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松下電器産業株式会社は、HDD録画に対応したプラズマ「VIERA」のフラッグシップモデル「PZR900シリーズ」3機種を9月10日より順次発売する。 50型の「TH-50PZR900」と46型の「TH-46PZR900」、42型の「TH-42PZR900」の3モデルをラインナップし、価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は50型が54万円前後、46型が48万円前後、42型が42万円前後の見込み。
50/46/42型のいずれも1,920×1,080ドットのフルHD解像度を持つ新世代PDPを採用。広色域プラズマパネルやハリウッドカラーリマスター、デジタルカラー・リアリティ技術などにより、色表現力を向上しているほか、ダイナミックブラックレイヤーを採用し、コントラスト比3万:1を実現している。 また、PZR900シリーズの特徴として、1TBのHDDを搭載。BSデジタル放送(約24Mbps)を86時間、地上デジタル放送(約17Mbps)を約121時間録画できる。さらに、アクトビラビデオ・フルに対応するほか、Googleの動画共有サービス「YouTube」にも9月30日より対応するなど、ネットワーク機能「テレビでネット」を搭載する。 ■ 広色域「シネマライブ画質」を訴求 新VIERAシリーズの画質キャッチコピーは「シネマライブ画質」。パネルや高画質化回路などの基本仕様は3月に発売した「PZ800シリーズ」と同等となっている。 フルHDの「新世代PDP」パネルでは、PDP前面板の誘電体層上に、新開発の「ダイナミックブラックレイヤー」を搭載。予備放電を抑えて、コントラスト3万:1を実現。ダイナミックコントラスト100万:1を達成し、「漆黒の黒表現力」とアピールしている。また細幅リブ技術による開口率向上なども輝度、コントラスト向上に寄与している。 HDTV規格「ITU-R BT-709」で100%をカバーしながら、色域面積比120%となる広色域プラズマパネルにより、色情報を質感豊かに再現。さらにデジタルシネマに迫る広色域化変換を行なう「ハリウッドカラーリマスター」を搭載。パナソニックハリウッド研究所(PHL)における映画関係者との協業のノウハウを生かし、カラーリスト(色作りの専門家)の感性に基づく色表現技術を独自のデジタルデータのカラープロファイルとして構築。それらのノウハウを盛り込んだ3次元カラーマネージメント回路を開発し、LSI化して搭載している。 広色域パネルとハリウッドカラーリマスター技術の融合により、Blu-ray Discの再生など「家庭でもデジタルシネマに迫る色表現力を楽しめる」としている。また、ハリウッドカラーリマスターは、DVD/BDビデオソフトだけでなく、テレビ放送でも利用できる。 また、PHLのノウハウを活かし、高精度なクロマ処理技術「ハリウッドクリアカラー」を備えた新ブルーレイDIGAの「ハリウッドクリアカラー」と合わせて利用することで、いっそう色豊かな映像を楽しめるとしている。 明部から暗部までを高い精度でデジタル制御する「デジタルカラー・リアリティ技術」も搭載。世界最高という18bit映像処理により、高い階調表現力を実現。また、PDPの蛍光体の輝度飽和特性まで考慮した補正処理を導入するとともに、シーンや信号レベルに適応して、色温度補正機能を細かく調整。高精度なホワイトバランストラッキングを実現し、明るさや色信号が変化しても、色シフトを抑えてきれいな白色表現を可能としたという。
また、パネル前面の処理は拡散効果を低減するとともに、外光映り込みの明るさも低減する「クリアピクチャーパネル」とし、自発光のプラズマならではのクリアで艶っぽい映像を楽しめるという。放送波のMPEGノイズなどを抑制し、ハイビジョンらしい鮮鋭感を実現する「HDオプティマイザー」も搭載。外部入力系でもノイズを低減できる新開発のノイズリダクション回路を搭載している。動画解像度は900本以上。 スピーカーは、ツィータ、ミッドレンジ、ウーファから構成される3ウェイ6スピーカーで、出力は総合36W。ウーファ部にはカーボン素材を用いた低音再生方式「ナノベースエキサイター」を採用し、重低音再生能力を強化。スピーカーのコーン部には竹繊維素材を採用し、広周波数帯域において、歪み感の少ないクリアなサウンドを実現している。 さらに「アドバンスドサラウンドシステム」を搭載。フロントスピーカーだけで5.1chのサラウンド音場を再現する。音質モードはスタンダード/スタジアム/ミュージック/シネマ/ニュースの5モードを搭載する。 ■ 1TB HDDに121時間録画。i.LINKでDIGAにムーブ PZR900シリーズの特徴といえるのが1TB HDDの搭載。チューナは、地上/BS/110度CSデジタルを2系統、地上アナログを1系統搭載。2番組の同時録画には対応しないが、裏番組を視聴しながらの番組録画が可能となっている。 BSデジタル放送(約24Mbps)を86時間、地上デジタル放送(約17Mbps)を約121時間録画できる。録画モードはDRモード(MPEG-2 TSストリーム録画)のみで、AVCの変換録画などには対応しない。またアナログ放送の録画には非対応。ダビング10に対応する。 EPGは、19ch/12時間の表示が可能な新「ワイドインテリジェントテレビ番組ガイド」で、スポーツ、ドラマ、映画、音楽、アニメの5ジャンルに色分け可能。チャンネル別に8日分の番組表を表示できる「チャンネル別番組表示」も備えている。1日あたり最大20件のおすすめ番組ガイドも装備している。 また、好きなジャンルを設定しておくと、自動で好みのジャンルの番組を内蔵HDDに録画する「お好み録画一覧」や、指定チャンネルの最新のニュース番組を最大6時間分録り貯めて、最新ニュースをいつでも確認できる「おまかせニュース」機能も装備している。 録画一覧は自動ジャンル分けに対応した新GUIに一新されている。これらの録画番組はビエラメニューボタンを押すと表示される「らくらくアイコン」から簡単にアクセスできる。 i.LINKも2系統備えており、2006年4月以降に発売されたi.LINK搭載DIGAのHDDに9回のコピーと1回のムーブが可能。DIGAに移した番組はBlu-ray DiscやDVDなどにムーブできる。 さらに、HDD番組再生に対応する新リモコンの採用で、操作性も高めており、ダイレクト録画や再生/早送り/早戻し、30秒スキップなどの専用ボタンを装備。30秒スキップボタンを長押しすることで、15秒戻りも実現している。 ■ YouTubeに対応。ビエラでリンクを訴求 HDD搭載に加え、PZR900シリーズの大きな特徴としてネットワーク対応の強化が挙げられる。同社では「テレビでネット」と命名し、YouTubeやアクトビラ対応などのネットワーク機能の充実をアピールしている。
YouTubeについては9月30日より対応予定。YouTube機能の利用については専用のソフトのインストールが必要となり、ソフトのインストールが終わると「テレビでネット」画面のメイン画面にYouTuteのアイコンが表示される。 YouTubeのアカウントにログインすると、パソコン向けのYouTube用動画がほぼ全て再生できる。ただし、年齢制限などがかけられたコンテンツについてはVIERA上で表示しない。また、YouTubeにログインしていない場合は、YouTuteのおすすめ動画が再生できるという。YouTube動画の全画面表示も可能となっている。 また、アクトビラのHD配信サービス「アクトビラ ビデオ・フル」にも対応。全画面表示でVODコンテンツを楽しめる。専用ポータルサイトの「Panasonic TVスクエア」も用意している。 3系統のHDMI入力を装備し、VIERA Linkに対応。一時的にDIGAに録画して「追っかけ再生」可能な「番組キープ」機能を装備。また、HDMI接続したラックシアターと連携し、EPG情報を元に適切なサウンドモードを選択する「番組ぴったりサウンド」機能も装備。 さらに、GUIでVIERA Link対応レコーダやAVCHDカメラを操作できる「画面deリモコン」も搭載。接続機器の再生/停止だけでなく、早送り/戻し、一時停止などが可能で、レコーダについては30秒スキップも行なえる。 さらに、HDMI連携のVIERA Linkだけでなく、SDメモリーカードスロットやLAN接続のドアホン、センサー機器などの連携を総称して「ビエラにリンク!」と提案しており、同社製品との連携を訴求。同社の対応センサーカメラを最大8台まで接続し、家の外のカメラで監視が可能。ドアホンの映像もVIERAで録画できる。SDカードに記録したAVCHD映像やJPEG静止画の読み込みにも対応。16:9の写真をフル画面表示できる「フルハイビジョンテレ写」にも対応する。
□松下電器産業のホームページ ( 2008年8月26日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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