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米Tzero Technologiesは11日、UWB(Ultra Wide Band)採用の家電向けワイヤレス伝送チップセット「Tzero TZ7000」を利用し、無線でHDMI接続を行なう「ワイヤレスHDMIソリューション」を発表した。映像/音声部の機能はアナログ・デバイセズの提供するチップで実現する。 サンプル出荷は9月からで、リファレンスキットのサンプル価格は200ドル前後。正式出荷は12月開始。 ワイヤレスHDMIソリューションでは、DVDプレーヤーなどの再生機器側に送信部を接続、テレビ側に受信部を接続する構成により、機器間の映像/音声接続をワイヤレス化できるソリューション。送/受信部には、同社が6月に発表したUWBチップセット「Tzero TZ7000」を搭載するほか、映像の圧縮にはアナログ・デバイセズの開発したJPEG2000圧縮IC「ADV202」を採用。圧縮された映像データは音声と組み合わせてパケット/暗号化し、無線で伝送する。 HD DVDプレーヤーや、Blu-rayプレーヤーなどデジタル映像出力に対応するため、送信部にはHDCPキー(HDCP1.1準拠)を内蔵するHDMI入力用のインターフェイスチップ「AD9380」などを組み込み、受信部にはテレビ出力用に、同じくHDCPキー内蔵のHDMI出力用トランスミッタ「AD9389」が組み込まれる。
映像出力は720p/1080iまで対応する。1080pについては対応せず、次世代のソリューションで対応予定としている。HDMIのバージョンは1.2aで、機器間の制御を行なうCEC(Celectronics control)にも対応。また、HDMI 1.3への対応については、映像/音のタイミングを一致する「リップシンク」機能など、一部機能は実装済みだが、その他の機能については、製品の登場を待ってから対応を検討するとしている。また、HDMIのほか、コンポーネント、コンポジットの映像伝送やアナログ音声の無線伝送にも対応する。 Tzero TZ7000は、WMB規格の「WiMedia」に準拠。携帯電話などあらゆるワイヤレス機器との干渉を防ぐほか、接続の信頼性はデータ通信用の90%よりも高い95~98%を達成。保証通信速度100MbpsのHDストリームを同時に3本以上転送できる。 干渉の除去や安定した伝送を行なうため、2本のアンテナを利用して通信を行なう「UltraMIMO」を採用。伝送距離は障害物のない状態で最大30m前後、木製の壁を間に挟んだ場合でも、15~20m前後の距離まで伝送が可能。伝送速度は最大で480Mbps。 ■ 「絵画を飾るように薄型テレビを”掛ける”時代に」
発表会場では、Tzero Technologiesのマーケティング& セールス担当上級副社長のDan Karr氏が、ワイヤレスHDMIソリューションについて解説した。 「フルHD対応の液晶テレビなど薄型テレビの大型化や市場拡大が進むにつれて、居間などの壁に薄型テレビを”掛ける”時代はもう間近。だが、せっかく壁にテレビを掛けても、そこから配線が伸びてしまっていては、せっかくスマートに設置した壁掛けテレビも台無しだ」と指摘。 また、HDMIケーブルの値段の高さや、ケーブル長の制限、配線の難しさなどについても言及。そこで、これらケーブルを減らす方法として、ワイヤレスHDMIソリューションを紹介した。 「映像コンテンツを収めた再生機器を離したところに設置できるため、テレビ周辺をスッキリさせられるのが利点。利用可能な範囲も広いし、画質についても、HD解像度の高画質映像を問題なく再生できる。今後はテレビ周辺には何も置かず、映像ソースを1箇所に集中させることで、テレビの周辺をスッキリさせ、まるで”絵画のように”壁に掛けられるようになる」とした。
□Tzero Technologiesのホームページ(英文) ( 2006年9月11日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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