FPD International 2004開幕。フルHDパネルなどが多数出展 －フルHD液晶プロジェクタや、Samsungの薄型CRTなど

会期：10月20日～22日 会場：パシフィコ横浜 入場料：2,000円

　フラットパネルディスプレイの総合展示イベント「FPD International 2004」が20日に開幕した。会場は神奈川県・パシフィコ横浜。入場料は2,000円となっている。

　一昨年まで「LCD/PDP International」の名称で開催していたイベントで、展示テーマは従来と同じく、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELパネルをはじめ、製造・検査装置、部材、設計支援、応用製品など。主催は日経BP社。

■ エプソンはD5パネルを展示。富士通ゼネラルのフルHD液晶プロジェクタを実動デモ

フルHD D5パネル「L3D09U」シリーズ	D5シリーズの解説

　エプソンのブースでは、液晶プロジェクター向けの高温ポリシリコンTFT液晶パネルなどを参考展示。18日に発表したD5世代フルHDパネル「L3D09U」を出展している。0.9型の1,920×1,080ドット液晶パネルで、開口率は画素ピッチは10μm。

　また、D4パネルを採用した各メーカーのリアプロジェクションテレビやフロントプロジェクタを展示し、プロジェクタ用液晶パネル市場で70%を超えるシェアの高さをアピールしていた。

三洋、日立、松下、エプソンのリアプロジェクションテレビ	LG、DAEWOOなどのリアプロテレビ	D4パネル採用の液晶プロジェクタ

富士通ゼネラルのフルHDプロジェクタ「LPF-D711」

　また、D4世代の1.3型フルHDパネル「L3D13U」を採用した未発表の富士通ゼネラル製フルHD液晶プロジェクタ「LPF-D711」が参考展示され、投射デモが行なわれている。

　入力端子などを備えたプロセッサ部と、レンズなどを備えたプロジェクタ部で構成されており、両ユニット間をDVIケーブルで接続する。コントラスト比は3,300:1で、12bitパネルドライバなどによる高画質をアピールしている。価格は200万円台前半の見込み。

LPF-D711の投射デモも行なわれている

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■ SAMSUNG SDIは薄型CRTテレビを展示

Vixlim採用のDVDプレーヤー内蔵薄型CRTテレビ

　SAMSUNG SDIのブースでは、32型の薄型CRTテレビを出展している。同社のCRT薄型化技術「Vixlim」を採用し、32型で従来60cm程度だった厚みが、38cmまで薄型化できる。

　今回はテーブルスタンド型とDVDプレーヤー内蔵型のフロアスタンド型を展示しているが、CRTなどの部材メーカーのため、「実際にこの形で製品化されることはない」とのこと。Vixlimは既に各テレビメーカー向けに出荷開始しており、各メーカーが独自で設計/デザインすることで、今回のデモ製品より「画作りやデザインも、より魅力的な製品が出てくると思う」という。

　同CRT技術を利用した韓国では2005年1月から発売、2月以降米国などでも発売予定だが、日本での発売は未定。「量販店などを対象とした内覧会では、好感触を得ており、今後の展開については検討している」という。

テーブルスタンド型のVixim採用CRTテレビ	厚み38cmまで薄型化

■ 各社のOCB液晶やSamsungのS-PVAなど

松下東芝ディスプレイテクノロジーの32型OCB液晶パネル。応答速度の速さを従来型と比較

　松下東芝ディスプレイテクノロジーが先日量産開始し、EIZOの「FORIS.TV(VT23XD1)」に採用されたOCB(Optically Compensated Bend)液晶や、RGB LEDバックライトなどの高画質/高機能パネルへの取り組みを各社が紹介。

　OCBについては、AU OPTRONICS(AUO)がとCHI MEI OPTOELECTRONICS(CMO)が参考展示。ともに来年以降の製品展開を予定しているという。CMOは応答速度を向上させたFast Resopons MVAに黒挿入技術を組み合わせて応答速度5msを実現するデモも行なっている。スペック的にはOCBと遜色ないが、「今後の市場動向にあわせてパネルを供給できるようにOCBの研究も続けていく」という。

AUOの17型OCB液晶	CMOのOCB液晶	CMOの高応答速度MVA液晶

Samsungの32型Super PVA液晶パネル

　Samusung Electronicsも高応答速度を実現した「Super PVA」液晶パネルを展示している。パネルサイズは32型、PVA液晶と比較して高視野角化し、「CRTに迫る視野角を実現した」という。応答速度は8ms。

AUOのRBGバックライト搭載46型液晶	SamsungのRGBバックライト搭載液晶	富士通ディスプレイテクノロジーズのRGBバックライト搭載21型液晶

■ LG.PhilipsがフルHD対応のPDPを展示。液晶のフルHD化が進む

LG.Philipsの71インチフルHD PDP	Samsungの80インチフルHD PDP

　プラズマディスプレイ関連では、LG.PhilipsがフルHD対応のプラズマディスプレイパネルを展示。輝度は800cd/m²、コントラスト比は1,200:1。既に量産出荷開始しており、量産出荷しているPDPでは世界最大をアピール。また、Samusungも世界最大の80型PDPを展示している。解像度は1,920×1,080ドット。

　フルHD対応液晶パネルも各社が展示している。日本でいち早く45型フルHD液晶「AQOUS」を発売したシャープは、CEATECで発表された65V型のフルHD対応液晶AQUOSを出展しているほか、外販向けの45型フルHDパネルなどを参考展示している。

　またSamsung、LGや、AUO、CMOなど液晶パネル大手各社が、フルHD対応の液晶パネルを出展している。

シャープは65型フルHD液晶「AQUOS」を出展	45型のフルHD液晶パネルも開発展示	AUOの37型フルHD液晶パネルコントラスト比は800:1、輝度は550cd/m2

LG.Philipsの55型フルHD液晶。コントラスト比は1,200:1、輝度は600cd/m2	SamsungのフルHD57型液晶。コントラスト比は1,000:1、輝度は500cd/m2	CMOの42型フルHD液晶パネル

Samsungの高色再現性CFFL採用液晶	CHUNGHWA PICTURE TUBE(CPT)のフルHD LOCSを採用した65型リアプロジェクションテレビ	東北パイオニアは2.4型有機ELを採用した、テレビビューワのコンセプトモックを展示

□FPD Internationalのホームページ
http://expo.nikkeibp.co.jp/fpd/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031029/fpd.htm

(2004年10月20日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]

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