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シャープ、年間900万台の液晶テレビ出荷は未達に
-下期は過去最高の業績も、米国での低迷が響く


4月25日発表


 シャープが発表した2007年度連結決算は、売上高が前年比9.3%増の3億4,177億円、営業利益は1.5%減の1,836億円、経常利益は1.3%減の1,683億円、当期純利益は0.2%増の1,019億円となった。

 片山幹雄社長は、「売上高は5年連続で過去最高を更新したが、利益では上期の減益をカバーできず、また為替の影響も大きく受けた。1,900億円の営業利益目標には到達しなかったことは大いに反省すべき内容」としたが、「下期の営業利益は上期比で32.4%増となり、営業利益率は上期の4.8%から、5.9%に改善している。下期は売上高、営業利益ともに、半期業績として過去最高となった。中間期では悔しい思いをしたが、下期の回復は、この1年の成果として、評価できる内容になっている」とコメントした。



■ 北米の不況などで、年間900万台のテレビ出荷計画が未達に

片山幹雄社長

 エレクトロニクス機器の売上高は、11.8%増の2兆2,917億円、営業利益は3.0%減の792億円。そのうち、AV・通信機器の売上高が15.7%増の1兆5,989億円、営業利益は13.8%減の382億円。

 「掲げていた年間900万台の液晶テレビの出荷計画が未達となった。とくに海外において市況に変化にあわせた商品企画や価格政策が十分でなかったため、販売台数が大きく下回ったのが減益の原因」とした。

 液晶テレビの売上高は、32.7%増の8,141億円。台数では前年比37%増の824万8,000台。国内は345万1,000台、北米が257万2,000台、欧州が145万1,000台、その他地域が77万4,000台となった。

 「価格下落は、国内外ともに32インチ以下が10~15%程度、37インチ以上では10~20%程度の下落となっている。また、当初40インチ以上の構成比を40%以上にするとしていたが、これが20%台の構成比に留まっている。北米でのサブプライムローン問題を背景に新築の建築件数が減少しており、これが大画面テレビの売れ行きに影響している」と、景気動向や市況の変化に大きな影響を受けたことを示した。

 また、「欧州において、モジュールからテレビ生産までを行なうポーランド工場の立ち上げに時間がかかると見ていたが、それを上回る形で遅れた。大きな反省点だといえる」とした。

 しかし、片山社長は、「2007年7月に亀山第2工場の第3期ラインの立ち上げにあわせて、メキシコ、ポーランドの新工場が稼働し、世界5極でのグローバル生産体制が整った。2008年度はグローバルオペレーションの精度を高め、トータルバリューチェーンの強みと、コストダウン効果によって、AQUOSの競争力を全世界で高めたい」として、巻き返しに挑む姿勢を示した。

 携帯電話および通信融合端末の売上高は、7.2%増の6,513億円、台数は2%増の1,516万台。

 「国内の携帯電話市場は伸び悩んだが、幅広いユーザーからの支持を受け、当社の携帯電話事業は順調に売り上げを拡大できた。2007年度は3年連続での国内トップシェアを獲得した」とする。

 電化機器事業の売上高は、4.5%増の2,498億円。営業利益は0.8%増の190億円。エアコンと冷蔵庫の伸びが堅調だったという。主要製品の売上高は、冷蔵庫が15.7%増の666億円、エアコンが21.7%増の594億円、電子レンジ・オーブンが13.7%減の517億円となった。

 情報機器事業は、売上高が0.9%減の4,428億円、営業利益が10.3%増の390億円。複写機、複合機、通信融合端末は伸張したが、PCの販売減少が響いた。

 一方、電子部品部門の売上高は12.9%増の1兆7,628億円、営業利益は1.1%減の1,043億円となった。そのうちLSIの売上高は1.6%増の2,035億円、営業利益は70.0%減の22億円。液晶は、売上高が18.4%増の1兆2,341億円、営業利益が12.5%増の879億円となった。太陽電池が含まれるその他電子部品は、売上高が2.0%増の3,252億円、営業利益が28.8%減の142億円となった。



■ 「2008年度は液晶テレビ事業にとって正念場」

 また、2008年度の業績予想も発表。売上高は、前年比5.3%増の3億6,000億円、営業利益は6.2%増の1,950億円、経常利益は3.9%増の1,750億円、当期純利益は3.0%増の1,050億円とした。経常利益および最終利益は2007年度の計画をそのまま先送りしたものになる。

 部門別では、エレクトロニクス機器の売上高が3.8%増の2兆3,790億円、営業利益は6.0%増の840億円。そのうち、AV・通信機器事業の売上高は5.4%増の1兆6,850億円、営業利益は11.0%増の425億円。健康・環境機器(旧電化機器)の売上高は0.9%増の2,520億円。営業利益は4.8%増の20億円。情報機器は、売上高が0.2%減の4,420億円、営業利益が1.2%増の395億円とした。

 また、電子部品部門の売上高は7.6%増の1兆8,970億円、営業利益は8.5%増の1,132億円。そのうち液晶の売上高は9.0%増の1兆3,450億円、営業利益が8.1%増の950億円。太陽電池の売上高は19.2%増の1,800億円、営業利益が46億円、太陽電池を除いたその他電子部品は、売上高が1.5%減の3,720億円、営業利益が32.4%減の136億円とした。

 なお、2008年度の設備投資は、前年比4.7%増の3,300億円を計画。そのうち、液晶関連の設備投資は3.9%減の2,200億円とした。

 2008年度における液晶テレビは、10.5%増の9,000億円を計画している。台数では1,000万台を計画し、国内では390万台、北米では290万台、欧州では170万台、中国を含むその他地域では150万台を出荷する計画だ。

 「40インチ以上の構成比は30%前後になるだろう。米国では40インチ以上の領域において減速感はあるが、今年は生産、販売体制が整ったことから、米国市場において40インチ台の価格戦略にも積極的に打って出る。戦う準備が整ったと考えている」としたほか、「薄さ2cmの超薄型液晶テレビも今年中には出荷する予定。北京オリンピック需要後の仕掛けも、しっかりと準備していきたい」と語り、「今年は、液晶テレビ事業にとって、正念場になる」とした。

 また、携帯電話に関しては、新料金制度の開始によって、買い換えサイクルが長くなることを背景に需要が減速すると予想。金額では1.7%減の6,400億円、台数では2%減の1,480万台と慎重な見方を示した。しかし、「海外市場において、ハイエンド端末による展開を予定している」(片山社長)として、中国における携帯電話事業に乗り出す姿勢を改めて強調した。

 一方、液晶事業に関しては、9.0%増の1兆3,450億円と成長を見込む。「液晶パネルの供給価格は、需給パランスがタイトであることから安定しており、当社の液晶に対する引き合いも強い。2006年度は10%程度だったパネルの外販比率を、2007年度には20%に引き上げているが、これを2008年度には30%程度にまで高めたい」とした。

 太陽電池は、2008年度の売り上げ計画を前年比19.2%増の1,800億円としているが、「2007年度は原材料不足が響いたが、シリコンの自生体制および調達体制が下期から整ってきた。大きな成長を見込みたい」と語った。

大西徹夫取締役経理本部長

 シャープは、2008年度の事業達成に向けて、液晶テレビを全世界で展開できる地盤が確立できたことが大きいといえよう。なかでも、北米市場では、国産各社も本格的に展開を開始すると見られるだけに、そこでシャープがどれだけの存在感を発揮できるかが鍵だろう。

 だが、昨年度は113.28円としていたドルのレートを、今年は100.00円と見ており、同様にユーロに関しても、160.02円を150.0円としており、この影響が気になる。

 「ドルベースで、1円あたり約20億円の営業利益への影響がある」とする同社にとって、これだけで300億円規模の影響がある。さらに、「鉄や樹脂などの原材料費の上昇で、年間100億円程度の影響がある」(シャープ・大西徹夫取締役経理本部長)というなかで、いかに増益計画を達成できるかが重要になる。

 片山社長も、「2008年度の最終評価は、どこかがポイントというよりも、売上高、利益をしっかりと達成できるかどうかにかかる」とする。

 なお、パイオニアと松下電器のプラズマテレビに関する提携に関して片山社長は、「株式を所有しているとはいえ、パイオニアは独立した会社であり、口を挟むことはない」と語った。


□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□決算資料
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/index.html
□関連記事
【2月1日】シャープ、2007年度第3四半期は過去最高の業績
-液晶テレビの国内出荷は、27.1%増の107万6,000台に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080201/sharp.htm
【1月8日】シャープ、亀山第2工場の第4期生産ラインを7月に導入
-薄型液晶テレビの2008年製品化も示唆
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080108/sharp.htm

( 2008年4月25日 )

[Reported by 大河原克行]


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