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3月21日、ウォークマンAシリーズの新モデル「NW-A800」が発売される。初代「ウォークマンA」の発売が2005年11月。ウォークマンのフラッグシップモデルとしては、約1年半振りのリニューアルとなる。
初代ウォークマンAでは1.8インチHDD搭載の「NW-A3000」、1インチHDD搭載の「NW-A1000」と、フラッシュメモリモデルの「NW-A600」をラインナップしていたが、今回はHDDモデルは用意されず、内蔵メモリ2GBの「NW-A805」、4GBの「NW-A806」、8GBの「NW-A808」の3モデルとなった。カラーバリエーションは、バイオレット、ブラック、ホワイト、ピンクの4色(8GBはバイオレット/ブラックのみ)。 近年のオーディオプレーヤーではHDDからフラッシュメモリへの移行が進んでいるが、フラッグシップ機でHDDモデル無しというのも時代の流れを感じさせる。フラッシュメモリモデルということで、最大の競合となるのはiPod nanoだろう。 実売価格は8GBが33,000円、4GBが27,000円、2GBが21,000円と、iPod nanoの29,800円、23,800円、17,800円と比較すると、3,000円ほど高いが、NW-A800ではH.264/MPEG-4 AVCやMPEG-4の動画再生に対応。また、小型/薄型ボディの採用に加え、大型の液晶を搭載するなど機能的にはiPod nanoを上回る点も多い。生まれ変わった「ウォークマンA」を早速試用してみた。 ■ 大型液晶と高級感あるボディが特徴。“触感”にもこだわり
付属品はCD-ROMや、イヤフォン、S/M/Lのイヤーピース、イヤフォン延長ケーブル(65cm長)、USBケーブルなど。付属イヤフォンは、EXモニターヘッドホン「MDR-EX90SL」と同じ大口径13.5mmのドライバーユニットを採用し、高音質化を図っている。 外形寸法は88×43.8×9.6mm(縦×横×厚さ)と薄型で、最薄部は8.3mm。重量は約53g。iPod nanoと比べると若干厚いが、手に持った際の重量やサイズについては、さほど変わらない印象だ。 本体前面に2型240×320ドットのソニー製カラー液晶ディスプレイを装備。その下に5方向ボタンと、BACKボタン、オプションボタンなどを備えている。 筐体の仕上げは高級感がある。サイドに金属を配したデザインという視覚的な要素はもちろんだが、筐体の前面や背面に微妙な凹凸加工が施されており、樹脂のツルっとした触感を廃しているためか、手に持った感触でも高級感を演出してくれる。塗装も美しく、角の微妙なラウンドも手になじむ。所有する満足感のあるプレーヤーという印象だ。
右側面にはボリュームボタンを装備。また、ネックストラップホールも用意している。背面にはHOLDスイッチ、本体下面にはPC連携用のWM-PORTと、ヘッドフォン出力を装備する。
iPod nanoと比較すると、ほぼ同サイズといえる筐体だが、縦長のディスプレイのためか、実物の印象はかなり異なる。液晶が大きく操作部が小さいため、一見するとNW-A800のほうが小さく感じることもある。 液晶のサイズはNW-A800が2型(240×320ドット)、一方のiPod nanoが1.5型(176×132ドット)。ソニーでは、QVGAクラスの液晶搭載プレーヤーの中では最小、としている。
■ 動画ファイルはImage Converter3で作成 「ウォークマン」ブランドの製品なので、基本はオーディオプレーヤー。だが、NW-A800の最大の特徴、差別化ポイントはビデオ再生機能だろう。競合のiPod nanoが対応していない機能で、さらにこのサイズでMPEG-4 AVC(H.264)対応というのも目新しい。 対応ビデオ形式は、MPEG-4 AVC(H.264) Baseline Profileのほか、MPEG-4 Simple Profileのファイルで、付属のユーティリティ「Image Converter3」で作成する。
Image Converter3のインストール時に、音楽用のSonicStage CP(Ver.4.3)のほか、専用ランチャ「WALKMAN Launcher」もインストールされる。対応OSはWindows 2000/XPとWindows Vista。iTunesがまだVistaを「正式サポート」していないことを考えると、Vista対応もiPod nanoに対するアドバンテージと言える。ただし、Mac OSには対応していないという弱点もあるが……。 NW-A800とPCを接続すると、WALKMAN Launcherが起動する。 ここでミュージックを選ぶと「SonicStage CP」が、フォトやビデオを選択すると「Image Converter3」が立ち上がる。なお、「ダウンロード」を選択すると、ウォークマンのホームページに飛ばされ、P-TVや「みんなのビデオ屋さん」といったサービスからウォークマン用のビデオファイルがダウンロードできる。
Image Converter3はシンプルな変換/転送ソフト。解像度は最大で320×240ドットで、ウォークマン用に「ウォークマン高画質(AVC Baseline 768kbps/30fps)」、「ウォークマン記録時間優先(AVC Baseline 384kbps/15fps)」の2つの画質モードを用意、アスペクト比もここで選択できる。後はファイルを登録して、変換ボタンを押すだけで、変換して転送される。 作成されたビデオはH.264/MPEG-4 SPともに「メモリースティックビデオ」形式となる。サムネイルや保存ディレクトリ名などの仕様を定めているようで、通常Image Converter3で作成したH.264ファイルはウォークマンのルートディレクトリ-「101ANV01」以下に保存される(MPEG-4は[101MNV01]などのフォルダ)。 ドラッグ&ドロップでの転送にも対応しているのだが、このディレクトリ指定がわかりにくいため、基本的にImage Converter3を介して転送したほうが良いだろう。
同じH.264だからPSP用の動画も再生できそうなものだが、残念ながらウォークマンではPSP用動画の再生はできない。その理由はH.264の対応プロファイルが異なっているためだ。 NW-A800が対応するH.264は、ポータブル機器など向けの「Baseline Profile」。しかし、PSPでは「Main Profile」をサポートしており、映像配信サービスやImage Converter3で作成した「PSP用ファイル」のほとんどがこのMain Profileを利用している。そのため、PSP用に作成したH.264を再生できないのだ。 ただし、PSP用のH.264ファイルでも、著作権保護が施されたものでなければ、Image Converterでウォークマン用に変換して転送できた。また、ウォークマン用に作成したH.264ファイル(Baseline Profile)は、PSPで再生できる。 ビデオiPod用のH.264はBaseline Profileのため、iPod用のH.264ファイルやPodcast番組は大抵再生できるようだ。ただし、iTunes Storeで購入したDRM付きのビデオファイルは、再生できない。 MPEG-4 SPファイルは、解像度がQVGA以下で、ビットレートが2.5Mbps以下のファイルであれば、iPod/PSP用問わずほとんど再生できた。なお、DivXやMPEG-2ファイルについては、Image Converter3で変換後に転送する。
また、Image Converter3のRSSマネージャ機能を使って、ビデオPodcastにも対応。登録したチャンネルについては、新着コンテンツを自動ダウンロードして、NW-A800に転送してくれる。現時点ではImage Converter3から直接アクセスできるRSSチャンネルの多くがPSP用のため、変換が必要となる。iPod向けのビデオPodcastであれば再変換することなく、転送できる。 ただし、音声のみのPodcastについては、このRSSチャンネルからはダウンロード/同期できない。音楽転送ソフトのSonicStage CPでもPodcast機能を備えていないので、現時点で音声のみのPodcastを更新/転送する仕組みは用意されていない。ビデオPodcastには対応するのに音声Podcastには対応しないというのもおかしな話だと思うのだが……。 また、WALKMAN Launcherの「ダウンロード」をクリックすると、ブラウザが起動し、ウォークマンのWebページ上にある動画コンテンツの紹介ページを表示する。現時点ではまだスタートしていないが、So-netの「P-TV」や、SSJの「みんなのビデオ屋さん」などで、NW-A800の発売にあわせてウォークマン用コンテンツが提供される予定だ。 ■ シンプルながら良く作り込まれたビデオプレーヤー 転送したファイルはホームメニューの「ビデオライブラリ」から再生操作を行なう。操作は液晶左下の5方向ボタンと、同ボタン右下のBACK/HOMEボタン、右上のOPTIONボタンを利用する。 5方向ボタンを利用してビデオライブラリで任意のビデオを選択するだけで、再生開始される。ライブラリ内のファイルはサムネイル付きやファイル名のみなどの表示方法が選択可能だ。
ビデオの表示方向は、縦位置のほか、液晶を横長に使うモードも用意される。さらに横位置の場合、右利き/左利き向けの選択も可能となっている。表示方向はメインメニューの[設定]のほか、ビデオ再生中にOPTIONボタンを押すだけで、変更できる。 ビデオの表示向き設定を変更すると、あわせて5方向ボタンの割り当ても画面に応じた設定に切り替わるなど、インターフェイスも良く作り込まれている。
再生が始まれば至ってシンプルなビデオプレーヤー。5方向ボタンの中央で再生/停止、ボタン左右を押すと10/30/100倍速のスキップ/バック操作が可能。また、再生中に上下を押すと頭出し/ファイルスキップとなる。なお、ビデオの再生を横位置にしている場合も、ホームメニューやファイル検索画面、各種設定など、再生系以外の操作は縦位置で行なう。 ファイルの検索や、再生/停止、スキップ/バックなどのレスポンスは非常に良く、ストレスを感じることは全くない。 再生時は縦位置の場合、液晶ディスプレイの中央240×160ドットの領域に表示を行なう。一方、横位置の場合は表示エリアが液晶全域の320×240ドットとなるので、画質や迫力を求めるのであれば、横位置で利用したい。 基本はアスペクト比を維持したまま、映像を液晶の解像度にあわせて拡大/縮小して表示するが、ズーム機能も備えている。「フル」でアスペクトを維持しながらビデオの短辺を表示領域いっぱいに拡大、「オフ」はビデオの解像度そのままで表示するモードとなっている。
表示品質も十分。「ウォークマン高画質」であれば、横位置の320×240ドット表示で不満に感じることはほとんどない。輝度や発色にムラも無く、2型の液晶ということを考えれば解像感は非常に高く、コントラストも十分だ。 「ウォークマン記録時間優先」はビットレートの低下はさほど気にならないが、フレームレートが15fpsとなるため、動きの大きいコンテンツでは避けたいところだ。また、高画質とMPEG-4の384kbpsと比較すると、映画の字幕などに違いが感じられる。変換するPCのスペックにも依るが、画質を求めるのであればH.264の「ウォークマン高画質」を選びたい。 また、OPTIONボタンで設定メニューを呼び出せば、輝度変更も可能。5段階に輝度を設定でき、屋外利用では輝度が足りない場合などに重宝しそうだ。 一点気になるのは、液晶の視野角が狭いこと。電車内でののぞき込み防止というメリットもあるが、それにしても最近の液晶としてはかなり狭い。少し傾けるだけでコントラストが一気に下がり、見づらくなってしまうため、2人で同じ映像を見たり、大勢で楽しむという場合には少々使い勝手は悪い。 ■ 高速かつ使いやすい楽曲検索機能に。日本ならではの工夫
対応オーディオ形式はATRAC3/ATRAC3plus/MP3/WMA/AACといった非可逆圧縮コーデックのほか、ロスレスのATRAC Advanced Losslessをサポート。ただし、DRM付きのWMA、AACの転送/再生には対応しない。Appleが門戸を閉ざすiTunesのAACはともかく、できればWM DRMはサポートして欲しいところだ。 転送/オーディオ管理ソフトは、「SonicStage CP(Ver.4.3)」を採用。CONNECT Playerでケチの付いた旧「ウォークマンA」だが、新モデルでは安定したSonicStageにCPの機能を盛り込んでいる。 ジャケット写真登録/転送などの機能はもとより、旧ウォークマンAの特徴としてアピールしていた、近いジャンルのアーティストや楽曲をレコメンドしてくれる「アーティストリンク」も搭載している。ただし、プレーヤー側でアーティストリンクを利用する機能は省かれ、利用できるのはSonicStage上のみだ。 転送速度は若干遅めで、Athlon 64 3000+、メモリ1GB搭載のPCで約4.3GBのライブラリを転送したところ、ほぼ1時間かかった。
基本操作はビデオとほぼ同じ。5方向ボタンで選択と階層や上下移動、BACKボタンで前の画面に戻るといった操作体系になっている。 基本的な楽曲検索は[ミュージックライブラリ]から行ない、アルバムやアーティスト、ジャンルごとにソートされた楽曲を選択できる。ビデオと大きく異なっているのは、単に縦方向に長いリストを表示するのではなく、横方向のキー操作が50音やアルファベット順のショートカットとなること。例えば、Aから始まるアーティストから、Zまでの移動などが左右のキー操作で瞬時に行なえる。 リストの移動などのレスポンスは非常に良く、楽曲選択したあとも瞬時に再生される。動作速度に関する不満は皆無だ。また、アルバム検索時には通常のリストからの検索に加え、ジャケット写真からの検索ができるなど、多様な検索手段が用意されている。なお、OPTIONボタンからはシャッフル/リピートなどのプレイモード設定や、音質設定、ブックマーク登録などが可能となっている
また、特筆すべきは、読み仮名変換表示。SonicStage CPとの連携で実現されている機能だが、取り込んだ楽曲から日本語の曲名/アルバム名/アーティスト名を自動的に読み仮名変換して、50音順、行単位で表示する。特に日本語の漢字を使った楽曲の場合、通常は文字コードの順で並んでしまうのだが、これが50音順で検索できるのだ。 大型液晶の搭載により縦方向に8行の表示ができ、さらに横方向の移動を携帯電話のアドレス帳検索のように扱えるので、日本語楽曲検索の使い勝手はかなり向上している。個人的には、検索の早さ、使いやすさではiPodよりも好ましいと感じた。 読み仮名を利用した50音順検索は、ソニーが旧CONNECT PlayerとウォークマンA(HDDモデル)で提案した機能だが、1年半経った現在も追従するメーカーは無い。旧ウォークマンAでは、ソフト(CONNECT Player)の完成度が低かったため、あまり日の目を見なかったが、きちんとSonicStage CPとNW-A800に実装されたことで、ぐっと使いやすく魅力的に感じるようになった。特に邦楽ファンには間違いなく利便性向上が見込める機能なだけに、ソニーの「こだわり」として、製品選択の際には是非注目したいポイントだ。 また、再生中に5方向ボタンの上下で、再生画面に表示されているアーティストやジャンル名、制作年を選択し、決定すると、アーティスト/ジャンルなどの楽曲検索に移動する。再生を止めることなく曲を探せるなど、柔軟な検索機能がユニークだ。 さらに、検索モードとしては、イニシャルを入力して検索する「イニシャルサーチ」機能も搭載。ホームメニューの[イニシャルサーチ]を選択すると、アルファベットやカナから、アーティストや楽曲の検索が行なえる。旧ウォークマンAシリーズでも同機能を備えていたが、新たに、ライブラリに存在しないイニシャルがグレーアウト表示されるなど、細かい部分がブラッシュアップされている。
■ こだわりのイヤフォンと音質
音質は非常に良い。ウォークマンシリーズでは、元々音質に大きな不満を抱くような製品は少なかったが、ノイズキャンセル対応のSシリーズあたりから、さらに音質が向上した印象がある。 付属のイヤフォンは、EXモニターのノウハウを取り入れた13.5mm径のユニットを搭載。製品添付のものとしては非常にクオリティが高い。耳栓型(カナル型)に近い構造(ソニーでは密閉型といっている)ながら、ユニットが外部に露出するため音漏れが多そうに見える。 しかし、実際に使ってみると耳にしっかりとフィットし、通常のカナル型よりは音が漏れるものの、普通のインナーイヤーイヤフォンと比べると音漏れが少なく、外部音の遮音性も高い。かなり使い勝手のよいイヤフォンとなっているので、こだわりのイヤフォンがなければ、このまま使うほうが良い結果を得られそうだ。 このイヤフォンと、高音域補完技術「DSEE」や、左右チャンネルのクロストークを低減する「クリアステレオ」、低音再生用の「クリアベース」の4つを総称して、同社では高音質技術「クリアオーディオテクノロジー」とアピールしている。 まずは、イコライザや、DSEE、クリアステレオ/ベースなどの全てをOFFにして聞いてみたが、引き締まった中低域と十分な情報量が印象的。派手さはないが、セパレーションも良く、ダイナミックレンジも広い。個人的には、いままでのウォークマンシリーズで最も好みだ。イヤフォンをケンウッド「KH-C701」に変更しても、全体の印象はさほど変わらない。 高音域補完技術「DSEE」は、SonicStage CPで採用された技術で、今回新たにウォークマン本体にも内蔵された。ONにすると、確かに艶やかで高域の情報量が増したように感じられる。ハイハットなどの表現にかなりの違いが感じられるが、誇張している感じはなく、自然なかかり具合が好ましい。ソースや好みにあわせて使い分けたい。 「クリアステレオ」は、左右チャンネルのクロストークを低減する技術で、ONにするとセンター定位をしっかりさせる効果が感じられる。面白いのは付属の延長ケーブル利用時のモードが用意されていること。それだけ付属イヤフォンに最適化しているということだろう。なお、別のイヤフォンでもクリアステレオの効果は感じられる。
また、バーチャル音場システムのVPTやヘビー/ポップス/ジャズ/ユニークなどのイコライザ機能も搭載している。
そのほか、写真表示機能も搭載しており、Image Converter3から写真を転送できる。Image Converter3では写真をNW-A800の解像度に最適化して転送できるが、単にドラッグアンドドロップで「DCIM」フォルダにコピーするだけでも転送可能だ。 500万画素超の画像をそのまま転送しても、ほとんどストレスなく写真のスキップなどの操作ができる。また、表示方向切換や、スライドショー、音声付きのスライドショーなども可能となっているなど機能的にも充実している。 ただし、USBの転送速度があまり速くないためか、Image Converter3を立ち上げてPCと同期する際に、かなり時間がかかってしまう。頻繁にImage Converter3を利用する場合は、この点のストレスを考えると転送時に最適化を行なっておいたほうがいいかもしれない。 また、時計表示機能やプレイリスト再生機能も搭載。連続再生時間は音楽で30時間、映像で8時間とかなり長時間の再生が可能だ。充電所要時間は3時間だが、1.5時間で80%までの充電が可能となっている。充電はUSB経由で行なう。
■ 完成度の高い「ウォークマン」 ビデオ機能がアピールポイントの一つだが、周辺環境を考えると本格的なサービスはこれから。第1弾としては完成度が高く、サービスの今後にも期待したいが、それ以上に「ウォークマン」、オーディオプレーヤーとして完成度がぐっと高まったことが印象深い。 ライブラリ検索の仕組みや、読み仮名検索、操作レスポンスなど、基本機能が非常に使いやすくなった。検索性の良さは、ビデオ対応による液晶の大型化という要素も大きいのだが、さらに音質も非常に良く、ビデオ/フォトなどの機能も充実している。間違いなくiPod nanoの強力なライバルとなるだろう。 実売価格はiPod nanoと比較すると3,000円程度割高となるが、本体の高級感やカラーの豊富さでもひけを取らず、ビデオ再生や日本語検索などのNW-A800のみの機能も多い。こうした付加機能に加え、デザインの差をどう評価するかが、選択の分かれ目になりそうだ。 あえて不満点を言えば、ビデオPodcast用のソフトを用意しながら、音声Podcastに未だに非対応なこと。これは、なるべく早く対応して欲しい。あとは、WM DRM 10に非対応ということだろうか。NapsterなどのWM DRMサービスに対応できれば、定額配信を目当てにプレーヤーを選択する人にとっても非常に魅力的な製品になる。 個人的には、本当に欲しくなる「ウォークマン」という点で、フラッシュ/HDD以降で一番の製品だ。ウォークマンのブランドへの信頼感や今後への期待感を復活させてくれるとともに、使い込むことでソニーのこだわりが随所に発見できる。ポータブルプレーヤーの市場は飽和状態とも言われるが、製品レベルでは着実な進化が続いていることを感じさせてくれる。 □ソニーのホームページ ( 2007年3月9日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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