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ソニー、HDMI装備の小型・軽量HDVカメラ「HDR-HC3」
-HC1から25%小型・26.5%軽量。実売16万円


3月3日発売

標準価格:オープンプライス


ブラックモデル(左)、シルバーモデル(右)

 ソニーは、1080i記録が可能な民生用HDカメラの第3弾として、HDMI出力を装備し、さらに小型・軽量化も実現した「HDR-HC3」を3月3日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万円前後の見込み。ACアダプタや、バッテリ「NP-FP60」、D端子ケーブル、AVケーブル、USBケーブル、ワイヤレスリモコン「RMT-831」が付属する。

 HDR-HC3は、2005年7月7日に発売されたHDVカメラ「HDR-HC1」の後継機。HDR-HC3の発売に伴い、HDR-HC1は製造終了となる。本体カラーとして、ブラックとシルバーの2色をラインナップする。

 シルバーモデルにはUVコート、ブラックモデルにはちりめん加工仕上げが施されるなど、ブラックモデルとシルバーモデルの共通外装パーツは15%のみで、85%は独自パーツを使用。

 また、レンズ周りは楕円形、前面はスピン仕上げとし、さらに、レンズ周りの化粧板にも光沢感を出すためにアルミ材を使用。全体をヘアライン加工を施すことで、金属の塊を削りだしたような質感を実現するなど、「デザインにもこだわりぬいた」(同社)としている。

ブラックモデル
シルバーモデル

HDMI出力端子を装備

 HDR-HC3の最大の特徴は、HDMI出力を追加しながら、HC1から大幅に小型・軽量化したこと。HC3の外形寸法と重量は82×139×78mm(幅×奥行き×高さ)/500g(本体のみ)で、HC1(71×188×94mm/680g)と比較して、容積で650ccから490ccに約25%の小型化、重量で約26.5%軽量化している。

 新システムの開発に伴うICの統合や、新規電源の開発により、基板枚数を3枚から1枚に集約し、基板面積をHC1から約40%縮小。さらに、レンズブロックについても、HC1の85.8cc/58.8gから、HC3では65.5cc/51.1gに小型・軽量化を実現している。なお、開放F値についてはHC1のF1.8~2.1から、F1.8~2.9となり、テレ端で少し暗くなっている。

 消費電力についても、HC1の5.9WからHC3では4.3Wに削減。これにより、熱対策部品がHC1の4点(占有面積24cc/重量43.7g)から、2点(5cc/15.7g)に大幅削減が可能となったことも、本体の小型・軽量化に貢献している。

左から「HDR-HC3」、「HDR-HC1」、「HDR-FX1」
左から「HDR-FX1」、「HDR-HC1」、「HDR-HC3」

 撮像素子には、同社が1月23日に発表したDVDカメラ「DCR-DVD505」と同じ、総画素数210万画素の「1/3型原色クリアビッドCMOSセンサー」を搭載。有効画素数は、動画撮影時は143万画素(16:9)。

 クリアビッドCMOSでは、独自の画素配列により、1画素あたりの面積を拡大。光をより多く取り込むことで、高感度撮影を実現し、最低被写体照度をHC1の15ルクスから、11ルクスに向上させている。

クリアビッドCMOSセンサー

 MPEG-2エンコーダ/デコーダはHC1と同等で、「クリアビッドCMOSを採用したことにより、明るいところではHC1と同等の画質、暗いところではHC1を上回る画質を実現した」(同社)としている。

 レンズは、レンズ内の不要な光の反射を抑制するという「T*コーティング」を施した、カールツァイス「バリオ・ゾナーT*」を採用。電源スイッチに連動して開閉するオートレンズカバーも装備する。

 ズーム倍率は10倍で、焦点距離は35mm判換算でテープ記録時41.3~485mm(16:9)/50.5~594mm(4:3)、メモリ記録時40.4~404mm(16:9)/37~370mm(4:3)。新アクティブイメージエリア方式の電子式手ブレ補正も備えている。

 なお、HC1で搭載されていた、フォーカス/ズームリングが省かれた代わりに、レンズ脇に「カメラコントロールダイヤル」を配置。フォーカス/カメラ明るさ/AEシフト/WBシフトの操作が行なえる。

メモリースティックデュオスロットと、USB端子は液晶モニターを開いた内側に配置されている

 さらにクリアビッドCMOSの高速読み出しと高速処理により、動画撮影中でも最大230万画素の静止画(16:9時2,016×1,134ドット/4:3時1,512×1,134ドット)を同時に記録可能となった。静止画は、メモリースティックデュオに保存する。

 そのほかにも、通常の4倍のコマ数の240フィールドで高速撮影し、3秒のシーンを12秒のなめらかなスローモーション映像として記録する「なめらかスロー録画」機能(最大3秒間、音声なし)を実現。ゴルフのスイングチェックや鳥の羽ばたきなどが撮影できる。

 静止画撮影モードでは、2,304×1,728/2,304×1,296/1,600×1,200/640×480ドットの記録が可能。また、撮影済みの動画から、1,440×810ドットの静止画を切り出すこともできる。なお、静止画用ストロボは、HC1のポップアップ式から固定式に変更されている。

 使い勝手の面でも、カセットデッキが上開きとなり、三脚使用時でもテープ交換が行なえようになったほか、バッテリの装着位置を深くすることで、最大サイズのバッテリを装着時にも出っ張らず、ファインダー使用時にも邪魔にならないようにしている。

カセットデッキは上開き 最大容量のバッテリを装着しても、本体から出っ張らないデザインとなっている アクセサリーシュー(アクティブインターフェース)も装備する

 液晶はワイド2.7型の「クリアフォト液晶プラス」を採用。従来モデルより、色再現域とコントラストが各1.6倍に向上、画素数も約21.1万画素(従来モデルは12.3万画素)に強化されている。さらにタッチパネルとなっており、液晶横に撮影用の録画、ズームボタンを装備する。

 バッテリはインフォリチウムPシリーズに対応し、付属のNP-FP60を利用した際の連続撮影時間は約100分(ビューファインダー使用時)。別売の大容量バッテリ「NP-FP71/90」を利用すると、約2時間45分/4時間10分(ビューファインダー使用時)の連続撮影が可能。

HDR-HC3HDR-HC1
(参考)
撮像素子1/3型総画素210万画素
原色クリアビッド単板CMOS
1/3型総画素297万画素
単板原色CMOS
焦点距離
(35mm判換算)
・テープ記録時
 41.3~485mm(16:9)
 50.5~594mm(4:3)
・メモリ記録時
 40.4~404mm(16:9)
 37~370mm(4:3)
・テープ記録時
 41~480mm(16:9)
 50~590mm(4:3)
・メモリ記録時
 40~400mm(16:9)
 37~370mm(4:3)
開放F値F1.8~2.9F1.8~2.1
フィルター径30mm37mm
フォーカス/ズームリング
最低被写体照度11ルクス15ルクス
液晶モニターワイド2.7型タッチパネル
(21.1万画素)
ワイド2.7型タッチパネル
(12.3万画素)
ビューファインダーワイド0.27型(12.3万画素)ワイド0.54型(25.2万画素)
HDMI出力
i.LINK
コンポーネント出力
(特殊D端子)
映像/音声出力
(特殊端子)
S映像出力
(別売AVケーブル使用)
ヘッドフォン端子
マイク端子
LANC端子
アクセサリーシュー
(アクティブインターフェース)
メモリースティックデュオ
連続撮影時間
(付属バッテリ使用時)
100分
(HDV、ビューファインダー時)
80分
(HDV、ビューファインダー時)
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
82×139×78mm71×188×94mm
本体重量
(付属バッテリ使用時)
500g
(560g)
680g
(780g)
市場推定価格
(製品発表時)
16万円前後18万円前後

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200602/06-0221/
□製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/handycam/PRODUCTS/HDR-HC3/index.html
□関連記事
【1月23日】ソニー、新開発CMOSセンサ搭載のDVDカメラ
-高解像度静止画同時記録も可能。CCDモデルも
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060123/sony2.htm
【2005年9月29日】【最前線】ハイビジョンハンディカムの成功を支えるCMOSセンサー
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050929/ce01.htm
【2005年8月9日】ソニーのHDVカメラ「HDR-HC1」が1カ月で3万台出荷
-当初目標の1.5倍を達成
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050809/sony.htm
【2005年7月26日】ソニー、「ハイビジョンハンディカム」で同社製テープの利用を推奨
-テープによっては、まれに0.5秒映像が停止
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050726/sony.htm
【2005年6月15日】【EZ】早くも登場! 普及型HDVカメラ ソニー「HDR-HC1」
~ 単板CMOS採用でHDカメラが18万円以下とは! ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050615/zooma209.htm
【2005年5月17日】ソニー、実売18万円の民生用HDVカムを発売
-500mlボトル並みのサイズ。「HD撮影を身近に」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050517/sony1.htm

(2006年2月21日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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