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三菱電機株式会社は、DVDとHDDのハイブリッドレコーダ「楽レコ」シリーズの新モデルとして、400GBのHDDを搭載した「DVR-HG865」など、4機種を4月11日に発売する。いずれのモデルも価格はオープンプライス。店頭予想価格と主な仕様は下表の通り。
ハイブリッドレコーダ「楽レコ」の新シリーズ。4モデル共通の新機能は、操作性や視認性、使い勝手を向上させたというGガイドのEPG「グッと楽(グットラック)電子番組表」を搭載したこと。従来の1画面に2時間3チャンネル分の番組表を表示する機能に加え、1画面に5チャンネル、5時間分のデータを表示させるモードを追加。「新聞のテレビ欄のような情報量」を実現したことから、「テレビdeテレビ欄」と呼ばれている。
また、予約録画機能も向上。従来は番組表の「延長」という言葉に反応して自動的に録画時間を延長(30分/60分選択可能)する「スポーツ延長対応録画」を備えていたが、新たに「録り逃さないザー」を装備。これはEPGの放送時間枠の変更を自動的にチェックし、予約番組を追跡、放送時間が変更された場合でも自動的に録画時間を変更し、録画を行なうという機能。連続ドラマを毎週予約している場合、最終回だけ放送時間が拡大されても対応できるという。
さらに、録画番組の検索、表示機能を強化した「グッと楽マイセレクション」を搭載。予約録画時に「お父さんの予約」、「お母さんの予約」などをアイコンで指定することで、録画済番組のユーザー別分類表示が可能になった。分類カテゴリは7個まで作れ、20種類のアイコンが割り当てられる。DVDに書き出した番組情報を管理する機能も引き続き備えているので、HDD内に無い番組でもユーザー別に表示できる。なお、カテゴリ毎にパスワードを設定する機能などは備えていない。
また、ユーザー別表示の中で「番組タイトル名順」、「日付順」、「未再生順」の並び替え機能を搭載。未再生の番組を録画日時順に表示できるほか、連続ドラマなど、同じタイトルの番組が複数ある場合は、自動的に番組専用のフォルダが作られ、そこにコンテンツがまとめられる「連続ドラマ一括機能」も利用できる。フォルダ名はタイトル名の冒頭5文字を自動的に抜き出して名付けられるため、ユーザーが入力する必要はない。また、ユーザーが独自のフォルダを作ることはできない。
■ DVR-HG865/HG765
HG865は400GB、HG765は250GBのHDDを搭載。HDD容量以外の主な仕様は共通となっている。どちらもアナログVHF/UHF/CATVチューナに加え、BSアナログチューナを内蔵。記録型DVDドライブはDVD-R/RWの書き込みに対応。書き込み速度はDVD-Rが8倍速、DVD-RWが6倍速対応。再生はDVD-RAM、DVDビデオ、CD-R/RW(MP3/WMA非対応)をサポートする。ただし、DVD-RAMのカートリッジタイプには対応していない。
また、新開発の画像処理回路「Dimossiveモジュール」を採用。広帯域チューナ、ゴーストリダクションチューナ、動き適応型のデジタル3次元Y/C分離回路などを内蔵するほか、録画面ではVBRアルゴリズムの改良、再生面ではプログレッシブ変換の精度向上、クロマ・アップサンプリング機能なども含まれている。ビデオ用DACは14bit/108MHz。なお、同モジュールにはルネサステクノロジ製のLSIも使われているという。
記録モードはXP/SP/LP/EPの4モードを用意。選択した録画モードの画質が確認できる「画質チェック」機能も備えている。また、従来機種同様、電源投入から約1.5秒で録画が開始できる「1.5秒高速録画スタート」機能を搭載している。 なお、高速ダビング時には、再生や録画などの操作は受け付けないが、ダビング前に設定済みの録画予約は実行される。また、レート変換ダビングの際は再エンコードを行なうため、設定済みの録画予約を含め、全ての操作は行なえない。
DV入力端子を前面に1系統備えており、ボタン一つでDVからHDD/DVDへのダビングが可能。DVテープの巻き戻しや無音部分が30秒以上続くとダビングを自動停止する。また、HDDに録画された番組を再生中にワンタッチダビングボタンを押すだけで、再生中の番組の最初から最後までをDVDへ高速ダビングする機能も利用できる。 入力端子はコンポジット、S映像、アナログ音声を各3系統、出力はD2、S映像、コンポジット、アナログ音声を各2系統、光デジタル音声出力を1系統備えている。外形寸法、重量は共通で、425×340×72mm(幅×奥行き×高さ)、約5.5kg。
■ DVR-HE760/HE660 HE760は、HG765からDimossiveモジュールとDV入力を省いたモデル。HDD容量は同じ250GBで、そのほかの主な仕様も共通。グッと楽電子番組表、グッと楽マイセレクション、1.5秒高速録画スタートなども利用可能。ドライブもDVD-R 8倍速、DVD-RW 6倍速までサポートする。 外形寸法も共通で425×340×72mm(幅×奥行き×高さ)。重量が約5.4kgと若干軽量になっている。 HE660はHE760のHDDを160GBにしたモデル。Dimossiveモジュール、DV入力に加え、BSアナログチューナも省かれている。また、DVD-Rは8倍速をサポートするが、DVD-RWは4倍速までのサポートとなる。外形寸法はHG760と同じ。重量は約5.3kg。
■ シェア15~20%を狙う
同社副社長でリビング・デジタルメディア事業本部長の大草文夫氏は、DVDレコーダ事業について「2004年は大きな利益が出せない反面、赤字も出ない、トントンという状態が続いていた。しかし、2005年は本格的なDVDレコーダの普及が見込める。使いやすさ、見やすさなどを高めた新ラインナップで、ライトユーザーを中心にシェアを広げていきたい」とし、具体的なシェア目標として15~20%という数字を挙げた。 また「AV家電は三菱のプレゼンスを表すという意味でしっかりやって行かなくてはならない事業。そのためにも利益を着実に生み出していく体質に変革していきたい」と語り、レコーダ低価格化の中で利益を生み出す体制として、船井電機との合弁会社で生産を行なうことを明らかにした。具体的には同日発表のDVR-S310、DVR-T110、DJ-V250、DJ-P250は合弁会社。ハイブリッドレコーダについても順次合弁会社での生産に切り替えていくという。 なお、大草本部長は「DVDレコーダの価格下落に伴う混迷は続いている」とした上で、「世界的に見れば、船井電機はウォールマートとの繋がりがあるため、大量生産・大量販売が見込める」と、混迷を抜け出す活路の一例を挙げた。
また、今後のレコーダ製品の展開については「2006年から、地上デジタル放送も本格的に普及すると見ている。その時期に合わせて、ブルーレイを記録媒体とした大容量のレコーダを展開していきたい」と語った。
□三菱電機のホームページ
(2005年3月23日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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