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三洋電機株式会社は6日、同社製品のテクノロジーや将来展望などについて担当技術者が説明する「SANYO TG(Think GAIA)フォーラム」を開催。第6回目となる今回はムービーカメラ「Xactiを支える開発技術」をテーマに、小型・軽量化技術や回路基盤技術などに関するプレゼンテーションが行なわれた。
説明は、研究開発本部デジタルシステム研究所シリコンムービー開発部の村田治彦部長が担当。9月に発売された1080i記録対応の「DMX-HD1000」や、10月発売の720pモデル「DMX-HD700」などに用いられている技術をメインに紹介した。 小型/軽量化についてはSDカードの採用や、映像処理のエンジンを高集積化したことで実現。動画/静止画の同時撮影は、メモリバスを共有するMPEG/JPEG同時並列処理LSIを開発したことで可能にしている。 また、記録ファイルはMPEG-4 AVC/H.264フォーマットでコンテナにMP4を用いたことにより、同じくMPEG-4 AVCであるAVCHD(コンテナはMPEG-2 TS)と比べた場合の、再生環境や操作性などの面で汎用性の高さをアピールした。
映像処理技術については、イメージセンサから入ったRAWデータから露出、フォーカス、ホワイトバランスを制御する3A(AE/AF/AWB)の評価値検出方法を紹介。「DMX-HD1000」や「DMX-HD700」にも搭載されている顔検出機能については、顔検出のエリアに応じた最適なAE制御や中央の顔に合わせたAF制御を行なっている。 手ブレ補正では、「DMX-HD1000」で採用する「マルチぶれキャンセラー」(画像加算式)について説明。同技術はCMOS-ISの高速撮影で、分割露光合成により補正を行なう。回転ブレや被写体ブレにも対応し、光学式補正との比較写真で精度の高さを強調した。
Xactiでは「DMX-HD1000」や「DMX-HD700」、「DMX-CG65」においてMPEG-4 AVC記録を行なっているが、「DMX-HD1000」では、1GbpsのフルHD映像を1チップで9~12MbpsのMPEG-4 AVCに変換するコーデックを開発。これを実現する3つの技術「高効率動きベクトル探索」、「並列動き探索」、「最適符号量制御」が説明された。 「高効率動きベクトル探索」は、動きベクトルの探索領域を、動きの大小に応じて絞り込むことで、より少ない演算での検出を可能にする技術。従来比約2/3以下の低消費電力化と、同60%の回路規模を実現している。 「並列動き探索」は、垂直方向に隣接するマクロブロック(16×16画素)が並列で動きベクトル探索を行なうことで、SDRAMとの動き探索用データ転送量を50%削減(MPEG-4 AVC処理全体では30%)。230mWまで消費電力を低減した。 「最適符号量制御」は、3D相関度解析により、相関度の低いランダム画像領域の符号量を節約、注目領域の画質劣化を抑制するというもの。例として、人物の背景に川が流れているという画像を紹介。制御をONにすることで、人の顔部分に発生していたノイズが低減されていた。
そのほか、音声の信号処理についても説明。ウィンドノイズ(風雑音)の低減策として音のハーモニック構造を応用したアルゴリズムで処理されており、ハイパスフィルタでカットされた低域を、中域から復元することで、必要な音まで損なわれることを防ぐ。 本体デザインは、いずれの製品も縦型となっているが、手になじみ、グリップ感に優れているという105度のグリップ角を採用。同社調査により、「撮影スタイルとしては横型に比べ、縦型は筋負担が小さく、グリップ角度は105度程度が最も負担が小さく、使いやすい」というデータも紹介された。 再生環境の優位性として、デジタルカメラと同じDCF規格のシンプルなフォルダ構造を採用している点などをアピール。ブログや動画共有サイトなどの急拡大に伴うニーズにも、Xactiのシンプルなソリューションで応えられると見ている。
■ 無線化や、動画の顔検出も検討
Xactiのネーミングは「exact + action」(確実な動作)と「exact + active」(精緻で活動的)が由来。Xactiが想定するターゲットについて「日常のふとしたシーンを大切な思い出にする」、「動画も静止画も1台で」といったコンセプトに触れ、「軽量・コンパクトの追求」、「高画質動画と静止画の両立」、「PC/Webとの親和性向上」がXactiのイノベーションとして紹介された。 Xactiは、ビデオカメラとデジタルカメラの中間に当たる層をターゲットとして新規開拓することを目指しているが、この点についてパーソナルモバイルグループ DIカンパニー DI事業部 DI企画部の豊田秀樹部長は、「運動会などイベントで使う“ビデオカメラ”は、圧縮技術においては1080i/pであろうとある程度の進化で一段落した。市場としてはXactiが目指すものと融合されてきた」と認識。 一方で、DI事業部 技術部の春木俊宣部長は、“私見”と前置きした上で「技術的な違いというより、他社はコンテンツがメディアから切り離せない“メディアオリエンテッド”に思える。我々はSDでもHDDでもファイル一個一個が動く形にする“コンテンツオリエンテッド”。そういったことから定型のビデオカメラとは呼ばない」との考えを表した。
今後の展開について具体的な予告は無かったが、無線でのデータのやり取りを行なう機能についての質問には春木部長が回答。「カメラで写真交換用として赤外線は使える。テレビに映すとなると指向性やパワーの問題がある。無線は、どういうアプリケーションにするかが問題。ただ線がなくなるということだけに魅力はなく、何かを付加したい」との考えを示した。 加えて村田氏は、「静止画ではいくつかのメーカーがやっているが、動画ではファイルを動かすだけでは面白くない。ストリーミングもやってみたいが、通信相手側の問題がある。それを三洋だけでやるか、オープンにやるかということもある。利便性としてそういう方向はあると思って話し合っているが、そう簡単にはいかないだろう」としている。 静止画で実現している顔検出機能の動画への対応については、「方向性としてはある。実現は商品企画の問題。技術は山のようにあるので、どう商品化するかを相談しながら進めている」(村田氏)という。
( 2007年12月6日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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