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東芝、'08年度発売を目指す車載HD DVDプレーヤーを披露
-自動車技術イベントで。三菱は1/3/12セグ対応チューナ


会期:5月23日~5月25日

会場:パシフィコ横浜 展示ホール

入場料:無料


'92年より開催。今回の来場者数は44,000人の見込み

 自動車メーカーやカーエレクトロニクス関連企業などが最新製品/技術を紹介する「人とくるまのテクノロジー展」が5月23日から25日まで開催している。会場はパシフィコ横浜 展示ホールで、入場は無料。

 カーAV関連では、東芝が車載用HD DVDレシーバを国内初披露しているほか、三菱がワンセグ/3セグ/12セグ対応の地上デジタルチューナユニットを展示。また、松下は車載スピーカーのコーンユニットに竹素材を用いた製品を公開している。



■ 東芝は、初の車載HD DVDプレーヤーを「CD/DVDと同程度の価格で」

前面にはアルパインとHD DVDのロゴ

 東芝は、アルパインと共同開発している車載用のHD DVDプレーヤーを参考出展。1月のCESでも出展されていたが、国内での展示は初となる。

 プレーヤーの基本的な部分は東芝が開発し、振動や耐久性など車載向け技術でアルパインが協力。H.264やVC-1、MPEG-2などHD DVD必須の映像/音声デコードに対応。DVD/CD再生も可能。今後も試作を重ね、2008年度中の国内発売を目指しており、価格は「DVD/CDレシーバと同程度まで抑えたい」としている。

 HD DVDのインタラクティブ機能については現時点で実装されておらず、「車で必要とされるかどうかということも検討し、車載に限っては規格を緩和して(インタラクティブ機能を)必須としないことも考慮する」としている。

 会場ではHD DVDビデオのデモ再生が行なわれており、11型/XGA解像度のディスプレイで映像を表示。後部座席用など大画面での利用も訴求するという。また、今後はナビ機能にHD DVDの豊富な記憶容量を活用することも検討されている。

 試作機では、アンプの一部などが1DINユニットに収まっていないが、製品化までには1筐体を実現する見込み。振動や室内温度など、家庭用に比べ厳しい環境下で再生するが、「温度によるディスクの反りや耐久性などの面においてBlu-rayより有利なのでは」としている。

11型ディスプレイでHD DVDビデオをデモ再生 展示されたのはカットモデルで、内部が見える

 また、SDカードを暗号鍵とした著作権保護技術「MQbic(マルチキュービック)」を紹介。従来のSDメモリーカード用のCPRMでは、SDカード内のコンテンツと暗号鍵を同一カード上で管理していたが、このDRM(SD-SD)では同じCPRMを使いながら、カード上のコンテンツのほか、カード外のコンテンツ管理も可能となる。

 この技術を用いることで、車を買い換える場合でも、AVナビなどで使っていたHDDを乗せ換えて使用可能。暗号鍵となるSDカードを挿すことで引き続きDRM付きコンテンツも利用できる。

 同機能には、対応するSDホストコントローラなどが必要なため、現在は対応機器がないが、実現すれば、小型HDDなどでDRM付きファイルをやり取りできるといったことも可能となり、オーディオ機器メーカーなどに提案しているという。ブースには、SDスロットを備えたHDD内蔵ミニコンポとカーオーディオを参考展示していた。

左は車載用、右は家庭用の対応機器(参考モデル)

東芝松下ディスプレイの8型OCB液晶(右)を従来品(左)と比較。解像度800×480ドットで、コントラスト比は100万:1を実現している カーオーディオ用のBluetooth LSIをデモ。ハンズフリー通話とオーディオが切り替え可能 車載向けの40GB HDD。東芝は車載HDDにおいて世界シェア85%で、2月には出荷累計が500万台に達したという

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■ 三菱は12セグ/ワンセグ/3セグチューナ。松下は竹コーンのスピーカー

 三菱電機のブースでは、開発中の車載地上デジタルチューナとして、12セグ放送に加えワンセグ/3セグ(デジタルラジオ)に対応した一体型ユニットを参考展示。価格や発売時期は未定。

 12セグ/ワンセグ/3セグの受信に対応し、筐体サイズは現行の12セグ/ワンセグ一体型ユニットと同程度を実現している。データ放送やEPGは12セグにおいては対応するが、ワンセグ/3セグは現在受信や選局のみが行なえるようになっており、今後ソフト面の開発を進めるとしている。

ワンセグ/3セグと12セグに対応したチューナ。筐体は従来のワンセグ/12セグチューナと同サイズ 会場では実用化試験放送中のデジタルラジオ音声と簡易動画を受信/再生

ワンセグ/12セグ対応の新モデル「TU-200D」の内部と、受信性能を改善する「D3A(Diamond Digital broadcast Decoder for Automobile)エンジン」

 松下は、車載スピーカーのコーンユニットに竹素材を用いた製品の試作機を参考展示。純正品のみでの供給を予定しており、2010年までの搭載を目指す。

 竹繊維を振動板に使用した「バンブーコーンスピーカー」は、同社のプラズマテレビでも採用されているが、車載用でも開発が進められている。針葉樹に比べた生育の早さで環境に配慮しており、内部損失や高域能力などで従来の振動版に比べ優れるという。今後も軽さと剛性、内部損失のバランスを検討しながら実用化を進めるとしている。

竹素材のコーンを用いた試作機 4チューナ/アンテナ搭載のワンセグ/12セグチューナなどの新製品も展示している



■ エプソンのヘッドアップディスプレイなど

 エプソンは、液晶プロジェクタを用いて車のフロントガラスにスピードメーターなどの映像を写すヘッドアップディスプレイを参考展示。解像度512×256ドットのパネルを用いており、安全面から画面サイズは2.1型となっているが、技術的にはディスプレイの大型化により、シアターとしての応用も可能だという。

 フロントガラス部に専用のフィルムを貼り付けることで、前方の視認性を妨げずに映像を表示。センサーで歩行者を感知した際に注意を促すといった表示にも対応できるという。

フロントガラス上、運転者の視野中央あたりに映像が表示される。実際はガラスよりやや奥側に見える 使用されている液晶パネル ステアリングの奥にプロジェクタが埋め込まれている

メーター部に立体映像が見える小型のインフォメーションディスプレイ 運転席でナビ/助手席でテレビといった異なる映像が同時に表示できるディスプレイ。同様の製品は既に市販されているが、この製品では立体映像にも対応できるという

TDKは1DINオーディオ向けの有機ELディスプレイを展示。-30~+85度までの温度に対応する点などが特徴で、富士通テンやビクターが採用。2DINサイズでのビデオ再生など大型化については「4~5年は必要」としている トヨタは純正AVナビ向けに、音楽ファイル約900曲をプリインストールして、ライセンスを購入すると再生できるサービス「G-SOUND」を展開しているが、新たにクラシック140曲を無料で再生できるようにするサービスを5月より開始。オプションでアイ・オー・データ製のBluetooth送信ユニットも用意する

村田製作所のブースでは、既に量産出荷されているワンセグチューナやBluetooth、UWBモジュールが展示 Bluetoothで「ムラタセイサク君」を操作するデモ ハンドル近くのフレーム部には薄さ約1mmの平面スピーカーが内蔵されている

□人とくるまのテクノロジー展のホームページ
http://www.jsae.or.jp/expo/

( 2007年5月24日 )

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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