HDMI 1.3の説明会を開催。「PCやカメラでも普及拡大へ」 －Dolby TrueHD対応AVアンプは2007年夏頃に発売

11月10日開催

　米HDMI Licensingは、ディスプレイ機器向けのデジタルインターフェイス「HDMI」の最新バージョン「HDMI 1.3」について説明会を開催した。

　伝送帯域をこれまでの165MHz(4.95Gbps)から340MHz(10.2Gbps)にまで高め、約2倍の情報を伝送を可能にしたことで、色深度は従来の最大24bitを30/36/48bitまで拡張。さらに、フルHD以上の高解像度化や色空間として「xvYCC」をサポート。また、ドルビーTrueHDやDTS HDなどの次世代コーデックをそのまま伝送可能としたほか、映像/音声伝送時の映像/音の同期ずれを防ぐリップシンク機能を追加した。

　11日に発売される「PLAYSTATION 3」が初搭載機器となる予定。そのほか、エプソンのフルHDプロジェクタ「EMP-TW1000(12月発売)」や、東芝のHD DVDプレーヤー「HD-XA2(12月発売/北米モデル)」でも採用が決まっている。

■ HDMIはBD/HD DVDやパソコンで普及拡大

Silicon Image ブレッド・ゲインズ副社長

　米Silicon Imageのビジネスデベロップメント担当副社長のブレッド・ゲインズ氏は、HDMIを取り巻く現状について説明。「HDMIは家庭向けのデジタルAV伝送のデファクトスタンダードになった。すでに460社以上が対応機器を手がけ、2006年度に6,000万台のHDMI搭載機器を発売する。さらに、2009年には5億台に達するだろう」と、デジタルAVインターフェイスの標準規格としてのHDMIをアピールした。

　2007年以降は低価格なDVDプレーヤーや液晶テレビなどでのHDMIの普及が見込めるほか、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラでの採用の拡大も見込む。「テレビでも前面、側面にHDMI入力が増えていくだろう」と、普及モデルでも標準インターフェイスとして採用が進むとの予測を示した。

　特に2007年から2008年にかけては、Blu-rayやHD DVDなどのプレーヤー/レコーダ機器とパソコンでの採用拡大を見込んでいるという。「特にパソコンでは普及が見込める2つの要因がある。1つはBD/HD DVDドライブを内蔵すること、もう1つはPCディスプレイとしてHDTVを利用したいと考えているパソコンメーカーが多いことだ」とした。

PCでのHDMI採用拡大を見込む	2007年のHDMI市場予測

DeepColorのサポート理由

　HDMIモバイル・プロダクツのディビッド・クオ プロダクト・マーケティング・マネージャーは、HDMI 1.3の大きな特徴であるDeepColorについて説明。

　HDMI 1.3における伝送帯域拡大により、各色10/12/16bit(30/36/48bit)までの色深度に対応。表示色数を大幅に拡大したことで、自然なグラデーション表示や階調表現を可能にしている。

　クオ氏は、「われわれはカラーバンディング(グラデーション表示時の帯状の色干渉)を無くすためには、1色あたり12bitが必ず要求されると考えている」とし、10bit対応の24インチモニターと、8bitのデル製モニターでの比較デモで、HDMI 1.3の画質差をアピールした。

　なお、Blu-ray/HD DVDなどは各色8bitで収録されており、現時点では10bit超のコンテンツはほとんど存在しない。「DeepColorはまずゲームの世界で普及するだろう。また、映画のフィルムも8bitを越える情報量を持っており、ある意味DeepColorといえる(Silicon Image ゲインズ副社長)」。

10bit対応の24型モニター(左)との比較デモも行なわれた

■ HDMI 1.3対応AVアンプは、「CES発表、2007年中頃の発売」

Dolby クレイグ・エガーズ氏

　米Dolby Laboratoriesのクレイグ・エガーズ コンシューマ・エレクトロニクス シニア・マネージャは、Blu-rayやHD DVDで採用されるドルビーデジタル+(DD+)とTrueHDとHDMI 1.3の関係性について説明した。

　すでにDD+やTrueHDを収録したBD/HD DVDディスクも発売されているが、現時点でHDMI出力する場合は、リニアPCM、もしくはドルビーデジタルなどにコンバートして出力している。

　HDMI 1.3ではDD+やTrueHDを変換せずに出力する「ビットストリーム出力」にも対応しているが、現時点ではDD+/TrueHDのビットストリームを入力できるAVアンプが無い。そのため、かならずフォーマット変換が必要となる。

　エガーズ氏は「AVアンプでのDD+/TrueHDロゴ発行については、HDMI 1.3の搭載を必須とした。そのため、現時点では対応製品はない」としながらも、対応製品の発売時期については、「2007年1月のInternational CESでは多くの対応機器が発表されるだろう。また、製品の発売は2007年中頃の見込み」と説明した。

HDMI 1.3の採用でプレーヤーもDD+、TrueHDビットストリーム出力に対応可能に	プレーヤーとAVアンプが1.3対応することでビットストリームで伝送可能

□HDMIのホームページ(英文)
http://www.hdmi.org/
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( 2006年11月10日 )

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