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アップル担当者が語る新iPodとイヤフォン、Genius
−曲面にこだわるnano。カナル型イヤフォンはiPhone非対応


新iPodファミリー

9月10日発表


 10日に発表され、店頭でも好調な売れ行きを見せる新iPodシリーズ。機能やサービスなどに、まだよくわからず、色々と気になる点が多いのも事実である。そこで、アップル担当者に疑問点を確認してみた。なお回答は、iPodおよびiTunes担当のマネージャーおよび広報担当者からのものだが、本文中ではまとめて「アップルよりの回答」とさせていただいている。


■ 「継ぎ目なし」「カーブ」にこだわる新nano
 「ソフトウエア2.1」でiPhoneの文字入力も劇的改善か?

 アップルは、今回のラインナップを「史上最高」と話す。容量アップに伴うお買い得感は特に高い。

9色をラインナップする新iPod nano

 ラインナップの中でも特に注目されているのは、やはりiPod nanoだろう。iPhoneやMacBook Airにも通ずる、エッジが細くなったデザインが特徴だ。

「周囲には継ぎ目が一切なく、クリックホイールも、カーブに合わせて作られている。これまで以上に手の込んだ仕事になっている」(アップル担当者)と話すとおり、仕上げは非常に美しい。

 今回のiPod nanoでは、ディスプレイ部のカバーがガラスになっているが、素材的にはiPod touchやiPhoneに使われているものに近い。「具体的に強度を明かすことはできないが、以前に比べて傷には遙かに強くなっているのは間違いない」という。iPod touchやiPhoneの場合も、ディスプレイ部はほとんど傷つくことがない、という前例から考えれば、iPod nanoについても、同様の頑丈さを期待して良さそうだ。

 また、本体を「シェイク」することでシャッフル再生が行なわれている機能が採用されているが、この動作は「高速に、小さく振った時」に調整されているという。必ずしも大きく振る必要はないし、歩く程度の振動は感知しない。また、ホールドスイッチを入れるとセンサーはオフになるため、「ジョギングなどの時、誤動作が気になるようならホールドをいれて欲しい」と話している。とはいえ、「走ってシェイクが動くには、相当機敏に動かねばならないだろう」とのことなので、普通のジョギングなら気にする必要は少なそうだ。

ラウンドフォルムが特徴的な新iPod nano

新iPod touch

 iPod touchに関しては、「エンターテインメント端末としての強化を目指した」という。その中心となるのが、App Storeの存在と、そこで配布されるゲームである。今回内蔵されたスピーカーも、ゲームの存在を意識したものである。

「カジュアルにゲームやYouTubeの動画を楽しむ場合には、イヤホンをせずに気楽に使いたいもの。スピーカーの内蔵で、そういったニーズに応えられる」と話す。

 iPhoneと違い、スピーカーは本体下部ではなく、Dockコネクタの奥にある。とはいうものの、Dockコネクタを押さえても音は小さくならず、どのような置き方をしてもわりとはっきりと聞こえる。

「スピーカーは、Dockコネクタの奥というよりは、本体の中央に近い部分にあり、ボディ全体を使って音を出している、と考えた方がいいだろう」ということだ。

 スピーカーと並び、今モデルより追加されたのが、「Nike + iPod」の受信センサーとソフトウエアである。この2つについては、今後も「iPod touchだけの特徴で、iPhoneに提供される予定はない」という。現行のiPhoneでは、外付けの受信センサーも使えないが、そちらへの対応予定もない。このあたりは非常に残念なところである。

 なお、iPod touchに関しては、もう一つ気になる点がある。第二世代iPod touchと同時に公開された「ソフトウェア 2.1」では、様々なバグフィックスが行われている。特に日本のユーザーにとって大きいのは、日本語入力の精度と速度が大幅に向上したことである。旧バージョンでは、数秒待っても候補列が表示されない、ということもあったが、ソフトウエア2.1を搭載したiPod touchでは、入力速度がほとんど落ちない。iPhone向けの「2.1」は金曜日に公開予定であり、多くのユーザーが、「iPod touchと同様に改善されるのか」を気にしていることだろう。

 この件に関しアップル側の回答はこうだ。

「どのバグがフィックスされたかどうか開示はしていないし、iPhoneでも全く同じように改善されるとは断言できないが、ある程度、iPod touch同様の改善が行なわれることを期待していただいてかまわない」

 少々微妙な回答ではあるが、少なくとも、現状の「遅さ」からの改善が期待できることは、間違いなさそうだ。


■ 音質は良好。アップル純正カナル型は要注目

 ハードウエアの新製品という点で、次に気になるのは、10月に発売を予定している「リモコン付き新イヤフォン」である。

Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic

 特に気になるのは、9,400円と比較的安価でありながら、2つのバランズド・アーマチュアユニットを搭載したカナル型のイヤフォン「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」だろう。

 今回、短時間ではあるが、手持ちの音源を使い、音質のチェックを行なうことができたため、そのファーストインプレッションをお伝えしたい。テストに使ったのは、試作品ではなく、製品版と同じ機能・スペックを持つ個体である。同社会議室でのテストであったため、遮音性や音漏れの度合いは確認できていないことをご了承いただきたい。

 音質の傾向は、「元気にはっきり」といった印象。低音よりも高音重視の作りだが、低音が出ていない、というわけではない。第一印象は良好で、とても1万円以下の製品とは思えない。あくまで第一印象ではあるが、2万円クラスのバランスドアーマチュアタイプの製品に勝るとも劣らない、といったところだろうか。1万円以上のカナル型を今買おうと思っているならば、10月まで待って、「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」が好みに合うかを試してからでもいいだろう。そのくらいのポテンシャルはありそうだ。

テストに使った、「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」。シリコンタイプのイヤピースが3種付属する。ケーブルの途中には、左右の分岐部をまとめて止める「ストッパー」もあり、収納がしやすい 三角形のケースが付属。高級感はないが、アップルらしい清潔感のあるデザインとなっている

 もう一つ、10月発売の2種類のイヤフォンが注目される理由は、音量調整や早送りなどができる「リモコン機能」と、新iPod nano/iPod touchで利用可能な「マイク機能」を備えているためだ。これらを使えば、iPhone向けの「リモコン付きイヤフォンマイク」になるのでは……と期待している人も多いだろう。だが、現在の動作保証機種リストには、iPhoneの名はない。

 アップルの公式コメントは、「現時点では、iPhoneには対応しておらず、アップデートでの対応予定もない」とのこと。持ち込んだiPhone 3Gに差し込んで使ってみたが、確かに「音量調整」はできなかった。時間が不足していたため、マイクとして使えるかは残念ながら検証できていない。

 現時点では、「未対応機種では高品質イヤホン」としてのみ利用可能であり、他の機能は「使えればもうけもの」、と考えた方がよさそうだ。ユーザー側は、iPhoneに限らず、多くのiPodで「リモコン機能」を使いたいと考えていることだろう。アップルには、ぜひ「ソフトウエアアップデート」での対応を望みたいところである。

 なお、カナル型でない、インナーイヤー型の「Apple Earphones with Remote and Mic」は、リモコン機能を除くと、音質的には、iPod内蔵のインナーイヤー型と大差ない。


■ 「集合知」でかっこいいプレイリストを作成
  「Genius」は今後の「成長」に期待

 ソフトウエア的な改善点の中で、もっとも注目されるのは、「iTunes 8」および新iPod nano、ソフトウエア2.1搭載のiPod touch、iPhoneで利用できる「Genius」という機能だ。

iTunes 8でGenius対応

「Geniusは、すごくセンスの良いDJが、iTunesとiPodの中にいるようなもの」とアップル側は説明する。選んだ楽曲にあわせ、曲調が似た曲や「似合う曲」を自動的にピックアップ、自動的にプレイリストを作成する。

 同種の「レコメンド」機能は、他社も手がけており、決して珍しいものではない。だが、Geniusのおもしろいところは、端末だけでも新しいプレイリストを作れる、という点だ。

「一度はiTunes 8に接続し、Geniusのデータを転送すれば、iTunes 8で作成するものと同じロジックを使ったGeniusのプレイリストが一瞬で作成できる。“外出先では決まったプレイリストしか聴かない”という人にも、もっと活用していただきたい」と狙いを説明する。移動中に、自分が好きな曲を軸にしたコンピレーション・アルバムが作れる、と思えば、なかなかおもしろい。

 気になるのは、「どんなロジックで、どんな情報を使ってプレイリストを作成するのか」ということだ。アップル側は「詳しいロジックは公開しない」としているが、どのような情報を使っているのか、その一端は明かしてくれた。

「一般的な自動プレイリスト機能では、楽曲の名前や、ジャンルといった“メタタグ”情報を手がかりにしているが、Geniusはそうではない。例えば、その人がiTunes Storeでどのような曲を買っているのか、どのような曲を何回再生したか、また、どのような曲をプレイリストにまとめているのか、といった情報が、個人を特定しない形でまとめ、集約している。いわば、みなさんの音楽のリスニング体験をお借りして、良いプレイリストを作るのに参考となる情報にして、ご提供しよう、という試み。世界中のユーザーのセンスを借りることで、音楽を再発見するといってもいい」

 アップル側はそう説明する。要は「集合知的プレイリスト」、「元気玉的プレイリスト」ということになるのだろうか。

 すでにGeniusを試してみた方の多くは、特にCDからリッピングした日本の楽曲で、「この楽曲はGeniusには利用できません」というメッセージが表示されるのを目にしているはずだ。そのため、「イマイチ使えない機能」という印象を持っている人も少なくないのではないだろう。

 だがそれは、「Genius用のデータベースがまだ未成熟であるため」とアップル側は説明する。Geniusに使われるデータベースは、初期データとして、iTunes Storeにある楽曲の情報を使っている。iTunes 8は、週に1回、自分のライブラリに関するデータをGeinusにアップロードし、その時に最新の「Genius用データベース」をダウンロードする。

「iTunes 8の利用者が増えれば、よりおもしろいプレイリストが作成されることになるだろう。iPodをあまりiTunesにつながず、充電だけを行なっている人も、週に一度は接続していただけるとありがたい」と話す。

 Geniusは、その仕組み上、利用にiTunes Storeのアカウントが必要になる。アップルとしては、大容量化するiPodの活用例を示すと同時に、iTunesとiTunes Storeの利用者を増やすことを狙った機能といえそうだ。

□アップルのホームページ
http://www.apple.com/jp/
□iPod + iTunesホームページ
http://www.apple.com/jp/itunes/
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( 2008年9月11日 )

[[Reported by 西田宗千佳]]


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