む「スター・チャンネル BS+HV+Classic」も契約すると、月額3,570円(3カ月間のみ)で提供するというキャンペーンも行なわれる。 この「スカパー! 110パック」について重村社長は「とりあえずこれに入れば主要なチャンネルが見れるというパック」と説明。「若者のテレビ離れが進む反面、中高年層はテレビを良く見る人が増えている。こういった層には難しい形態のチャンネルパックは不向きで、総合的なパックが必要だと考えた。フラットパネルテレビを購入した際に、ディーラーが一緒に加入を勧められるような、わかりやすい内容にした」と語った。
また、それと関連し、カスタマーサービスについても「従来は合理化を優先して顧客情報の管理などはある程度機械にまかせていたが、地上デジタルなどの登場で放送が複雑化しているので、それらの情報をしっかりと顧客に説明するサービスが必要だ」と語る。さらに、現在最もコストがかかっている業務として「加入者に請求書を発行するための郵便コスト」を挙げ、請求書のデジタル化を念頭においた、コスト削減策を検討していることを明らかにした。
■ 韓国ドラマブームの次は中国とタイ?
重村社長は加入者の動機の変化について、「昔はとにかく沢山のチャンネルを見たいというユーザーが多かった。しかし、今は見たいコンテンツが明確にあり、それが見たいからスカパーに入るという人が多い」と解説。その例としてブームが続く韓国ドラマを挙げた。 重村氏によれば韓国ドラマブームで中高年の女性層という「今までスカパーのメインでなかった層」の加入者が増加したという。重村氏は「スカパーというより、CS放送の存在自体を知らなかった層にも、“韓流ブームの火付け役”、“韓国ドラマが沢山見れる放送”として認知が拡大し、新たな層を開拓できた意味は大きい」と語った。
しかし、ブームはいつか去るもの。だが、重村氏は「1度でも加入してもらえば、多チャンネルの魅力が味わる。例え韓国ドラマブームが去ったとしても、それ以外のコンテンツが、ユーザーを離さない魅力を持っている」と自信を見せる。さらに「地上波やBSの1歩先を行くコンテンツがスカパーの魅力。韓国の次は中国やタイのドラマなども考えている。また、秋にかけてもう一度お笑いブームが来ると見ている」と、今後の構想を語った。
■ スポーツ番組を中心に、番組のHD化は続く 同社はコンテンツ投資にも積極的に取り組んでおり、コンテンツ投資会社として「株式会社スカパー・ウェルシンク」を7月29日に設立。11月中旬に事業会社化を予定している。なお、同社のコンテンツへの投資額は、年間20億から30億ほどの規模になるという。 重村氏は「日本の映画やアニメなどのほとんどは、地上波の大手放送局が出資している。自分達の放送局での放送することを含め、様々な権利を放送局が確保するという図式がある。そのため、地上波より先に放送できるコンテンツは少なく、ブロードバンドを含め、新しいメディアではコンテンツ不足が深刻な状態になっている。そこで、アニメや映画など、放送後のDVD化による収入も考えた投資会社を設立した」と説明。また、「地上波のアニメが減ってきているので、ねらい目だと考えている」とし、オリジナルアニメシリーズの制作などを検討していることを明らかにした。
なお、スカパー! 110では、スター・チャンネルが既にHD放送されているが、そのほかのチャンネルのHD化の可能性については、「米国のHD化が予想外に進んでおり、HD化されたソフトも増えている。現段階で具体的にどのチャンネルとは言えないが、スカパーで既に放送している海外のチャンネルで、海外ですでにHD化しているところがHD化する可能性はある。また、地上デジタルに対抗する意味も込めて、来年の春頃にスポーツ番組のHD化も検討している」と語った。 また、会見終了後の質疑応答で記者から地上波における野球中継の不振についてコメントを求められると、重村氏は「逆にスカパーでは、今年ほどプロ野球のチャンネルセットが売れた年はない。パリーグ、セリーグのほぼすべての試合を放送しており、地上波が不振で放送をやめてくれれば、ありがたいくらい。プロ野球は日本最強のコンテンツだと思っているので、今後も不人気が続くことはありえない。また必ず人気が戻るはずだ」と発言。さらに、「球団が1個足りなければ、我々が持ってもいいくらいの気持ちで、今後もますます力を入れていきたい」と冗談を交え、記者団の笑いを誘った。
□スカパーのホームページ
(2004年10月28日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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