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米Appleは9日(現地時間)、第3世代携帯電話(3G)に対応した新型iPhoneを発表した。日本ではソフトバンクからの発売となり、この新型モデルが投入される。日本や米国など、22カ国では7月11日に発売。その他、約48カ国でも年内のリリースが予定されている。各国の発売予定も公開されている。日本での販売条件などは「後日あらためてお知らせする」としている。 米国での価格は8GBモデルが199ドル、16GBモデルが299ドル。カラーリングは背面がホワイトのものと、ブラックを用意する。ただし、8GBモデルはブラックのみ。 また、新型iPhoneに搭載され、従来のiPhoneやiPod touchでも使用可能な新ファームウェア「iPhone 2.0ソフトウエア」も7月初旬頃の公開を予定。米国では、iPhoneの場合は無償でiPhone 2.0にバージョンアップ可能だが、iPod touchでは9.99ドルの有料アップデートになる。日本でもiPod touchが有料アップデートになるかどうかは未定。iPhone 2.0ではサードパーティ製アプリが多数用意される。新たに提供される主なソフトウェアは後述する。
3G対応iPhoneは、正面デザインは従来モデルとほぼ同じだが、背面のカラーリングが異なり、ブラックとホワイトの2色が用意される。ディスプレイは3.5インチ、解像度は480×320ドットで従来モデルと同じ。新たにGPS(A-GPS)を内蔵し、地図アプリなどでユーザーの位置が正確に把握できるという。屋内などでは無線LANも併用して位置情報を取得。加速度計も内蔵しており、ゲームなどのアプリケーションで本体を傾けたり、振ったりするコントロールが可能。科学計算機も搭載している。 連続待ち受け時間も従来の250時間から300時間に伸びている。通話時間は2G使用時で10時間と従来の8時間から延び、3Gでは5時間となる。ネット使用時の使用時間は6時間で変わらず、動画再生の7時間、音楽再生の24時間も従来モデルと共通。 外形寸法は115.5×62.1×12.3mm(縦×横×厚さ)で、従来のiPhone(115×61×11.6mm)やiPod touch(110×61.8×8mm)と比べると若干厚い。しかし、重量は133gで、従来のiPhoneの135gより軽量化。touchは120gとなっている。 入力は従来のiPhoneやiPod touchと同様に、タッチスクリーンに表示されたキーボードを指で操作し、日本語の予測変換も可能。中国語の漢字をスクリーンに手書きし、自動認識させる機能も追加されたが、日本語の手書き文字認識には対応していない。 3G、およびHSDPAに対応し、高速通信を実現。これに合わせて「MobileMe」という新オンラインサービスも開始。メールや連絡先、予定表などのデータをオンラインサーバーに保存し、iPhoneだけでなく、touchやMac、Windows PCで自動同期させるというもの。通信経由での同期になるため、Dock端子を介したPCとの同期作業は不要。MacのMail、アドレスブック、iCal、Windows XP/VistaのOutlook、iPhoneやiPod touchに標準搭載されているアプリとも連携できる。 写真をオンラインに保存するギャラリー機能も備え、Apple TVを使ったPCレスでテレビなどに表示することも可能。オンラインディスクスペースの「iDisk」も利用できる。これらのサービスは有料となっており、20GBストレージ付き単独アカウントは年間9,800円、20GBのストレージ付きマスターアカウントと、5GBのストレージ付きサブアカウント4つが含まれるファミリーパックは年15,600円。60日間の無料トライアルも利用できる。 Microsoft Exchange ActiveSyncにも対応し、こちらを使ったメール、カレンダー、連絡先などの同期も可能。Cisco IPSec VPNと802.1X認証機能を備えたWPA2 Enterpriseもサポート。ビジネス利用時に社内のリソースなどに安全にアクセスできるという。 そのほかの仕様は従来のiPhoneやtouchと同様。IEEE 802.11b/gやBluetooth 2.0は引き続きサポート。音楽ファイルはAAC、MP3、Audible、Apple Lossless、AIFF、WAVをサポート。動画も640×480ドット、30fpsのMPEG-4 AVCに対応。SMSも備えており、テキスト形式でのチャットも可能。YouTubeも閲覧できる。 環境光センサーを内蔵し、周囲の明るさに合わせて液晶のバックライトを自動調節。近接センサーも内蔵しており、耳に近づけるとディスプレイの電源をOFFにしてバッテリを節約。誤動作も防ぐ。200万画素のデジタルカメラも装備。マイク付きステレオヘッドセット、Dockコネクタ付きUSBケーブル、SIMカードツールなどを同梱する。 なお、3G iPhoneの日本投入に関して、ソフトバンクグループの孫正義代表は「アップルと強いパートナーシップを組めることになり感激しております。iPhoneを販売することは、インターネットと携帯の融合を革新的に進めるアップルとソフトバンクモバイルのビジョンが一致することであり、胸が躍る思いです。世界中で熱狂的に受け入れられているiPhoneは、日本のお客様にも必ずご満足していただけると確信しています」とコメントしている。
■ iPhone 2.0ソフトウエア向けアプリ iPhone 2.0の投入により、豊富なサードパーティー製アプリケーションが利用できるようになる。「App Store」と呼ばれる、アプリケーションを購入/ダウンロードできるソフトが用意され、日本向けのラインナップは現在のところ不明だが、米国向けには新ゲームとして、加速度計を使用して本体を傾けることで操作できる「Super Monkey Ball again」などが登場。 ゲーム以外ではeBayでオークションが可能なツールも用意。入札だけでなく、メールを使って落札者に連絡をとることもできる。「Loopt」はMaps表示機能とSNSを組み合わせたもので、現在iPhoneを持っている友人がどこにいるかを確認できるという。日記や写真の閲覧といった通常のSNS機能も利用できる。
□米Appleのホームページ(英文)
(2008年6月10日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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