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ソニーは28日、残像低減技術やネットワーク機能を搭載した新液晶テレビ「BRAVIA Jシリーズ」の説明会を開催。製品のコンセプトや特徴について解説した。 製品の詳細は記事を参照されたいが、BRAVIA Jシリーズのセールスポイントとして、ひとつは120Hz駆動による残像低減など、画質の向上を軸とした「本質的な価値の向上」。もうひとつは「ネットワーク対応」による新しいテレビ利用提案を掲げ、4月25日より積極的に展開していくという。 ■ モーションフローは強弱設定可能。ゲームモードも搭載
新BRAVIA Jシリーズは、従来のSシリーズの後継製品と位置づけられる。そのため、今回はフルHDパネル搭載モデルは用意されず、全モデル1,366×768ドットのパネルを採用。する。ただし、ソニーでは初となる残像低減技術の導入など、新たな提案が行なわれている。 画質における最大の特徴は、J5000シリーズに残像低減技術「モーションフロー」を搭載したこと。独自のアルゴリズムにより、縦/横/斜め方向の映像を解析し、入力信号から中間フレームを生成。通常(60Hz)の倍となる、120Hzの高速駆動を行ない、毎秒120フレームを表示することで、「動画ボケ」の要因となる液晶のホールド現象を低減している。 通常は60フレームから、中間フレームを生成するが、J5000シリーズでは映画ソースの24p入力に対応。24フレームのソースの場合は、4コマの中間フレームを生成することで、より滑らかな再生を実現する。 また、斜め方向の画素解析も行なっているため、高精度かつ違和感の少ない表示を可能としたという。実際に前モデルS2500シリーズとの比較デモが行なわれ、その効果の違いをアピールしていた。
なお、モーションフローは、3段階に強弱を設定可能となっている。これは生成するフレームの移動量を調整することで、倍速駆動時の違和感を低減するものという。例えば、サッカー番組の場合、ボールの移動を表現する際に、中間フレームは、前後のフレームのちょうど中間あたりにボールが来るように生成する。しかし、この移動量の大きさによっては、不自然さがでてくることがあるため、中間フレームにおけるボールなどの移動量を少なくして、違和感を低減するなどの調整ができるという。 ただし、残像低減のためのフレーム補間については、問題点も指摘されている。それは、中間フレームを生成するために、フレームの表示遅延が起こるということだ。 特に倍速駆動/フレーム補間に限った問題でなく、映像エンジンでの画像処理などを行なって画像表示を行なう通常の液晶テレビでも発生する問題だが、演算量が増大することや、中間フレームを生成することなどから、より顕著にフレーム遅延が発生しやすいと予測される。もちろん、通常のテレビや映画視聴ではほとんど知覚されることはないが、ユーザーが、インタラクティブ/リアルタイムな操作を行なうアクションゲームのプレイ時などには問題となる。 実際にJ5000シリーズでは、多くの人には知覚できなくても、通常の液晶テレビよりはフレーム遅延があるという。そのために、J5000シリーズでは「ゲームモード」を用意している。このゲームモード時は、「モーションフロー」がOFFとなり、入力した映像については一部の画質処理を省き、そのまま表示する。そのためフレーム遅延はほとんどなく、ゲームなどを楽しむことができるという。 また、J5000シリーズと、J3000の40型モデルのみ「10bitパネル」を採用。従来のS2500シリーズでは、PS3のメインメニュー表示時に、階調表現力が足りず、グラデーションに段差が出ていたが、新パネルによる階調表現力の向上で、こうした問題も回避可能となったという。 ■ 「アプリキャスト」でテレビを情報の窓に
さらに大きな特徴としては、ネットワーク機能が挙げられる。Ethernetを搭載し、テレビポータルサービスによる「アクトビラ」にも対応。さらに、新たに独自の「アプリキャスト」を用意した。さまざまな情報を閲覧できる窓として、こうした機能を設けることで「AV/ITの中心にBRAVIA」を市場に訴求していくという。 「アプリキャスト」は、インターネットを介して、天気情報やニューストピック、商品情報などを取得し、テレビ画面の右端に表示できるオンラインサービス。XMBからアプリキャストを呼び出すと、Windows Vistaのサイドバーに表示される「ガジェット」や、Mac OS Xのウィジェットのように、画面の右端に専用の簡易表示画面が現れる。 コンテンツは、ソネットエンタテインメントが、ニュースや占い、天気予報、フォト共有サービスなどを提供。ヤフーがオークションやトピックス、画像検索サービスなどを提供する。また、Amazon.co.jpや楽天市場の商品検索も可能で、ブラウザを起動して商品の購入まで実行できる。 また、各アプリキャストごとに設定が可能で、天気情報の場合は、都道府県を登録し、その居住地域にあわせた情報を常に表示するなどのカスタマイズが可能となっている。 現在は、画面とは別に、右端にアプリキャストを一覧表示しているが、画面の上にオーバーレイ表示するなどの改善も検討していきたいという。
さらに、全モデルでDLNAクライアント機能を搭載。同社ではDLNA機能について「ソニールームリンク」の名称で連携可能な製品をアピールしていくという。 対応コンテンツは映像がMPEG-2、音楽がMP3、写真がJPEG。映像はデジタル放送の録画番組にも対応し、ブルーレイレコーダ「BDZ-V9」などで録画したデジタル放送番組をネットワーク経由で再生できる。ただし、アナログ放送録画番組の視聴は非対応となっている。
また、HDMIコントロール機能も搭載。5月25日に発売される「RHT-G800」と連携して、スピーカー出力の切換や音量調整が可能となっている。さらにJ5000シリーズでは、テレビ側のリモコンのシアターボタンを押すと、テレビからRHT-G800に音声が切り替わり、加えて音質設定も自動的に「シアター」に切り替わるなど、周辺機器との連携が強化されている。 なお、他社のHDMIリンク製品では、レコーダとの連携に主軸が置かれているが、ソニーでは、現在HDMIリンク対応の製品が存在しないため、現時点での対応機種はRHT-G800のみとなる。ただし、レコーダとの連携も検討を続けていくという。 □ソニーのホームページ ( 2007年3月28日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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