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シャープ株式会社は2日、テレビやレコーダなど新AQUOSシリーズを発表。9月1日より順次発売する。新AQUOSシリーズはテレビが9モデル、ハイビジョンレコーダ4モデル、サラウンドシステム2モデルをラインナップ。価格はすべてオープンプライス。 各製品の発売日や、店頭予想価格は以下の通り。
■ HDMIを介してテレビ/レコーダ連携。「AQUOSファミリンク」
新AQUOSシリーズの最大の特徴は、HDMI/i.LINK接続でテレビからレコーダやサウンドシステムを制御できる「AQUOSファミリンク」を搭載したこと。ファミリンクはHDMIから機器を制御する「HDMIコントロール」機能と、i.LINK接続のレコーダと組み合わせて録画を行なう「ハイブリッドダブレコ」機能から構成される。 リモコンの録画ボタンを押すと、HDMIを介してレコーダに制御信号を送り、レコーダで録画を開始するなど、AQUOSシリーズ内での連携を強化しており、それぞれに専用の「ファミリモコン」が付属する。 HDMIを介した相互の機器をコントロールという点では、パナソニックのVIERA Linkと共通だが、ファミリンクでリモコンにダイレクトボタンを装備。より直感的で、簡単な操作を目指したという。 例えば、テレビ視聴中に、ファミリモコン右上のテレビ/レコーダ切替スイッチをレコーダ側にスライドすると、自動的に入力切替を実行。同じリモコンでAQUOSレコーダの操作が可能となる。また、レコーダの録画予約を行なう際も、レコーダに切り替えることなく、テレビの番組表画面で番組を選択し、[HDMIコントロール予約]を選択すると、AQUOSレコーダでの予約が可能。
また、AQUOSサラウンドとの組み合わせでは、HDMIを介して接続することで、テレビからサラウンドシステムの電源ON/OFFやボリュームなどの基本操作が可能。さらに、AQUOSテレビで取得した番組表から、映画/音楽などの番組ジャンルデータを取得し、サウンドシステムに伝送。映画の場合は、AQUOSサラウンドを自動的にシネマモードに切替、スポーツの場合はスポーツモードに切り替えるなどの連携が可能となっている。 いずれもHDMIのバージョンは1.2a。AQUOSファミリンクの機能実現には、VIERA Linkと同様にHDMIの拡張機能として機器間の制御などを規定したCEC(consumer electronics control)のコマンドを利用している。そのため、基本的な機能はVIERA Link対応機器などCEC採用の製品でも利用できる可能性があるが、シャープがサポートするのは新AQUOSシリーズ以降の同社製対応製品に限られる。
また、新AQUOSハイビジョンレコーダでは、i.LINK接続によりシングルチューナのレコーダでも、テレビのチューナを利用した2番組同時録画が行なえる「ハイブリッドダブレコ」機能も搭載した。i.LINKを搭載した液晶AQUOSと、新AQUOSレコーダの組み合わせでハイブリッドダブレコが利用できる。ただし、「DV-ACW38」ではあらかじめデジタルダブルチューナを搭載しているため、同機能は利用できない。 テレビからの録画予約は、HDMIを利用したAQUOSファミリンクと共通。番組表から番組を選択した後、i.LINK予約を選ぶことで、録画予約が実行される。なお、従来の液晶AQUOSからの利用についても、ダブルチューナ搭載とi.LINKを備えた製品であれば動作は確認しているという。ただし、番組表を介した録画予約などはできず、ファミリモコンの録画ボタンからの手動録画のみとなる。
■ テレビ/レコーダ/サラウンドでAQUOSファミリンク対応
液晶テレビ「AQUOS Gシリーズ」は、37型フルHDモデルの「LC-37GX1W/2W」を含め、20~37型までの9モデルを9月1日より順次発売する。 32型以上の6モデルでHDMIを介してレコーダやサラウンドシステムの操作が可能な「AQUOSファミリンク」に対応。最上位モデルはデジタルダブルチューナ構成で、HDMI入力×2などを装備する。 AQUOSハイビジョンレコーダは、地上/BS/110度CSダブルチューナ搭載の「DV-ACW38」など4モデルをラインナップ。 DV-ACW38はダブルチューナや800GBを搭載した最上位モデル。また、シングルチューナの400GB HDDモデル「DV-AC34」や250GBモデル「DV-AC32」、250GB HDD/DVD/VHS一体型の「DV-ACV32」などが用意され、いずれも「AQUOSファミリンク」のHDMIコントロールに対応。ただし、DV-ACW38はi.LINKを利用したハイブリッドダブレコには対応しない。 また、ラック一体型のサウンドシステム「AQUOSサラウンド」も発表。「AN-ACX1」と「AN-ACY1」の2モデルが10月1日より順次発売される。いずれもAQUOSファミリンクに対応する。
■ AQUOSの満足度向上を目指す。40型以上の新AQUOSも、もうじき発表
発表会では、同社AV・大型液晶事業統括 兼 AVシステム事業本部長の片山幹雄専務取締役が、新モデルの概要とAQUOSの製品戦略を説明した。 AQUOSシリーズは、2006年5月に生産台数1,000万台を突破。世界でも初となる1,000万台を達成したことを紹介するとともに、500万台までは約4年かかったが、その後1,000万台までは1年半で実現したことを紹介。液晶テレビ市場の急速な拡大を説明した。 新AQUOSの最大の特徴である「AQUOSファミリンク」の機能を紹介し、「ひとつのリモコンでレコーダも操作できるという“すぐれもの”。あたかもテレビに録画機能が内蔵されているかのように操作でき、購入者の方に、AQUOSを選んで良かったと感じていただけると思っている」とアピール。 さらに、「液晶の亀山と、レコーダ/サラウンドの矢板(栃木県)。2つの日本の工場がファミリンクでつながった。今後も第2、第3弾と対応製品を紹介していく。AQUOSファミリンクは、液晶のシャープが新しいAV機器の楽しみ方を提案するもの。今後も、AQUOSに期待してほしい」と、積極的なAQUOS/AQUOSファミリンクの展開を訴えた。
また、AQUOSファミリンクの導入により、テレビ/レコーダのセット販売も強化していく方針。セット販売の比率は、AVシステム事業本部 小田守 デジタルメディア事業部長は「30%」と説明。片山取締役は、「ユーザーにとっても、使いやすくなる。私は50%はいくと思っている」とし、AQUOSシリーズでの連携を強化することで、セット販売/バンドル率を向上していく考えを示し、「(囲い込みではという意見もわかるが)AV製品に詳しくないユーザーはもちろん、詳しいユーザーにとっても使い勝手の向上は良いこと。とにかくAQUOSのお客様が使いやすい環境を提供することを重視している」と説明した。 なお、同社では、年内に37型以上の液晶テレビをすべてフルHD化する方針を明らかにしていたが、Gシリーズでは37型でも1,366×768ドットパネル採用の「LC-37GH1/GH2」をラインナップしている。片山取締役は、「消費者の意見もある。製品としては通常のHDモデルも用意していく。Gシリーズの反響ながらも見ながら、検討していきたい」とした。 なお、1日には亀山第二工場の稼働を発表したが、AQUOS Gシリーズは亀山第1工場生産。40型超の第2工場製 大型液晶テレビについては、「まもなく、もう一度発表会を行なう予定なので、40型以上の大型液晶についてはその際に説明する。年末商戦は今回の製品と、後日発表予定の製品でAQUOSをアピールしていく」という。 同社の液晶テレビのシェアは直近で47%程度だが、ファミリンクと新製品、第二工場製パネル搭載の新製品の投入により、「年末に向け50%までは引き上げる。また、ファミリンクの導入により、現在20%程度のレコーダのシェアも拡大できると考えている」とした。 なお、AQUOSファミリンク用のリモコン「ファミリモコン」の単体販売については、「検討はしている(小田守 デジタルメディア事業部長)」という。 □シャープのホームページ ( 2006年8月2日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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