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松下電器産業株式会社は、SDメモリーカードに1,920×1,080ドットのMPEG-4 AVC/H.264動画記録が可能なAVCHD対応のSDハイビジョンムービー2モデルを1月25日に発売する。 SDカードスロットのみの「SD9」と、60GB HDDも内蔵したハイブリッドタイプ「HS9」を用意。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はどちらも13万円前後の見込み。なお、SD9にのみ、8GBのSDHCメモリーカードが同梱されている。 SD9はSD5の後継モデル。縦型タイプの新モデルは用意されておらず、現行のHDC-SD7が併売される。SD5/SD7はSDカードスロットのみを備えるムービーカメラのため、フルHDモードで撮影すると、付属の4GBカードの場合約40分と撮影可能時間が短いのが難点だった。 そこで、小型/軽量を追及するSD9では付属カードの容量を8GBに倍増。HS9は60GB HDDとのハイブリッド仕様とすることで、長時間撮影のニーズにも応えるモデルとして投入される。また、両モデルとも新開発のシステムLSI「UniPhier」を搭載。小型/軽量化を実現したほか、記録モードに17Mbpsモードを追加するなど、細かな改良も行なわれている。
■ 動画撮影でも顔認識 2モデルとも、搭載するCCDやレンズはSD5などと同じ。3CCD方式のテルニオンCCDで、素子のサイズは1/6型。総画素数は56万画素×3で、画素ずらしでフルHD録画を実現。有効画素数は動画/静止画とも52万画素×3(16:9)。光学式手ブレ補正「アドバンスド O.I.S.」も搭載している。レンズはライカディコマーレンズ。光学10倍ズーム。F1.8~2.8で、35mm換算の焦点距離は動画時で42.9~429.0mm(16:9)、静止画時で42.9~429.0mm(16:9)。
新開発の「UniPhier」を投入し、微細プロセス化とIC設計のチューニングにより、SD5と比べ、消費電力を45%低減。従来は4つのLSIで処理していた機能を1つのLSIで行なえるようになり、小型/軽量化を実現。 SD9は外形寸法65×126×67mm(幅×奥行き×高さ)/本体重量約275g。HS9は75×126×74mm/約390gで、HDD搭載デジタルハイビジョンビデオカメラとしては世界最小最軽量としている。 動画は1,920×1,080ドット、MPEG-4 AVC/H.264 High Profileで録画。従来の最高画質モードは、ビットレート約13Mbpsの「HGモード」だったが、SD9/HS9ではさらに上の約17Mbps「HAモード」を追加。また、従来は1,440×1,080ドットに解像度が落とされていた9Mbpsの「HXモード」の解像度が、1,920×1,080ドット記録に変更。「PHL(パナソニックハリウッド研究所)で培った技術などを投入し、H.264 High Profileに更なる磨きをかけ、高圧縮と高画質を両立した」としている。
また、コンパクトデジタルカメラで人気の顔認識機能を、動画撮影でも可能にした「おまかせ顔認識」を搭載。専用LSIでリアルタイム(1/60秒)に顔を認識。顔の部分が最適な露出になるよう、AE制御/コントラスト補正/美肌制御が自動で行なわれる。認識できる顔は同時に5人まで。静止画撮影でも使用できる。
さらに、x.v.Colorにも対応。フルHD/24pで撮影を行なう「24Pデジタルシネマ」モードも搭載した。
音声面では、ズームマイクとガンマイク機能を備えた5.1chサラウンドマルチマイクを搭載。遠景では5.1chサラウンドで周囲の音を収録。人物などにズームすると、人物と前方の音をメインに収録。さらにガンマイクモードでは周囲の音を抑えて被写体の音を集中的に記録。鳥の声などの録音にも適しているという。
初心者をアシストする撮影機能としては、カメラのブレや、早すぎるパン/ティルトなどの動きを検知し、「手ぶれ補正をおすすめします」などのメッセージが表示される「おまかナビ」を用意。さらに、観賞時に不快に感じるほど激しい動きや、録画停止を忘れて地面を撮影してしまったような、いわゆる失敗シーンを自動検知。専用のプレイリストにタグを打つことで、再生時にその部分をオートスキップして再生する機能も搭載した。
このオートスキップ機能は、バージョンアップされた付属編集ソフト「HD writer 2.5J」でも活用。「速パン」、「速ティルト」、「手ブレ」、「逆光」、「低照度」、「地面撮り」、「ピンボケ」の失敗シーンを自動抽出することで、その部分を省く編集が手軽に行なえるという。ほかにも、SDカードからシーン単位で取り込む機能や、HS9では未取り込みシーンだけを取り込める「取り込み履歴管理」機能も利用できる。
録画ボタンを押してから3秒前に遡って記録できる「プリREC」機能も引き続き搭載。スタンバイ状態で「プリREC」ボタンを押すと、メモリに3秒間撮影した映像をバッファし続ける状態となり、録画ボタンを押すとその瞬間から3秒前の映像も録画される。
■ 秒間24コマの高速静止画連写 24pでの動画撮影が可能になったこともあり、静止画撮影では、1秒間に24コマの高速連写が可能になった。連続3秒間撮影が可能で、合計72枚まで一度に撮影できる。
HDDとSDカードのハイブリッドモデルは、HDDとSDカード間で、動画ファイルの全コピー、選択コピー、日付別コピーなどが可能。HDDの長時間録画と、SDカードムービーの高速起動/利便性などが両立できるという。 DVDへのライティングは、SD7/5向けに発売されているDVDライター「DVDバーナー(VW-BN1)」が使用可能。撮影したAVCHD動画を12cm DVDに、フルHD解像度のまま、AVCHD形式のDVDとしてライティングできる。 連続撮影時間は、付属バッテリを使用した場合、SD9が1時間45分(実撮影1時間5分)。HS9がHDD記録で連続1時間35分(実撮影1時間)、SDカードで1時間45分(実撮影1時間5分)。
SD7/5では電池蓋に切り欠きが設けられ、そこからケーブルを出して大容量バッテリを接続したが、今回の2モデルでは電池蓋の無いデザインになり、大型バッテリをそのまま装着できる。
□松下電器のホームページ
(2008年1月9日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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