|
ソニーは、1080i記録が可能な民生用HDカメラの第3弾として、HDMI出力を装備し、さらに小型・軽量化も実現した「HDR-HC3」を3月3日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万円前後の見込み。ACアダプタや、バッテリ「NP-FP60」、D端子ケーブル、AVケーブル、USBケーブル、ワイヤレスリモコン「RMT-831」が付属する。 HDR-HC3は、2005年7月7日に発売されたHDVカメラ「HDR-HC1」の後継機。HDR-HC3の発売に伴い、HDR-HC1は製造終了となる。本体カラーとして、ブラックとシルバーの2色をラインナップする。 シルバーモデルにはUVコート、ブラックモデルにはちりめん加工仕上げが施されるなど、ブラックモデルとシルバーモデルの共通外装パーツは15%のみで、85%は独自パーツを使用。
また、レンズ周りは楕円形、前面はスピン仕上げとし、さらに、レンズ周りの化粧板にも光沢感を出すためにアルミ材を使用。全体をヘアライン加工を施すことで、金属の塊を削りだしたような質感を実現するなど、「デザインにもこだわりぬいた」(同社)としている。
HDR-HC3の最大の特徴は、HDMI出力を追加しながら、HC1から大幅に小型・軽量化したこと。HC3の外形寸法と重量は82×139×78mm(幅×奥行き×高さ)/500g(本体のみ)で、HC1(71×188×94mm/680g)と比較して、容積で650ccから490ccに約25%の小型化、重量で約26.5%軽量化している。 新システムの開発に伴うICの統合や、新規電源の開発により、基板枚数を3枚から1枚に集約し、基板面積をHC1から約40%縮小。さらに、レンズブロックについても、HC1の85.8cc/58.8gから、HC3では65.5cc/51.1gに小型・軽量化を実現している。なお、開放F値についてはHC1のF1.8~2.1から、F1.8~2.9となり、テレ端で少し暗くなっている。 消費電力についても、HC1の5.9WからHC3では4.3Wに削減。これにより、熱対策部品がHC1の4点(占有面積24cc/重量43.7g)から、2点(5cc/15.7g)に大幅削減が可能となったことも、本体の小型・軽量化に貢献している。
撮像素子には、同社が1月23日に発表したDVDカメラ「DCR-DVD505」と同じ、総画素数210万画素の「1/3型原色クリアビッドCMOSセンサー」を搭載。有効画素数は、動画撮影時は143万画素(16:9)。
クリアビッドCMOSでは、独自の画素配列により、1画素あたりの面積を拡大。光をより多く取り込むことで、高感度撮影を実現し、最低被写体照度をHC1の15ルクスから、11ルクスに向上させている。
MPEG-2エンコーダ/デコーダはHC1と同等で、「クリアビッドCMOSを採用したことにより、明るいところではHC1と同等の画質、暗いところではHC1を上回る画質を実現した」(同社)としている。 レンズは、レンズ内の不要な光の反射を抑制するという「T*コーティング」を施した、カールツァイス「バリオ・ゾナーT*」を採用。電源スイッチに連動して開閉するオートレンズカバーも装備する。 ズーム倍率は10倍で、焦点距離は35mm判換算でテープ記録時41.3~485mm(16:9)/50.5~594mm(4:3)、メモリ記録時40.4~404mm(16:9)/37~370mm(4:3)。新アクティブイメージエリア方式の電子式手ブレ補正も備えている。 なお、HC1で搭載されていた、フォーカス/ズームリングが省かれた代わりに、レンズ脇に「カメラコントロールダイヤル」を配置。フォーカス/カメラ明るさ/AEシフト/WBシフトの操作が行なえる。
さらにクリアビッドCMOSの高速読み出しと高速処理により、動画撮影中でも最大230万画素の静止画(16:9時2,016×1,134ドット/4:3時1,512×1,134ドット)を同時に記録可能となった。静止画は、メモリースティックデュオに保存する。 そのほかにも、通常の4倍のコマ数の240フィールドで高速撮影し、3秒のシーンを12秒のなめらかなスローモーション映像として記録する「なめらかスロー録画」機能(最大3秒間、音声なし)を実現。ゴルフのスイングチェックや鳥の羽ばたきなどが撮影できる。 静止画撮影モードでは、2,304×1,728/2,304×1,296/1,600×1,200/640×480ドットの記録が可能。また、撮影済みの動画から、1,440×810ドットの静止画を切り出すこともできる。なお、静止画用ストロボは、HC1のポップアップ式から固定式に変更されている。
使い勝手の面でも、カセットデッキが上開きとなり、三脚使用時でもテープ交換が行なえようになったほか、バッテリの装着位置を深くすることで、最大サイズのバッテリを装着時にも出っ張らず、ファインダー使用時にも邪魔にならないようにしている。
液晶はワイド2.7型の「クリアフォト液晶プラス」を採用。従来モデルより、色再現域とコントラストが各1.6倍に向上、画素数も約21.1万画素(従来モデルは12.3万画素)に強化されている。さらにタッチパネルとなっており、液晶横に撮影用の録画、ズームボタンを装備する。
バッテリはインフォリチウムPシリーズに対応し、付属のNP-FP60を利用した際の連続撮影時間は約100分(ビューファインダー使用時)。別売の大容量バッテリ「NP-FP71/90」を利用すると、約2時間45分/4時間10分(ビューファインダー使用時)の連続撮影が可能。
□ソニーのホームページ
(2006年2月21日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|