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松竹株式会社は、東京新宿にシネマコンプレックス「新宿ピカデリー」を7月19日にオープンする。17日に取引先や報道関係者向けに向けに公開した。 新宿ピカデリーは、10スクリーンで合計2,237席、延べ床面積9,811m2という都内最大級のシネマコンプレックスとなる。3階のメインロビー中央には、シャープによる、世界最大の108型液晶ディスプレイが設置され、映画の宣伝用映像を上映するなど、最新の設備を数多く導入している。 ■ 「明るい映画館」には液晶が必要 松竹 映画興行部の樫村マネージャーは、新宿ピカデリーのコンセプトを紹介。「都心の映画館にいかに足を運んでもらえるか。その点にこだわった」とし、白いキャンバスをイメージした明るいロビーや、昼間と夜で表情を変える“新宿でも目立つ”映画館を目指した、と説明。デザインコンセプトは「真っ白なシアター」という。
白を基調とした空間にこだわったため、「明るい部屋で離れた位置でもしっかりと情報を確認できるディスプレイ」が求められた。そのため、明所でもコントラスト感ある映像表示が可能な液晶が「映画館のコンセプトと合致した」とし、世界最大の108型液晶ディスプレイの導入を決定した。 同ディスプレイは、亀山第2工場の第8世代マザーガラスから1面取りできる最大サイズである108型ASV液晶パネルを採用。解像度は1,920×1,080ドット、最大表示色は7.6億色。最大輝度は400cd/m2、コントラスト比は1,200:1、視野角は上下/左右176度、応答速度は6msとなる。 108型ディスプレイだけでなく、チケットカウンターや、フードコーナーのディスプレイなどでも液晶を積極的に採用。チケットカウンターでは、65型のフルHD液晶を4枚採用しており、合計51台の液晶ディスプレイをシャープが納入している。51台の内訳は、108型が1台、65型が10台、52型が2台、46型が4台、37型が10台、10.4型が24台。 例えばフードコーナーのメニューボードに液晶を導入することで、季節のメニューや時間にあったメニューを簡単に切り替え可能となるなど、液晶の特性を生かしてコストや手間を削減するための工夫を施しているという。
シャープ 情報通信事業本部 副本部長の名井哲夫氏は、同社のインフォメーションディスプレイ市場への取り組みを紹介。屋外設置に対応する高輝度化や対環境性能や、防塵化による信頼性向上など、民生向けテレビとは異なる性能が求められる事例を紹介し、イベント/店舗の空間演出や、空港などの情報提供、電子広告、教育現場など、さまざまな環境で液晶によるディスプレイソリューションを展開していく意向を表明。 108型ディスプレイについては、「明るいところでもきれい」という液晶の特性が、松竹のニーズに合致した点をアピール。新宿ピカデリーを皮切りに、「8月からは世界展開も図っていく」と語った。 ■ ペア3万円のプラチナシートも
新宿ピカデリーの1階から3階を貫く吹き抜けには、大階段を配置。その吹き抜けをあがった位置に108型の液晶ディスプレイを設置している。スペースが広いため、108型というサイズの大きさはあまり感じないが、明るいロビーでも映える映像は液晶ならではのもの。 同ロビーには、チケットカウンターやフードコーナーも設置し、それぞれの場所で液晶ディスプレイが利用されている。フロア全体が白を基調にデザインされており、映画館とは思えないほど明るい。来場者はこのロビーを介して、各階のスクリーンへと移動する。
4階は新宿ピカデリーで最大のスクリーンサイズの「スクリーン1」。総座席数は607席。JBLの大型スピーカーをサラウンドスピーカーとして利用するなど、音響面にこだわった設計となっているという。 一般のチケット料金は1,800円だが、同スクリーンの2階席にあたる5階には、「プラチナロビー」と位置づけられ、高級志向の特別席が設けられている。 中央のバルコニー席は「プラチナシート」と呼ばれ、全22席設置。「ベストポジションで映画鑑賞できる」という。チケットは1人5,000円、ペアで10,000円。プラチナシートの劇場用シートは、伊カッシーナ・イクスシー製。
さらに、両脇には「プラチナルーム」を用意。チケットは「世界で最も高価」というペア3万円で、「各界で活躍する一流の方々をお迎えする空間」と位置づける。プラチナルームは、プライバシーを確保したバルコニー席となるほか、シートもカッシーナの「ポルトヴェーネレ」を導入。シャンパンのサービスも用意する。 また、映画鑑賞前の時間は、専用のリラクゼーションルームでくつろげるなど、「極上の環境とサービスを提供する」という。 プラチナシートとプラチナルームの利用者専用のシネマライブラリーとプラチナクラブカフェも用意。フォトブックやドリンク、フードなどを映画鑑賞前の時間などに楽しめる。 7階の「スクリーン2」は301席、「スクリーン3」は287席。9階のスクリーン4は127席、「スクリーン5」は157席、「スクリーン6」は232席、11階の「スクリーン7」は127席、「スクリーン8」は157席、「スクリーン9」は127席、「スクリーン10」は115席。スクリーン1から10までの全スクリーンで、クリスティ・デジタル・システムズ製のDLP Cinemaプロジェクタ「CP2000シリーズ」を導入している。
□シャープのホームページ ( 2008年7月18日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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