|
松下電器産業株式会社は、液晶/DLPプロジェクタで世界初となる、輝度1,100lmとコントラスト比5,500:1を両立させた液晶プロジェクタ「カジュアルシアター TH-AE900」を10月7日に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は24万円前後の見込み。月産台数は1,800台。
TH-AE900は、同社が2004年10月に発売した液晶プロジェクタ「TH-AE700」の後継機。AE700同様、0.7型1,280×720ドット液晶パネルを3枚搭載し、ランプは130W UHMを使用している。
これにより輝度1,100lmを実現し、同社独自技術のシーン連動の絞り制御「ダイナミックアイリス」も一新したことで、コントラスト比5,500:1(「ダイナミックアイリス」ON時)を両立させた。
同社では、「1,100lm以上の液晶、DLPプロジェクタとして世界初の高コントラスト」としている。
3年目を迎えるハリウッドでの画質チューニング活動でも、AE900では著名なカラーリストのDavid Bernstein氏とのカラーチューニングをはじめ、多くの映画関係者との交流を通じ、映画制作者の意図までも考慮した「進化したハリウッド画質」を実現したとしている。 AE700で初搭載された、1/60秒ごとに絞り/光源ランプの光量/ガンマデータも連動させて制御するシーン連動型絞り機構も、新「ダイナミックアイリス」に一新。「ダイナミックアイリス」の可変レベルを拡大することで、1,100lmの高輝度化とともに、黒の輝度レベルを半分以下にし、「引き締まった黒を実現暗いシーンから明るいシーンまで、繊細でありながら、“スナップ”の効いた映像を楽しめる」としている。 さらに、水晶複屈折の技術を応用し、画素をスクリーン上にすきま無く配置する独自技術「スムーススクリーン」も、新「スムーススクリーン」に改良。新開発のパネル駆動方式の採用により、ラインフリッカーによるちらつきを抑えるとともに、新工法によるプリズムや水晶板の表面加工により、光学系での乱反射をさらに低減させている。
そのほかに、他色に影響を与えず、特定色を補正する「シネマカラーマネジメント」も利用できる。リモコンで、GUI画面で確認しながら調整が行なえ、ユーザー自身で操作できる色調整範囲がAE700の8倍に拡張されている。 さらに、画面特性や隣接する画素の輝度差に応じて、映像信号の縦横のみならず、斜めの輪郭部も違和感なく補正するという「ダイナミックシャープネスコントロール回路」や、映画ソフトを高品位に再生するというI/P変換技術「デジタルシネマリアリティ」に加え、「シネマ1」、「シネマ2」、「シネマ3」、「ビデオ」、「ナチュラル」、「ノーマル」、「ダイナミック」の7種類の映像モードなどもAE700から継承している。
また、2倍光学ズームレンズとレンズシフト機能を搭載し、100型投写時の投写距離は約3m~6mまで対応。レンズシフト機能により、水平方向に最大で投写画面サイズの約25%分、垂直方向には約63%分をシフトすることが可能。シフト操作は、本体前面のジョイスティックを利用するなど、AE700で好評だった機能を引き継いでいる。 さらに、ファン騒音を抑えるため、ファンの数を削減するなど、一層の静音化を図った。これによりランプモードが「エコノミー」時で25dB(AE700は26dB)、ランプモード「ノーマル」時で業界最小という29dB(30dB)を実現している。 映像入力端子はHDMI、D4、コンポーネント(RCA)、コンポジット、S映像、アナログRGB(D-sub 15ピン)を各1系統搭載。480i/576i/480p/576p/720p/1080iに対応する。
なお、AE700で搭載していたトリガー端子に代わり、RS-232C端子を1系統装備している。外形寸法は335×270×95mm(幅×奥行き×高さ)、重量3.6kg、消費電力は180Wで、AE700から変更されていない。
□松下電器のホームページ
(2005年9月9日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|