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日立、ベアディスク採用の小型軽量DVDカム2機種
-ディスク認識時間を短縮、200万画素モデルも


左がDZ-GX20、右がDZ-MV780

2月中旬発売

標準価格:オープンプライス

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 株式会社日立製作所は、DVDビデオカメラ「Wooo」シリーズの新モデル2機種を2月中旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は、上位モデルの212万画素モデル「DZ-GX20」が12万円台、133万画素モデルの「DZ-MV780」が10万円台の見込み。

 いずれのモデルも8cmのカートリッジのない、ベアディスクのDVD-R/RAMのに対応。メディアに合わせてドライブ部も小型化しており、カメラ全体の体積も従来モデルより小さくなっている。なお、同DVDカムでの利用を想定したノンカートリッジの8cmメディアも日立マクセルから発表されている。

ノンカートリッジのメディアを採用した ヘッドとメディアのエッジがぶつからないように機構も工夫されている

 また、従来機種に搭載していた画像処理回路「Woooプロセッサ」を進化させたという、新開発の「ピクチャーマスター for DVDカム」を両モデルに搭載。これは画像処理LSIとMPEG-2用LSIから構成されるもので、画像処理LSIには色ノイズを取り除くCNR(Chroma Noise Reducer)回路と、解像感を向上させる「CCM(Correlative Coefficient Multiplying Method)」フィルタなどを搭載。画像処理のビット数を10から12ビットに拡張し、階調表現力を高めている。

 また、MPEG-2 LSIには三次元ノイズリダクションを搭載。DVD-RAMだけでなく、DVD-R使用時にも16:9のワイド撮影が行なえるようになったほか、これらの機能を使って高画質化を行なうと共に、集積による消費電力の低減、小型化への寄与も果たしたという。

光ヘッド、基板、ドライブ全体が小型化された。左が従来モデルで、右が新モデルに採用されたもの 新開発の「ピクチャーマスター for DVDカム」を両モデルに搭載した

 さらに、ディスクの認識時間を短縮するアイデアも投入。電源投入時のディスク認識時間は約16秒と以前とモデルと大きな違いはないが、今回のモデルから電源をOFFにした状態でディスクを投入すると、その際に認識をあらかじめ行なうようになった。これにより、電源投入から約6.5秒で撮影ができるようになるという。ただし、電源を投入した状態でディスクの入れ替えを行なう際は従来と同じ16秒の認識時間が必要。同社は「家で新しいメディアをドライブに入れ、出先で起動して撮影するというスタイルが多いため、実使用上の操作性向上を実現した」としている。


■ DZ-GX20

DZ-GX20

 1/3.6型、約212万画素CCD(有効画素:動画記録時 約123万画素/ワイド時 約123万画素/静止画 約192万画素)を搭載。CCDの余裕画素エリア使用して、16:9のワイド撮影が可能。レンズは光学10倍ズームで、F値は1.8~2.2。画角は35mm換算で、動画時に約48.7~487mm、静止画撮影時で38.9~389mm。電子式の手振れ補正機能も搭載する。

 ドライブシャーシ、ピックアップレンズ、ドライブ基板などを、いずれも従来比60%に小型化。また、「ピクチャーマスター for DVDカム」の際よによる集積化により、基板面積も従来比73%の小型化を実現した。外形寸法は約51×137×90mm(幅×奥行き×高さ)で、バッテリを含む重量は約555g。

 レンズフードや本体にアルミ製のパーツを採用し、高級感を演出。筐体のカラーリングはシルバー。DVDドライブ部は上部から大きく開くようになっており、ノンカートリッジメディアを投入時の落下を防止。さらに、ドライブの開閉と連動してピックアップレンズが水平方向に退避することで、メディアのエッジなどでレンズが傷付くのを防いでいるという。

静止画用のフラッシュも備えている SDカードスロットは本体下部に備えている

 SDメモリーカードスロットを装備しており、最大解像度1,600×1,200ドットの静止画撮影も可能。前面には静止画用のフラッシュも備えている。また、動画撮影時には光量が不足している環境でもカラー撮影ができるというローライトモードや、液晶も似たを反転させ、補助ライトとして利用できるアシストライト機能、シャッタースピードを自動的に変化させるデジタルスローシャッター機能なども利用できる。

 入出力端子は付属の専用ケーブルを利用し、S映像、コンポジット、アナログ音声の入出力を各1系統用意。外部マイク入力も1系統備える。USB端子はUSB 2.0のハイスピードモードをサポート。DVD-MovieAlbum SE4やDVD fun STUDIOなどを含んだPC接続用キットも同梱している。バッテリはリチウムイオンを同梱し、モニターを使用しない連続撮影時間は約125分。


■ DZ-MV780

DZ-MV780

 1/4.5型、約133万画素CCD(有効画素:動画記録時 約69万画素/ワイド時 約69万画素/静止画 約110万画素)を搭載。16:9のワイド撮影に対応。レンズは光学10倍ズームで、F値は1.8~2.3。画角は35mm換算で、動画時に約46.4~464mm、静止画撮影時で36.4~364mm。電子式の手振れ補正機能も搭載する。

 DZ-GX20と同様、ドライブの小型化や回路の集積化で、従来の同社メガピクセル機と比べ、体積比約85%、重量比約84%の小型・軽量化を実現。外形寸法は約51×123×86mm(幅×奥行き×高さ)で、バッテリを含む重量は約495g。

カラーリングはパールシルバー、ルビーレッド、サファイアブルーの3色

 「めちゃコンパクト、めちゃ可愛い」をコンセプトとしたモデルで、カラーリングはパールシルバー、ルビーレッド、サファイアブルーの3色を用意。DVDドライブ部の特徴はDZ-GX20と同様。ピクチャーマスター for DVDカムも内蔵している。

 SDメモリーカードスロットを装備し、最大解像度1,280×960ドットの静止画撮影が可能。ローライトモードや、アシストライト機能、デジタルスローシャッター機能なども利用できるが、静止画用のフラッシュは備えていない。

 入出力端子やUSB端子の仕様はDZ-GX20と同じ。PC接続キットも同梱している。バッテリはリチウムイオンを同梱し、モニターを使用しない連続撮影時間は約145分。


■ ノンカートリッジのDVD-R/RAMメディア

上段がDVD-RAM、下段がDVD-Rメディア

 同日には、日立マクセル株式会社が上記のDVDカムでの利用を想定したノンカートリッジのDVD-R/RAMメディアを発表した。発売は同じく2月中旬。価格はオープンプライス。予想価格は、DVD-Rの1.4GBモデル「DR30HGPW.1P」が800円前後、2.8GBモデル「DR60HG.1P」が1,600円前後の見込み。DVD-RAMの1.4GBモデル「DRM30HG.1P」が1,000円前後、2.8GBモデル「DRM60HG.1P」が2,000円前後の見込み。

 いずれも記録面に指紋や埃の付着、帯電を防止するハードコートを施している。具体的には耐傷性能が従来の約40倍、記録面の帯電防止性能が約500倍に向上。また、DVDドライブ部側もサーボ制御アルゴリズムの改善でピックアップ読み取り性能を約4倍に向上させている。同社は「これらの技術で、ノンカートリッジタイプでも十分な耐久性能と読み取り性能を実現しており、安心して利用できるレベルに達している」と説明している。

 なお、DVDメディア自体の仕様はフォーラムで定められたものに準拠しているため、従来のカートリッジタイプのメディアだけを取り出してDZ-GX20、およびDZ-MV780で利用することもできるという。

□ニュースリリース
http://www.maxell.co.jp/company/news/2005/050113.html


■ 2005年はDVDカムがビデオカメラのマジョリティを占める

デジタルメディア事業部 ストレージメディア機器の萩本教夫本部長

 デジタルメディア事業部 ストレージメディア機器の萩本教夫本部長は、2005年におけるビデオカメラ全体の市場規模を1,200万台と予測。「昨年の1,180万台から微増しているものの、伸び率はフラットに近く、成長性に乏しい市場」と厳しい分析を示す。しかし、「記録メディアのテープからDVDへの移行は急速に進みつつある。2003年は2%の29万台だった規模も、2004年に11%の129万台と激増しており、2005年は17%の208万台程度になるだろう」と予測。「2005年はDVDカムが市場でマジョリティを占める年になるだろう」と語った。

 また、新モデルの魅力については「ディスクの認識時間の短縮や、高画質化などを実現したモデル。小型化も実現しており、いつでもどこでも、綺麗な映像を撮影し、長く保存できる。こうした魅力をアピールし、引き続きテープからDVDへの移行を推進していきたい」と語り、販売目標として2004年の30万台から「市場の動向を考えると、自然体で70万台まで伸びる。だが、市場の可能性と新製品の強さを加味して100万台にしたい」と自信を示した。

ビデオカメラ全体の世界市場と、それにおけるDVDビデオカメラのシェア 記録メディアはテープからDVDへ、を引き続き推進していくという

 なお、萩本本部長は会見後の質疑応答において、今後のビデオカメラの展開としてブルーレイやHD DVDなどの次世代メディアや、HDD、メモリーカードなどの記録媒体を採用したカメラの開発も検討してることを示唆。特に同社が得意とするHDDを使ったカメラについては「家庭用ビデオカメラという分野ではDVDがメディアとしてベストだと思っている。HDDには小型・高速など、HDDの魅力があり、製品化するのであれば利用シーンを含めて、新しい製品形態になるだろう」と予測。ただし、実際の開発については「マーケットの需要動向を見ながら、事業参入するかどうかを検討させてもらいたい」と明言を避けた。

□日立のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2005/01/0113a.html
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050109/zooma187.htm
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【2004年2月2日】日立、レンズカバーを3色から選べるDVDカム2機種
-上位モデルは16:9のワイド撮影機能を搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040202/hitachi.htm

(2005年1月13日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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