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株式会社日立製作所は、着脱可能なHDD「iVDR」を採用したプラズマ/液晶テレビ「Wooo」を4月20日より順次発売する。 iVDRとフルHDパネルを搭載した「XR01」シリーズが2製品と、iVDR搭載のプラズマ/液晶「HR01」3製品、iVDR非搭載のベーシックモデル「H01」2製品の合計8製品をラインナップ。価格は全てオープンプライス。
■ 世界初「iVDR」搭載のデジタルテレビ。XCodeHDも搭載
最大の特徴はXR01/HR01シリーズで内蔵/リムーバブルHDD規格「iVDR-S」に対応したレコーダ機能を搭載したこと。 iVDR-Sは著作権保護規格「SAFIA」を備えたリムーバブル/内蔵型のHDD規格。新Wooo XR01/HR01では、3.5インチ容量250GBの「iVDR-Secure Built-in」を内蔵する。HDDは日立グルーバルストレージテクノロジーズ製。 XR01/HR01シリーズでは、各2系統の地上/BS/110度CSデジタルチューナと、地上アナログチューナを搭載。デジタル放送のストリーム録画/再生が可能なほか、HD映像のトランスコード技術「XCodeHD」を備え、記録解像度を維持したまま、記録容量を約半分程度まで圧縮するTSEモードを搭載。TSEモードでは通常のストリーム録画(TSモード)の約2倍、500GB相当の録画が可能となっている。また、リムーバブル型の「iVDR-S」用のスロット「iVポケット」を本体右脇に装備。iVDR-Sカートリッジを挿入して、HDD容量の拡張が可能。iVポケットのiVDRへの直接録画も可能で、内蔵iVDRからのムーブも行なえる。録画したデジタル放送番組のiVDRへのムーブは「約6倍速」で、1時間番組の場合、約10分でムーブが完了する。 別売のiVDR-Sカートリッジは、日立マクセルが「ハードディスク アイヴィ」として4月10日より発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は80GBモデルが20,000円前後、160GBモデルが35,000円前後となっている。なお、アイ・オー・データ機器が販売しているSecure非対応のiVDRはデジタル放送録画には利用できない。ただし、アナログ放送録画には利用できる。 なお、本体に内蔵される「iVDR-Secure Built-in」は、ユーザーによる交換はできない。
録画機能は、リモコンのボタン一つで、外部入力切換などの必要もなく録画できるなど、シンプルな使い勝手を目指した。録画番組のサムネイルから気に入ったドラマを毎週予約できる「かんたん毎週録画」も新たに搭載している。 同社では「特にHDDを拡張できる点を訴求していく(日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部 マーケティング本部 吉野正則担当本部長)」としているが、「“お父さん”や“娘”など自分専用のディスクの作成や、スポーツやドラマなどジャンルごとやタイトルごとにiVDRを分けて、保存するなどの使い分けもできる」など、様々な用途提案を行なっていくという。 なお、iVポケットは右側面で、設置状況によっては着脱が難しくなる場合もあるが、「できれば前にポケットを付けたいが、その場合は奥行きが厚くなってしまう。iVDR搭載のWoooでは全モデルでスイーベル機能に対応できるため、是非スイーベルを活用して欲しい」としている。 i.LINK端子も装備。内蔵iVDRや拡張したiVDR-Sから、同社の対応のレコーダへのムーブが可能となっている。i.LINKはDV入力も可能となっている。
また、ワーナー・ホーム・ビデオと協力し、iVDR対応製品購入者の中から抽選で5,000名にワーナーのHDコンテンツを収録したiVDRをプレゼントするキャンペーンも実施する。 プレゼント対象のiVDR-Sは容量が40GBで、米国の人気ドラマ「SUPERNATURAL」セカンド・シーズン第1話など4タイトルをハイビジョン収録する。収録コンテンツは以下の通り。
■ 画質向上を図ったフルHD最上位シリーズ「XR01」
最上位モデルのXR01シリーズはプラズマ、液晶ともにフルHDパネルを搭載する。 50型プラズマの「P50-XR01」は1,920×1,080ドットのフルHD ALISパネルを採用。新工場「三番館」で製造された、新開発のパネルで、輝度1,100cd/m2、コントラスト10,000:1を実現した。 色域を拡大する「新ダイナミックMBPカラーフィルター」に加え、外光の反射やパネルからの不要な反射光を吸収することで、パネルからの光を最大化する「ファインブラックフィルター」を採用。明所でのコントラストを大幅に向上させた。
37型フルHD液晶モデル「L37-XR01」は、IPSアルファテクノロジ製の「フルHD IPSαパネル」を採用、輝度500cd/m2、コントラスト7,000:1を実現する。さらに120Hz駆動と独自のスーパーインパルス駆動を用いた黒挿入技術により、動画ボケの改善を図っている。 また、同社では動画像をくっきり表示可能なディスプレイの性能指針として、「動画解像度」を採用した。動画解像度は次世代PDP開発センター(APDC)が開発した、ディスプレイの動画応答性能指標で、通常の液晶テレビを計測した場合は300本程度となる。 しかし、新フルHD ALISパネル採用の「P50-XR01」では900本以上を実現。L37-XR01でも、スーパーインパルス駆動などの導入により、600本以上を実現し、液晶テレビの弱点である「動画ボケ」の改善をアピールしている。
画質面ではプラズマ/液晶ともに、フルHDや1080p信号に対応した新画像処理エンジン「Picture Master Full HD」を内蔵。映像の解析/処理能力を高速、高精細化し、画質の向上を図っている。 また、24フレームの映画フィルムをソースにする映像を滑らかに表示する「なめらかシネマ」も搭載。24フレームの映像を60フレームに変換する際に、通常の3-2プルダウンだけでなく、独自に動き補間アルゴリズムで中間フレームを作成して挿入することで、滑らかな再生を実現する。24フレームの映像を認識すると、自動的に滑らかシネマが機能する。 入力端子は、1080p入力対応のHDMI×3と、D4×2、S映像×2、コンポジット×3、アナログ音声×2を装備。モニター出力やサブウーファ出力、ヘッドフォン出力も装備する。SD/MMCカードスロットも装備している。
L37-XR01はスイーベル対応のスタンドを装備。リモコンでテレビ画面の向きを左右30度移動できる。P50-XR1は、別売のスタンド「TP-5001WST(31,500円)」やラック「TB-PSR5071(89,800円)」によりスイーベル対応となる。 ■ iVDR搭載の42/37型PDP、32型液晶「HR01」シリーズ
プラズマは解像度1,024×1,080ドットの「1080ALISパネル」を搭載。輝度は42型が1,500cd/m2、37型が1,300cd/m2、暗所コントラストは42型が10,000:1、37型が3,000:1。動画解像度はともに720本以上。
液晶は解像度1,366×768ドットのIPSαパネル。暗所コントラストは7,000:1、輝度は500cd/m2。120Hzの倍速駆動とスーパーインパルス駆動を導入し、動画ボケを改善。動画解像度600本以上を実現している。 地上/BS/110度CSデジタルチューナ×2と地上アナログチューナを内蔵。また、1080p入力対応のHDMI端子も装備する。 それぞれ250GBの「iVDR-Secure Built-in」を内蔵するほか、「iVポケット」を本体右脇に装備。iVDRへの録画やムーブに対応する。i.LINK端子も装備する。 L32-HR01はスイーベル対応のスタンドが装備し、リモコンでテレビ画面の向きを左右30度移動できる。P42/37-HR1は、別売のスタンド「TP-4201WST(31,500円)」やラック「TB-PSR4271/TB-PSR3771(各75,800円/69,800円)」によりスイーベル対応となる。
製品企画を担当した日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部 マーケティング本部の吉野正則担当本部長は、新Woooシリーズの主要機能について解説した。 2006年発売のHR9000シリーズで提案した「WoooでREC(録画)」が多くのユーザーに受け入れられたこと。さらにHDDレコーダの普及などとあわせて、「何の不安もなくHDDを使っていただける時代になった」と、HDD録画が浸透してきた現状を説明。 さらにユーザーアンケートでは、HDD録画番組は「一度観たら消す」という意見が多かったことを紹介。ただし、「1度観たらすぐに消す」人が多く、こうした現状が家族間での消し間違いなども生んでいることから、「Myディスク」として利用できるiVDRのメリットをアピールした。 また、動画解像度に優れたプラズマの魅力を訴えたほか、ファインブラックフィルターや、なめらかシネマなどの新技術を紹介し、フルHDパネルを併せて、「新しい画質のスタンダード」と画質への自信をのぞかせた。 なお、テレビ以外のiVDR対応機器の発売については、「検討はしているが現時点では未定(由木幾夫 製品開発事業部長)」という。 また、iVDRのビデオの販売用メディアとしての活用については、「今回はキャンペーン用のコンテンツをワーナーさんに提供いただいた。これからもさまざまな形での活用を期待している(吉野本部長)」とした。なお、、Blu-rayやHD DVDとの競合については、「HDDと光ディスクの使い方は違う。光ディスクへの対応も進めていく」という。 □日立製作所のホームページ ( 2007年3月20日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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