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フラットパネルディスプレイの総合展示イベント「FPD International 2005」が19日に開幕した。会場は神奈川県・パシフィコ横浜。事前登録入場料は2,000円。 液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネルをはじめ、製造・検査装置、部材、設計支援、応用製品などフラットパネル関連業界の各社が出展している。出展社は8カ国355社(国内239社、海外53社)、主催は日経BP社。 ■ 液晶は32型もフルHD化。3,840×2,160ドット超高解像度液晶も
Samsungは世界最大の82型フルHD液晶テレビを参考出品。同社液晶はいずれも独自のS-PVA技術を採用し、広視野角化した。2006年の発売をアナウンスしており、輝度は600cd/m2、コントラスト比は1,200:1、応答速度は8ms。色域はNTSC比で92%をカバーする。 また、フルHD対応の57/46/40/32型液晶モジュールを出展。各社37~55型までのフルHDパネルを出展しているが、32型フルHDパネルは今回確認できた中ではSamsungのみ。37型の輝度は500cd/m2、コントラスト比は1,200:1。色域はNTSC比72%。
シャープも既発売の65型/45型AQOUSや37型のフルHDパネルモジュールなどを出展。また、暗所コントラスト100万:1の「メガコントラスト液晶」の専用ブースには長蛇の列ができていた。 LG.PHILIPS LCDは55/47/42/37型のフルHDパネルを出展。さらに、Au Optronics(AUO)やCHI-MEI OPTOELECTRONICS(CMO)も37~47型のフルHD液晶パネルを展示しており、37型以上の液晶パネルについては、各メーカーともフルHD化が進んでいる。
さらに、CMOブースでは3,840×2,160ドットの超解像度56型液晶を展示。輝度は600cd/m2、コントラスト比は1,000:1、色域はNTSC比75%。応答速度は8ms(Gray to Gray)。参考展示品で、製品計画は現在のところ未定。ドットピッチは0.324mmで、かなり近づいてもドットを視認するのが難しい程精細。展示機では静止画のほか、気象衛星画像や医療用のモノクロ画像を表示していた。
■ PDPはSamsungやLGが小型サイズでフルHD化
プラズマパネルについては、国内メーカー各社がCEATECで発表した50型、55型プラズマテレビを参考出展。さらに、LGやSamsung SDIなどがフルHD対応の新パネルを展示し、注目を集めている。 Samsung SDIは従来の82型や102型の大型に加え、50型、63型のHDパネルをラインナップ。50型は輝度1,100cd/m2、コントラスト比3,500:1。「HEXA」と呼ぶ新形状のセル構造の導入や、リブの薄型化などにより高精細化を実現したという。60型はコントラスト比1,200:1。 また、LG電子も71型に加え、60型のPDPを出展。輝度は1,000cd/m2、コントラストは5,000:1。主要プラズマメーカー各社が現実的なサイズでのフルHD化を進めており、パネル量産が予定される来年以降、50型以上のPDPもフルHD時代となりそうだ。
■ Samsungは40型有機ELを参考出展 有機ELについては、Samsungが世界最大の40型を出展。解像度は1,280×800ドット、コントラスト比は5,000:1、輝度は600cd/m2。有機層のアクティブ駆動回路基板にはアモルファスシリコンTFTを採用している。 Samsung SDIは、テレビ製品向けの17型有機ELパネルを出展。解像度1,600×1,200ドットの4:3パネルで、表示色数は26万色。コントラスト比は2,000:1、輝度は400cd/m2。また、東北パイオニアなど各社が携帯電話やデジタルカメラ向けの中小型パネルを出展している。
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液晶メーカー各社が力を入れてデモを行なっているのが、応答速度改善や、色域拡大などの高画質化技術。LG.PhilipsやAUO、CMOなどがフレーム周波数倍速120Hzで高速駆動することで、残像やブレを低減している。また、RGBのLEDバックライトについても各社が参考出展している。 その他にも、Adobe RGBの色域をサポートしたNECのハイエンドグラフィック向け21.3型広色度域液晶なども出展されている。
□FPD Internationalのホームページ (2005年10月19日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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