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サイバーリンク株式会社は、9月30日~10月4日に開催されたCEATEC JAPAN 2008において、DTCP-IP対応でハイビジョン映像の伝送も可能なDLNAサーバーソフト「MediaServer」とクライアントソフト「SoftDMA」の最新バージョンを発表。DLNAブースでデモを行なった。 MediaServer/SoftDMAは「Ver.2.0」にアップデート。国内向け製品についてはオプションでDTCP-IPをサポート可能だが、OEMのみで提供され、市販の予定は無い。DLNA 1.5準拠で、対応OSはWindows XP/Vista。
新機能として、MediaServerはWMVまたはAVIの動画ファイルをMPEG-2に変換して配信する機能を搭載。これは、現状ではDLNAクライアント対応機器でもWMV/AVI再生をサポートしていない製品が存在するためだという。また、動画配信の際に回線に合わせてビットレートを最適化する機能も採用。この機能はSoftDMAとの併用で動作する。 そのほか、CPUやネットワークの状態などを元に、接続数の制御機能も搭載。アクセス可能なクライアントの作成も行なえ、許可されたユーザーのみがサーバーにアクセスできるようになっている。 SoftDMAは、新たにPCのローカルドライブへのダウンロード機能を搭載。デジタル放送など著作権保護されたコンテンツ以外の動画/音声/静止画をダウンロード可能になった。DTCP-IPコンテンツについて同社プロジェクトマネジメントグループの馬場規隆マネージャーは「今後DLNAで採用される予定のムーブ機能に対応できる」としている。 また、MPEG-4 AVC/H.264(AVC)動画やAAC音声のストリーミング再生にも新たに対応。ただし、DRM付きコンテンツは非対応となっている。そのほか、DLNAデバイスクラスとして新たにDMR(Digital Media Renderer)とDMC(Digital Media Controller)をサポートした。 両製品がサポートするフォーマットは動画がMEPG-2 TS/PS、WMV、MPEG-4 AVC/H.264(MP4)、音楽がMP3、リニアPCM(WAV)、WMA、AAC、静止画がJPEG、PNG、BMP。なお、WM DRM以外のDRM付きファイルには対応しない。
■ 市販は今回か次期バージョンを視野に
サイバーリンクのDLNAソフト技術は、これまで東芝のノートPC「Qosmio」にSoftDMAが採用されているほか、ソニーのVAIOにバンドルされている「VAIO Media plus」にも同社DTCP-IPエンジンが搭載されている。 同社の尾藤伸一代表取締役は、DLNAの現状について「まだ普及しているとは言えないが、Blu-rayレコーダでの搭載や、LAN敷設済みの新築マンションなど、徐々に環境はできてきた」と説明。 自宅でも大容量サーバーにハイビジョン映像などを貯めているという尾藤氏は「HD映像の需要は今の3倍ほどに広がる。DLNA以外にも、携帯電話、UMPCなど、様々な機器とネットワークサービスが連携する。ただ高機能というだけでなく、“それで何ができるか”という利用シーンを具体的に提案しなければ」と今後の戦略を語る。 一方、両ソフトの市販については「思っていたよりも多く声をかけられている。今回か次のバージョンが考える時期。サーバーとクライアントをフルセットで提供できる強みを活かしたい」とした。
□サイバーリンクのホームページ ( 2008年10月7日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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