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株式会社スカイパーフェクト・コニュニケーションズは、東経124/128度の通信衛星(CS)を利用したハイビジョン放送サービス「スカパー! HD」を10月1日に開始することを正式発表した。第1期サービスとして、PPVを含む15チャンネルをスタートする。 2日にスカパー! HDの発表会を開催。チャンネル構成や、専用チューナや録画環境などのサービスの詳細を明らかにした。 ■ MPEG-4 AVCを採用し、HDで多チャンネル化
スカパー! HDは、伝送方式に「DVB-S2」を、圧縮方式に「MPEG-4 AVC/H.264」を採用した、有料多チャンネル放送。124/128度の従来のスカパー!とも異なるほか、110度衛星を使ったe2 by スカパー!とも違う、新しい放送方式となる。 新しい方式ながら、スカパー!(124/128度)サービスの上位ブランドと位置づけられており、スカパー!の加入者については新たな加入料や基本料は不要。ただし、スカパー! HDの受信には専用のチューナが必要となる。 スカパー! HDの開始にあわせて、ブランド名も10月1日付けで変更。従来のSD解像度のスカパー!は「スカパー! SD」、HD対応チューナ利用時に「スカパー! HD」とする。また、110度CSデジタル放送「e2 by スカパー!」の名称も「スカパー! e2」に変更する。 高圧縮/高効率の伝送方式を採用することで、ハイビジョンかつ多チャンネルの放送が可能となった。なお、映像の解像度は1,440×1,080ドットで、1chあたりのビットレートは平均6~8Mbps程度となる。10月1日放送開始の15チャンネルを皮切りに、2009年10月には70chに、2012年度には100ch以上を目標としている。
10月1日にスタートするチャンネルは以下のとおり。
2009年10月の「第2期ハイビジョン放送」開始時には、GAORAなどスポーツ6ch、総合エンターエンタテイメント3ch、映画5ch、音楽5ch、海外/韓流ドラマ8chなどを追加して合計70チャンネルとする
チャンネルパックとしては、「スカパー!よくばりパックHD」を展開。10月1日から1年間は、月額3,500円で、ハイビジョン5ch、SD画質68chで提供する。ハイビジョンチャンネルは、TBSチャンネルHD、テレ朝チャンネルHD、ムービープラスHD、日本映画専門チャンネルHD、FOX HDの5ch。なお、2009年10月以降は、ハイビジョン40chとSD 68chに強化し、月額4,700円で展開する。 1chずつの視聴契約も可能。さらに、2009年秋には「スカパー! えらべる15HD」も展開。SD 68chとHD 40chの中から、好きなチャンネル15チャンネルを選択できるパッケージとなる。価格は未定。 また、プロ野球についても、「プロ野球セットHD」を10月から展開。サービス開始当初は、ハイビジョン1chのみで、月額3,200円のキャンペーン価格で展開。2010年3月には月額3,800円となり、すべてハイビジョンチャンネルになる。サッカーも、「J1&J2ライブ+HD(月額2,980円)」、「J1ライブ+HD(同2,780円)」を販売開始。2010年には全試合ハイビジョン生中継を目指す。欧州サッカーのハイビジョンセットなども計画している。 さらに、「日本初」というアダルト番組のハイビジョン放送も実施。「アダルトHDレッド」と「アダルトHDブルー」の2チャンネルで展開する。月額視聴料はともに2,100円で、一日ごとに課金する「PPD」も用意。PPD価格は500円。なお、レッドとブルーの違いについては、「見てのお楽しみです(スカパー仁藤社長)」とのこと。レッドとブルーを組み合わせた、「アダルトHDセット」は月額3,150円で用意する。 スカパー! HDのスタートに併せて、アンテナ取り付け無料+5,000円分の視聴料プレゼントする「スカパー! HDスタート! キャンペーン」などの記念キャンペーンも展開する。
■ DTCP-IPムーブ機能「スカパー! HD録画」を搭載
チューナについては、2日に発表されたソニー製の「DST-HD1」に加え、スカパー製(開発はHUMAX)のチューナも提供。ソニー製チューナはセル(売り切り)方式で展開するが、スカパー開発のチューナは、レンタルとセルの両方で展開する。チューナレンタル料は月額630円、販売価格は34,800円を予定している。予約受付は9月下旬を予定、配送は10月下旬以降順次実施する。 両チューナでは、スカパー!HDだけでなく、SD解像度のスカパー!の視聴も可能。Ethernetを使ったPPVの視聴履歴取得にも対応した。さらに、スカパー製チューナでは、地上デジタルチューナも内蔵している。
録画については、MPEG-4 AVCのスカパー!コンテンツを外部機器にデジタル録画する業界標準規格がないため、今回発表のチューナにはHDDを内蔵していない。ただし、ホームネットワークに用いられるDLNAおよびDTCP-IP技術を用いた録画機能「スカパー! HD録画」を導入する。 これは、チューナと録画機の双方をDLNA/DTCP-IP対応とし、ネットワークを介して、チューナから対応LAN HDDやレコーダに録画予約を行なうというもの。つまりスカパー! HDチューナのチューナ部の映像をネットワーク伝送して、外部のHDDで記録する。ソニー製のチューナは同機能への対応は未定だが、スカパー製のチューナについては放送波アップデートにより対応予定で、現時点では11月末の対応を見込んでいる。 録画先のHDDとしては、アイ・オー・データ機器とバッファローのLAN HDDを発売予定。また、東芝のDVDレコーダ「VARDIA」の次世代モデルでも録画可能となる予定。コピー制御についてはコピーワンスで、対応VARDIAなどにムーブしてDVD化も可能となる見込み。2009年の提供開始を目標に、HDD内蔵の新型チューナも開発しているという。 録画した番組は、チューナを介して再生する。また、既存のスカパー(SD放送)や地デジ放送でもスカパー! HD録画が可能。なお、地デジ/スカパー! 両対応のスカパー! 製チューナでは、それぞれ1系統のチューナを備えているが、録画中に裏番組視聴が可能になるかどうか、「現在検証中」としている。 スカパー! HD録画は、DLNAのUpload機能を使うなど、業界標準規格にのっとって開発を行なっており、レコーダメーカーにも採用を呼びかけているという。 スカパー!加入者向けの複数台割引も実施。2台目以降は契約料が無料となるほか、基本料は契約数によらず、月額410円固定とし、同一商品の複数契約時には2契約目と3契約目の視聴料が半額となる。また、再加入時の加入料も、過去にスカパー!やe2に加入していた場合無料となる。 ■ 元気ですか~。スカパー! HD きれいですか~
スカイパーフェクトコミュニケーションズの仁藤雅夫社長は、「スカパー! HD宣言、をしたいと思います。多チャンネルもいよいよHDで見る時代です。多チャンネル放送をリードしてきたスカパーですが、今日新たなステージに踏み出します」とHDサービス開始をアピール。 「デジタル放送。今となっては当たり前の言葉ですが、一番最初に取り組んだのはスカパーです。12年前に、デジタル放送を多チャンネルに使ったのがスカパー!。一方、ご存知のように地上/BS放送は高画質のためにデジタル技術を使った。今回、多チャンネルと高画質を同時に実現する」とし、新しい映像コーデックであるMPEG-4 AVCの採用について説明。「世界に目を向けても、本格的な多チャンネル放送だ」と、スカパー! HDの魅力を訴えた。なお、スカパー! 光についても2009年10月よりハイビジョン放送を開始するという。 スカパー! HDの開始にあわせ、イ・ビョンホンさんや、格闘技イベント「戦極」に参加している吉田秀彦選手、ドラマ「BONES」の主役エミリー・デシャネルさん、東方神起などの応援コメントをビデオで紹介。
さらに日本映画専門チャンネルを代表し、ゴジラが登場。続いてスカパー! プロモにレギュラー出演中の加藤夏希さんが、最後に、スポーツチャンネル代表のアントニオ猪木さんが登場した。 ゴジラは煙を吐きながらパフォーマンス。加藤夏希さんは、「まず洋楽。アブリルラビーンのライブ。ペヨンジュン密着取材も見たい。あと、なんといっても特撮。ゴジラ24作をハイビジョンで見られるというのも期待しています」とスカパー! HDへの期待を語った。
猪木さんは、登場するや「元気ですか~。スカパー! HD、きれいですか~」と絶叫。「夜中に好きなときに見られる。いい選手、話題のある選手を呼んで放送をお送りしたい」とコメント。“1、2、3、ダー”を求める会場の空気に対して、「なんだかわかんねえなー。とりあえず社長でてこい!!」と仁藤社長を呼び出しした。 呼び出された仁藤社長が、「ダーの前にスカパー! HDの成功に向けて、闘魂を注入してほしい」と語ると、「珍しい社長だな。拍手の数でレベルを上げます」と、会場を煽り、かなりの強さで仁藤社長をビンタ。 「闘魂が全身に注入され、スカパー! HDも安泰です」と仁藤社長。最後に、「元気があればなんでもできる。スカパー!もHDに変わる。いくぞ、1、2、3、ダー」と猪木さんの恒例のコールで会見を締めくくった。
□スカイパーフェクト・コミュニケーションズのホームページ ( 2008年9月2日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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