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ユーリードシステムズ株式会社は、Blu-ray DiscやHD DVDに対応したオーサリングソフト「DVD MovieWriter 5」を4月28日より発売する。価格は10,290円(ダウンロード版は7,900円)。乗り換え/アップグレード版は6,279円(ダウンロード版4,900円)。対応OSはWindows 2000/XP。 ■ BD/HD DVDに初対応 Blu-ray DiscとHD DVDなどの次世代光ディスクに対応したオーサリングソフト。記録可能なディスクは1層25GBのBD-RE/Rと、1層15GBのHD DVD-R。現在、対応ドライブ/メディアは発売されていないが、近日発売される関連製品で利用可能になる予定。
オーサリング機能は、HD解像度(1,440×1,080/1,920×1,080ドット)のメニュー作成機能やモーションフィルタ機能などを追加し、従来のDVD MovieWriterとほぼ同等のオーサリングが行なえる。 現段階ではBD/HD DVDともにメニューやスライドショーなどを含むデータはHDDへのイメージ出力にのみ対応している。対応映像コーデックはMPEG-2のみ。BD/HD DVDのアプリケーションフォーマットではMPEG-4 AVCやVC-1(WMV)などの高圧縮コーデックも用意されているが、編集やエンコード時の負荷が非常に高いことやライセンス料などの問題から搭載していない。 BD/HD DVD出力時の音声はリニアPCMとドルビーデジタルで、HD DVDのみMPEGオーディオ(ステレオ)も選択可能となっている。
※オーサリング仕様表を一部修正し、HDDへのイメージ出力やディスク書き込みの項目を追加した。(3月24日追記) オーサリングエンジンには、メモリーテックらと協力して開発したという独自の「Ulead PureHD SDK」を採用。HD DVD用のテストディスクなどにも利用されているため、高い信頼性/互換性を確保できるという。
ただし、次世代ディスクの特徴でもあるBD-J(BD)/iHD(HD DVD)といったインタラクティブ機能についてはオーサリング用のアプリケーションフォーマットの規格策定が終了していないため、MovieWriter 5では搭載していない。例えば、BD/HD DVDの再生中にメニューを表示するといった機能は備えていない。
MovieWriter5では、HDVカメラからのキャプチャ、BD/HD DVD化に注力。HDVのキャプチャのほか、HDVからキャプチャしながら直接BD-REに書き込む「BD DiscRecorder 2.5」を搭載。メニューの作成やチャプタ付与などはできないが、ほぼHDVテープの実時間でディスクの作成が可能という。 また、MPEG-4の取り込みにも対応予定。三洋の720p記録対応SDカードカメラ「Xacti DMX-HD1」で撮影したMPEG-4映像にも後日提供予定のプラグインで対応する。 ただし、720pのディスク作成などには対応せず、SDや720pの混在したBD/HD DVDの作成はできない。また、BDやHD DVDのアプリケーションフォーマットを利用しながら、既存のDVDメディアに記録するBD9(Blu-ray)/HD DVD9についても現在のところオーサリング用のフォーマットが用意されていないため、正式には対応していないという。
なお、BD/HD DVDへのライティング機能は発売時には搭載せず、後日アップグレードプログラムの配布により対応する。アップデータの提供時期は未定だが、「オーサリング用のスペックが決まり、最終版のドライブで確認して、認証が取れればすぐにでも提供できるようにする」(プロダクトマネジメント部 今澤浩之部長)とのことで、ドライブの発売とさほど日を置かずに提供されるようだ。 また、試作ドライブを用いた場合、現状では15GBの書き込みに約2時間程度の時間がかかるという。ただし、BD DiscRecorderについてはアップデータの必要なく、購入後すぐに利用でき、ほぼHDVテープの実時間でBD-REへの記録が可能という。 なお、BD/HD DVDの再生機能もDVD MovieWriter 5には搭載しておらず、BD/HD DVD-ROMや作成したディスクの再生には別途再生ソフトが必要となる。今回は開発版のWinDVDを利用して再生デモが行なわれていた。 動作環境はPentium 4 1.6GHz/Athlon 64 2400+以上。BD/HD DVDの作成時にはPentium D 3GHz/Athlon 64 X2以上の利用が推奨されている。 ■ CMカット機能も強化 BD/HD DVD対応のほか、メニューオーサリング機能も従来バージョンから大幅に強化。高解像度メニュー対応のほか、画面内にプレビューエリアを配置する「スマートシーンメニュー」や、メニューの背景に“スポットライトが動く”などの動きを重ねられる「モーションフィルタ」、テキストのみでチャプタ表示する「テキストメニュー」などを搭載。
編集機能では、フレーム単位でのサムネイル表示調節が可能な「マルチトリム」のほか、CM自動検出機能も強化。検出精度を向上させ、約90%の精度でCMを検出可能となったほか、検出速度を高速化。30分番組を約2分強でCM検出できるようになったという。 検出精度調整機能も備えたほか、日本以外にも、米国/イギリス/フランス/ドイツ/台湾の各国放送でのCM検出にも新たに対応。ただし、検出精度は日本が最も優れているという。 また、検出したCM部[C]、本編を[P]と表示し、それぞれを一括して分別/削除できる機能なども搭載し、CMカットの使い勝手を大幅に向上させた。 さらにスライドショー機能や、DVD用レーベル印刷機能「Labelflash」に対応。BD/HD DVD用のディスクイメージ/フォルダ作成機能や、MPEG-2 HDファイルのエクスポート機能なども搭載する。
■ プレーヤーソフトは第2四半期発売
ユーリードシステムズ株式会社のピーター・リン社長は、同社の戦略と、InterVideoとの関係について説明。「CeBITの会場で、(両社の関係は)危ないのじゃないか? という噂があると聞いたけれど、そんなことはない。合併は簡単なモノではないけれど、結婚みたいなモノ。1年経って、両社が協力して取り組んできて、いい時期にやっと子供(MpvieWriter 5)が生まれる」と、合併の成果を強調した。 今年の重点課題としては「BD/HD DVDへの集中」、「ネットワーク家電」、「HDビデオ編集、DVD作成、静止画」の3点を挙げ、それぞれ強化していく方針という。なお、今年の後半にはVideoStudioもBD/HD DVDに対応するほか、第2四半期にはプレーヤーソフトでもBD/HD DVDに対応。また、Windows Vistaについても順次後日対応を進めるという。
□ユーリードのホームページ ( 2006年3月23日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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