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JVA、2006年度ビデオレンタル店実態調査を実施
-DVDとVHSの売上差は8:2に。DVD売上前年比141.4%


JVA事務局長 後藤健朗氏

11月16日発表


 社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は16日、2006年度のビデオレンタル店実態調査の結果を発表した。ビデオレンタル店の月平均売上額は前年比104.7%の494万円となった。そのうちVHSの売上額は同46.6%の102.9万円、DVD売上は同141.4%の399.9万円、VHSとDVDの売上比率は約2:8と、レンタルDVDの割合がさらに増加した。

 この調査は、同協会のレンタルシステム加盟店約5,118店に対して、郵送によるアンケートで行なわれるもの。有効回答数は684店舗で、回収率は13.4%。年に1回実施しており、今年で20回目となる。

 1ヵ月の貸出数の平均は、18,714本/枚で、内訳はVHSが前年比53.5%の4,080本、DVDは同165.6%の14,634枚となった。また、1ヶ月の貸出件数の平均は18,797.1件で、1件辺りの貸出本/枚数は2.77本/枚。

 ソフト在庫状況は、VHSのタイトル数が10,179本、DVDが8,458枚で、数量はVHSが14,874本、DVDが14,525枚と、タイトル数ではVHSの方が多いが、数量についてはVHSとDVDの数量がほぼ同数になった。これについては「VHSは古くからのタイトルが資産として多く残っているため」としている。

 会員数の平均については、前年比103%の8,254人で、男女比は65.5:34.5。

【レンタルDVD/VHSの調査結果】
  2006年
DVDレンタル実施率 97.8%
DVD+VHSの月平均売上 494万円
会員数 8,254人
  VHS DVD
月平均売上
(前年比)
102万9,000円
(46.6%)
399万9,000円
(141.4%)
標準レンタル料金 1泊2日(新作) 389円 388円
1泊2日(旧作) 354円 359円
1週間(新作) 467円 479円
1週間(旧作) 310円 323円
月平均貸出数
(前年比)
4,080本
(53.5%)
14,634枚
(165.6%)
在庫タイトル数 10,179本 8,458枚
在庫枚数 14,874本 14,525枚



■ 小規模店舗は苦戦だが、中規模店舗以上は好調

 また、店舗面積の広さから、各店舗を小規模/中規模/大規模の3種類に分類し、各分類ごとに売上額などの統計を実施した。

 店舗面積が40坪未満の小規模店では、月の売上額平均は前年比79.2%の132.6万円。内訳はVHSが同44.1%の41万3.,000円で、DVDが同105%の98万9,000円。ソフトの在庫状況は、VHSのタイトル数が7,131本、数量が7,522本、DVDのタイトル数は3,040枚で、数量は3,373枚。構成比はVHS:DVDが7:3。

 DVD売上額が微増しているが「レンタルDVDの在庫整備が遅れ、中/大規模店舗のDVD在庫数が全体の5割前後を占めているのに対して、小規模店舗は3割程度と少なめになる傾向。VHS売上が半減しているにも関わらず、DVDの在庫数が少ないため、売上げが伸びずに苦戦している」としている。

 店舗面積が40~100坪未満の中規模店では、平均売上額は前年比90.1%の469万3,000円。うちVHSが39.1%の96万2,000円、DVDが同130.6%の385万6,000円。ソフト在庫状況は、VHSのタイトル数が10,031本で、DVDが8,334枚。数量はVHSが14,735本で、DVDが14,044枚。構成比はVHS:DVDが約5.1:4.9

 DVD売上額が好調で、同協会では「貸出1件辺りの貸出本/枚数を比較すると、3.12本/枚となっており、これは大規模店舗を上回っている。会員数についても、小/大規模店舗が減少傾向にある中、中規模店舗のみ増加傾向にあり、前年比108.2%の9,052人。またDVDの仕入金額の伸張率についても大規模店より高いなど、積極的にレンタルDVDに力を入れている店舗が多く順調」とした。

 店舗面積が100坪以上となる大規模店では、月平均売上額の伸び率は最も高く、前年比113.3%の817.7万円。そのうちVHSは同53.7%の161万9,000円、DVDが同154.4%の654万4,000円となった。また、ソフト在庫状況は、VHSのタイトル数が14,352本で、DVDが12,868枚。数量はVHSが19,906本、DVDが22,291枚。構成比はVHS:DVDが約4.7:5.3。

 同協会では「DVDの在庫数がVHSを上回るなど、VHSからDVDへの移行が終盤に向かいつつある。在庫回転率も高く、売上増加に繋がる要素が多い」としている。



■ 「小規模店舗でも、情報収集のうまい店舗は順調」

上田武二郎統計委員長

 同協会事務局長の後藤健朗氏は、発表会冒頭の挨拶で「レンタルビデオがはじめて登場した20年以上前、脱サラしてレンタルビデオ店を開く人が増え、町にはレンタルビデオ店が溢れた。レンタルビデオは当時、映画を自宅で楽しめると言う『お茶の間映画館』といった形で消費者に大きな期待を持って受け入れられた。その頃は著作権の概念も浸透しておらず、多くの店舗で無許可の著作権侵害物がレンタルされていた。そんな状況の中、第1回のビデオレンタル店実態調査を実施した。ビデオ本数平均は1,397本、会員数は平均1,435人と、現在と比べると非常に小規模な結果だった」と、当時を振り返った。

 また、本調査の統計調査委員会委員長の上田武二郎氏(株式会社ポニーキャニオン 営業本部本部長)は「昨年の結果では、レンタルDVDがVHSを抜いたとは言え、ほぼ同数だったため、まだ移行の真っ只中という印象を受けたが、今年はさらにレンタルDVDへの移行が進んだ。一般家庭のDVDの普及率が高まらなければ、レンタルDVDもここまでポピュラーにはなりえなかった」と、今回の調査の感想を語った。

 集計結果については、「この1~2年の間にレンタルDVDの割合が大きく動いたため、その流れに乗れた店舗と乗れなかった店舗で明暗を分けた。統計では、大規模/中規模店舗が好調で小規模が苦戦といった結果になったが、大規模でなければ生き残れないわけではなく、中/小規模でも、情報収集をしっかりしている店舗などについては、会員数を確保し、売上げを伸ばしているようだ」とした。


□JVAのホームページ
http://www.jva-net.or.jp/
□ニュースリリース(pdf)
http://www.jva-net.or.jp/report/rental_realities_20.pdf
□関連記事
【2005年11月9日】ビデオレンタル店のDVD売上がVHSを逆転
-JVA実態調査。全体額では微減
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20051109/jva.htm
【2004年11月19日】JVA、ビデオレンタル店の実態調査を公開
-DVDレンタル実施店が79.8%から92.2%に急増
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041119/jva.htm

( 2006年11月16日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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