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「地上デジタル放送」に大きな変化。IPや衛星伝送を活用へ
-総務省が2011年全国展開に向けた方針を明らかに


7月29日発表


 総務省は29日、情報通信審議会14回総会を開催し、地上デジタル放送の2011年全国展開に向けた行政の取り組みの基本方針を明らかにした。

 総会で総務省に提出された「地上デジタル放送の利活用の在り方と普及に向けて行政の果たすべき役割」の第2次中間答申の中で、コピーワンスの見直しや、伝送路としてIPや衛星を活用する方針などの新方針が示された。

 デジタル放送ネットワークの整備は民間主導が原則としながら、「2011年の全国展開に向けて、デジタル技術を投資の効率化などあらゆる手段を検討し、可能なものから実施する」と基本的な考えを説明。また、デジタル化の推進に当たり、その先導役としてデータ放送や携帯端末向けのサービス、サーバー放送などを積極的に公共分野で利用していく予定。


■ 2011年全面移行に向け、アナログテレビに“停波シール”を貼付

 デジタル放送の普及については、「2011年全面移行の確実な実現」が大きなテーマ。中継局の整備については、放送番組(ソフト)/中継局(ハード)の双方を一致させて整備することが前提として、可能な限り全てのロードマップを2005年内公開するよう放送事業者に要求。また、「少なくとも2010年までには送信環境を整備することが物理的に可能であることを、国民視聴者に示す必要がある」としている。

 また、受信機の整備においては、アナログ受信機の販売時に、デジタル非対応である旨を示すシール貼付を年内を目処に開始する。シールでは、2011年7月24日以降に単独で利用できなくなる旨を告知する。そのほかにも、放送事業者によるアナログ放送の終了告知など、情報提供を一層高めるべきとしている。

 また、コピーワンスによるコピー制御の問題についても、ユーザーの利便性などを考慮して運用を改めることを前提に検討を開始する。

□関連記事
【7月29日】デジタル放送の「コピーワンス」が運用見直しへ
-年内に結論。家庭内IP伝送も視野に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050729/soumu1.htm


■ IPによる「放送」も。2006年にSD品質、2008年にHD品質で全国展開

 さらに、伝送路についても従来の地上波放送を「基幹メディア」と位置づけ、「中継局による伝送を原則とする」とながらも、IP網を利用した放送や、衛星を介した放送などのさまざまな方式の検討を開始する。

 放送/通信のデジタル化などの技術革新に伴い、「通信/放送融合は当然な流れ」という前提のもと、効率的なネットワーク整備に新伝送方式を積極的に活用。「2011年全面以降の実現にはこうしたメリットの最大限の活用が必要」としている。

 ブロードバンドIP網については、IPマルチキャスト技術を利用した再送信を予定。2006年にSD品質での検証をスタートし、都市難視聴解消の効果測定などを実施。2008年にはHD品質での再送信を全国規模で開始する予定という。

 従来IP網による配信は「放送」として定義されていなかったが、IP伝送を行なうに当たり、制度面の整備を進める。具体的には、IPマルチキャストを用いた役務利用放送法上の「放送」の著作権法上の位置づけの明確化や、電気通信役務利用放送法上のマスメディア集中排除原則の見直しなどの整備が必要となるという。

 総務省では、IP網でも以下の技術的条件を満たせば、「地上デジタルの伝送路として許容できる」としている。

  • 再送信が放送対象地域内に限定されることの技術的担保が得られていること
     (区域外再送信の禁止)
  • 放送対象地域内の全チャンネル伝送/伝送品質の両面から同一性が保持できること
     (番組数、映像クオリティ維持の保証)
  • IP伝送に際して、地上デジタルと同様の著作権保護が可能なDRM技術を採用
     (著作権保護機能の採用)

 ケーブルテレビなど他の再送信メディアとの均衡を維持する観点から、年内を目処に衛星やケーブルなど他のメディアとの技術の共用化について検討し、2006年中に結論を出す予定という。

 さらに、衛星を用いた伝送についても8月を目処に実証実験に着手する。年度内に結果を得て、2007年を目処に地上波再送信を行なう予定。

 衛星伝送は、1トランスポンダでHD4番組の伝送を目標として技術検証を実施、映像形式にH.264、伝送方式としてDVB-S2を採用する。また、IP放送と同様に区域外再送信を防止する限定受信システムの検討なども予定している。

 また、天候が受信に及ぼす影響や、積雪地帯の視聴者の作業負担、携帯用1セグ放送の有無、視聴者のコスト負担範囲などについても、検討が必要という。

 また、アナログテレビとのサイマル放送規制についても再検討に着手。現在はアナログテレビと同一の放送番組を、現在1日の放送時間中3分の2以上の時間を確保して放送することが必要だが、この規制の是非やあり方について年内を目処に結論を得るという。

□総務省のホームページ
http://www.soumu.go.jp/
□情報通信審議会のページ
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/
□関連記事
【7月28日】スカパー!、CS衛星による地上デジタル再送信を検討 -H.264でHD放送。事業戦略説明会を開催
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050728/skyper.htm
【7月28日】J:COM決算、c.LINK採用の「J:COM NET 光」は秋提供に向けて契約を獲得
IPでの地上デジタル再送信には「ハイビジョンでなければおかしい」(BB)
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/10519.html

(2005年7月29日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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