|
社団法人日本レコード協会(RIAJ)は16日、同協会会員レコード会社、および会員関連レコード会社計14社が、ファイル交換ソフトを利用してインターネット上で音楽ファイルを不正に公開しているユーザー19名の氏名などの情報開示を求める訴訟を、ISP 3社を被告として、東京地方裁判所に提起したと発表した。 RIAJの会員レコード会社と関連レコード会社はこれまでも、許諾を得ることなく市販CDの音源をファイル交換ソフトでアップロードし、レコード会社の著作隣接権(送信可能化権)を侵害しているユーザーの氏名や住所などの情報を開示するよう、ISPに請求してきた。 請求を受けたISP側は、該当ユーザーの情報を開示するか否かを、請求者の主張内容や、該当ユーザーからの意見聴取などを行ない、ケースごとに判断している。 2004年のケースでは訴訟によらず情報が開示されたユーザーのうち、7名とレコード会社が個別に交渉を行ない、1ユーザー平均45万円の損害賠償を支払うことで合意。さらに、2005年12月から2006年2月にかけて請求されたケースでは、8名の情報が開示。今後レコード会社と損害賠償支払いの交渉が行なわれる予定。 今回訴訟に至ったのは、同期間中にISP3社に対して「プロバイダ責任制限法」に基づいて開示を要求したものの、19名に関してISP側が裁判所の判断によらずに発信者情報を独自の判断で開示することを拒否したため。 RIAJでは、ファイル交換ソフトで音楽ファイルを不正にアップロードしていると思われるユーザーに対し、2004年3月からインスタントメッセージを利用し、注意を喚起する通知を送信。現在まで送信数は1,100万通を超えるという。しかし、繰り返し、大量にアップロードするユーザーに対しては、ISPへの個人情報開示請求を行なっている。
これらの活動により、「音楽CDなどから作成したファイルをネット上に無許諾でアップロードする行為が違法であるという認知度は高まっている」としながらも、「違法アップロードを行なう個人は後を絶たないため、今後も損害賠償請求などを行なうために必要な発信者情報開示を求める法的対応を、ISPに対して継続して行なっていく」としている。
□RIAJのホームページ
(2006年5月16日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|