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富士通テン株式会社は、AV機能を備えたカーナビゲーションシステム「ECLIPSE(イクリプス)」の2007年夏モデルとして、ワンセグチューナ内蔵の2DIN HDDナビ4機種や、オプションの12セグ/ワンセグチューナなどを6月中旬より順次発売する。各モデルの仕様や型番、価格は下表の通り。
■ AVN887HD/777HD
DVD/CDレシーバやワンセグチューナなどを備えた、2DINのHDDナビ。いずれも7型ワイドのディスプレイを搭載するが、AVN887HDは運転席側にナビ、助手席側にAV画面を表示できるデュアル液晶で、AVN777HDは新開発の画質補正LSIを搭載して高画質化している。それ以外の仕様はほぼ共通。 ディスプレイはタッチパネル対応/解像度800×480ドットの7型ワイド。AVN887HDには、2005年秋モデルにおいて採用された「デュアルディスプレイシステム」を搭載。運転席側と助手席側で見える映像が異なるため、運転席側はナビ画面を表示し、助手席側はDVDビデオを表示するといった使い方が可能。デュアルディスプレイをONにすると、画素数は半分(400×480ドット)の2画面となる
AVN777HDには、新開発の画質補正LSI「Vivid View Processor」を搭載。輪郭、コントラスト、彩度がリアルタイムで補正され、強度は3段階から選択可能。補正をOFFにすることもできる。AV/ナビいずれの画面でも利用可能。
従来モデルと同様に、CDからHDDへの4倍速リッピングが可能な「MUSIC JUKE」機能を搭載。新たに、約7,800万タイトル分のジャケット画像やタイトル情報をHDDにプリインストールしており、CDリッピング時に情報が付与できる。録音形式はATRAC3形式(132kbps)で、HDDには約3,000曲の記録が可能。さらに、FM多重放送を利用した楽曲情報取得サービス「FM de TITLE」や、ジャケット画像などを取得する「FM de TITLE plus」も利用できる。HDD容量はナビを含め40GB。 また、プリインストールの情報や、FM経由で取得した情報を元に、CDや着うたの販売サイトに携帯電話でアクセスできるQRコードを表示できる、メディアクリックの「FLIP MOBILE」にも対応した。対応する携帯電話は赤外線通信機能の搭載機種だが、一部非対応機種もあるため、同社サイトで対応機種を案内するとしている。 さらに、携帯電話の赤外線通信機能との連携に対応。携帯電話でナビ/AV機能が操作できるリモコン機能や、携帯電話で撮った静止画の転送機能「Pic-CLIP」が利用できる。また、ナビのルート設定において、専用のPCサイト「モクテキネット」から得た情報を携帯にメール後、赤外線でナビにデータを送信できるようになった。
DVDビデオに加え、DVD±R/RW再生も可能。ただし、VRモード記録のディスクは再生できない。音楽CDやCD-R/RW再生にも対応し、MP3/WMAを記録したディスクも再生可能。さらに、メモリースティック内のファイル再生も可能。なお、DRM付きファイルはサポートしない。 50W×4chのMOS-FETアンプを内蔵し、デコーダはドルビーデジタル対応。CD音源をデジタルのままDSPに入力する「ダイレクトインDSP」も搭載する。そのほか、別売のマイクによるイコライザ設定や、タイムアラインメントも可能。 また、同社では初めて別売ケーブル「IPC107」によりiPodとの接続に対応。Dockコネクタを備えたiPodやiPod nanoなどと接続でき、タッチパネル操作でiPod内の音楽が再生できる。なお、第5世代iPodのビデオ再生には対応しない。ステレオミニ接続のオーディオケーブルが付属し、ポータブルプレーヤーななどと接続が可能。 ナビ機能では、曜日や時間に合わせた渋滞情報を元にルートを検索する渋滞考慮探索などが利用可能。交差点などで3DCGを用いた動画を表示する「カットインムービーガイド」も搭載。そのほか、本体を車から取り外し、バッテリ接続が切断されると起動ロックがかかる防犯機能「ESN」も備える。
■ AVN667HD/557HD
いずれも、480×234ドットのディスプレイを備えたAVナビ。両機種の違いとして、AVNAVN667HDはワンセグを内蔵するが、AVN557HDは非搭載。上位モデルとの違いは、ディスプレイのほかに、ドルビーデジタル/DTSデコーダを内蔵しない点や、タイムアラインメントが簡易型となっている点など。ナビ機能の一部も省かれている。
HDD容量は40GBで、上位モデルと同様に「MUSIC JUKE」機能などを備え、「FM de TITLE」や、ジャケット静止画や価格などが取得できる「FM de TITLE plus」も利用可能。携帯電話の赤外線通信を利用したリモコン機能にも対応する。ポータブルプレーヤーなどを接続できるAUX入力も備えるが、ケーブルは別売となる。 DVD/CD部も共通で、MP3/WMAを収録したCD-R/RW再生もサポート。アンプは50W×4chのMOS-FET。ドルビーデジタル/DTSなどのデコーダは搭載しないが、4chスピーカーで5.1ch相当のサラウンドを実現するという「Circle Surround II」を装備。 ナビ機能では、AVN-8806HD/7706HDと同様に「モクテキネット」を用いたPC/携帯電話との連携機能に対応。「渋滞考慮探索機能」や、盗難防止機能の「ESN」も備える。なお、「カットインムービーガイド」は搭載しない。 ■ DTV107
地上デジタルの12セグ/ワンセグ受信に対応するチューナユニット。12セグ/ワンセグの自動切換えにも対応。AVN887HDなどに追加することにより、タッチパネルで操作できる。 アンテナは4chダイバーシティに対応。なお、付属アンテナは2chで、別売のリアアンテナを追加することで受信性能を強化できる。 チューナは2基で、受信した映像を合成する方式。変化する受信環境に応じて最適なデータ合成比率を演算、良好なデータのみ利用することで、ノイズや乱れの少ない高画質を実現するほか、受信困難なエリアでも粘り強く受信できるとしている。外形寸法は198×163×27mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.2kg。
■ AVN757HDTV/557HDTV
新モデルのAVナビに地上デジタルチューナのDTV107を追加したセットモデル。AVN757HDTVは、AVN777HDに、AVN557HDTVはAVN557HDにDTV107を追加している。757HDTVは、ナビとチューナを単体で購入する場合より1,050円低価格。557HDTVの店頭予想価格は、557HDとDTV107の合計額と同等の見込み。 本体と地デジチューナの機能は単体モデルと同じ。なお、AVN777HDでは、DTV107側でワンセグ/12セグが利用できるため、本体のワンセグチューナは省かれている。
■ XA4000/2000
IcePower製ICを採用したデジタルパワーアンプ。出力チャンネル数はXA4000が4/3/2chに対応し、XA2000が2/1ch対応。定格出力はXA4000が175W×4ch(2Ω)または350W×2ch(2Ω/ブリッジ接続時)、XA2000が150W×2ch(2Ω)または300Wモノラル(2Ω/ブリッジ接続時)。 サブウーファ再生などでの超低域歪みをカットするサブソニックフィルタ(18Hz)を搭載。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。SN比は100dB以上。ハイパスフィルタは30~500Hz、ローパスフィルタは50~500Hz。外形寸法は、XA4000が400×259×59mm(幅×奥行き×高さ)、XA2000が250×259×59mm。
■ AVN10周年を機に快適性の新提案
勝丸桂二郎社長は、4月26日に発表した2006年度決算に触れ「連結売上2,992億円となり、8期連続で過去最高を更新した」とアピール。原動力の一つとしてAVナビ製品を挙げ、「1997年に発売して以来、今年で10周年。運転席と助手席で別の映像を見られるナビや、バックアイカメラなどで、快適の質を高めてきた」と振り返った。 2007年モデルは。「車の中だけでは完結しない」として携帯電話との連携機能を紹介。「ネットから情報を探し、携帯電話からAVナビに取り込めることで、個人の多様な趣向に対応し、車の内外と繋がりながら進化させる」と説明し、「ITを用いたケータイリンクAVNで、快適なドライブの新しい提案を行なう」と述べた。販売戦略においては、2005年よりECLIPSEの広告キャラクター務めている山田優さんを引き続き起用する。
□富士通テンのホームページ ( 2007年5月14日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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