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「美・画面PSP」の実力は? 新PSPを試す
−色表現は明らかに向上。地道な機能改善も


10月16日発売

標準価格:19,800円(PSP-3000)
     24,800円(バリューパック)


 10月16日に発売された新PSP「PSP-3000」シリーズ。価格は19,800円の据え置きで、「ピアノ・ブラック」、「パール・ホワイト」、「ミスティック・シルバー」3色のカラーバリエーションを用意。さらに、メモリースティックPRO Duo 4GBやポーチ、クロスなどをセットにしたバリューパックも24,800円で発売された。

 新PSPの最大の変更点は液晶ディスプレイ。広色域化や、高コントラスト化が図られているという。マーケティングにおけるキャッチコピーも「美・画面PSP」と“画質”を全面に展開。ゲームの色再現や輝度アップによる見やすさの向上だけでなく、ビデオ再生時の色表現の向上も期待できそうだ。

 加えて、再生ビデオファイルもMPEG-4 AVC/H.264のVGA(640×480ドット)をサポート。ビデオプレーヤーとしての魅力もいっそう高まった新PSP。PSP-3000のミスティック・シルバーを発売日に購入し、その実力を検証した。

 なお、VGAのAVCファイル再生などの新機能を利用するためには15日に提供開始された最新ファームウェアVer.5.00の適用が必要となる。今回購入したPSP-3000も、ファームウェアバージョンは4.21だったので、アップデートを行なった。

 従来モデルのPSP-2000やPSP-1000でも、ディスプレイやビデオ出力などのハードウェアに依存しない部分においては、Ver.5.00の適用により、PSP-3000相当にアップデート可能となっている。


■ サイズ/重量は変わらずも、デザイン変更や機能強化を実施

小型化されたパッケージ

 パッケージは従来モデルPSP-2000より大幅に小型化された。同梱品はACアダプタと、バッテリ、電源コード、説明書だけというシンプルなもの。バッテリは容量1,200mAhで、従来モデルPSP-2000と共通だ。

 型番はPSP-3000となり、PSP-2000からの大幅なアップデートを感じさせる。しかし、外形寸法は約71.4×169.4×18.6mm(縦×横×厚さ)、バッテリを含む重量は約189gとPSP-2000から変わっていない。

 液晶ディスプレイは、4.3型/480×272ドットという点は変わっていないものの、表示性能は大幅に改善。数値は明らかにしていないが、コントラストや色再現範囲などを高めているという。初代PSP(PSP-1000)の発売は2004年12月。その後のディスプレイ技術の進化の過程を考えると、画質の向上には期待がかかるところだ。

 デザインにも大きな変更が無いが、液晶下に新たにマイクを標準搭載。対応ゲームがより手軽に楽しめるほか、Skypeなどのコミュニケーションツールも簡単に利用できるようにしている。また、ビデオ出力機能も拡張。別売のAV出力ケーブルを使用したテレビなどへのゲーム出画時に、プログレッシブだけでなく、インターレース出力も可能となった。


PSP-3000。液晶ディスプレイは4.3型/480×272ドットと従来モデルを踏襲しているが、高輝度、高色域化が図られた。マイクも標準搭載した 背面。サークルのデザインなど細かなデザイン変更が図られている 同梱品
上部にUSB端子を装備。ワンセグチューナもここに接続する。無線LAN用スライドスイッチも備えている 下面にヘッドフォン出力を装備する UMDスロット部
右側面にPOWER/HOLDスイッチを装備 左はメモリースティックDuoスロット バッテリはPSP-2000と同じ容量1,200mAh

左からPSP-2000、PSP-3000、PSP-1000 PSP-1000の約170×74×23mm、約280g(バッテリ含む)と比べるとかなり薄型/軽量化されている
PSP-3000(左)と、PSP-2000(右)。外形寸法は同じだが、細かいデザイン/機能変更が行なわれている ボタンのデザインが変更されており、[Home]ボタンはプレイステーションマークになった
側面の仕上げもなだらかな曲線を活かし、手に馴染むよう改善されている 背面のサークルは、PSP-2000(左)に対して、かなり細くなっている


■ 色再現は明らかに向上。ビデオプレーヤーとしての魅力高まる

 PSP-3000最大の変更点が液晶ディスプレイ。色再現性やコントラスト、応答速度を大幅に改善しているという。

 UMDビデオの「シリアナ」や、PLAYSTATION Storeの配信トレーラー、テレビ録画番組、JPEG画像などを転送してみたが、その違いは顕著に感じられる。PSP-2000と比較すると赤色や緑色の深みがかなり強く出る。木の葉の葉脈の色の違いや、曇り空の白壁の建物の微妙な色の差など、顕著な違いが感じられる。

PSP-3000(左)と、PSP-2000(右)の画質比較
元画像 元画像 元画像
元画像 元画像 元画像

 ビデオっぽい、青味がかった色あいのPSP-2000に対し、こってりと色のりのいいPSP-3000という印象。PSP-2000ではラベンダー(薄紫)が、紫よりも明らかに青、という感じなのだが、PSP-3000ではしっかりと紫が強いぐらいに感じるほど。かなりの色作りの違いが感じられる。

本体設定にカラースペースの選択項目が用意された

 黒の締まりなどは顕著な差は無いが、色情報の違いもあり、同じ映像の同じシーンを見てもコントラストがかなり高く感じる。このあたりも新型液晶の大きな注目点だろう。

 ただ、基準となる色温度など、パネルだけでない画作りの根本から違っているように感じる。そのため、従来のPSPのユーザーは違和感が残るかもしれない。特にPSP-2000で良くプレイしていたゲームをPSP-3000でプレイすると、違いに戸惑ってしまいそうだ。

 こうした問題に対応するため、PSP-3000では、新たに(本体設定)に[カラースペース]を追加。ノーマル/ワイドの2つの色域を選択できる。初期設定は[ワイド]で、新たにPSPを使う人はこちらで問題はないだろう。テレビ番組でも広色域が活き、UMDビデオの映画の色調でもワイドのほうが好ましく感じた。

 色調に違和感を感じたり、旧PSP向けに作られたゲームなどの場合は、ノーマルを選択したほうがいいだろう。また、新液晶では応答速度も向上しているとのこと。確かに目立った残像感や違和感を覚えることは無かった。ただし、UMDビデオ「シリアナ」再生中に、動きのあるシーンで若干だがエッジが尾を引くような動きを見せたことがあった。

 比較してみると改めて強く感じるが、PSP-3000の液晶ディスプレイは間違いなく大きな改善が図られたといえる。

カラースペース[ワイド](左)と、[ノーマル](右)の比較



■ USB自動接続でデータ転送がシンプルに。VGAのAVC動画に対応

USB自動接続を[入]にすると、パソコンとUSB接続時に自動的にマスストレージモードとなり、PSPを操作することなくデータ転送できる タイトル表示に対応

 ファームウェア Ver.5.00でかなり便利になったと感じるのは、USB自動接続の搭載。[入]にすると、パソコンとUSB接続時に自動的にマスストレージモードに移行し、PSPを操作することなく、データ転送が可能となる。

 なお、ビデオ/楽曲データなどは、音楽の場合メモリースティックDuoの[MUSIC]フォルダに、動画の場合[VIDEO]、写真の場合[PICTURE]フォルダに転送する。

 ビデオの管理機能も強化。新たに[ビデオ設定]に[タイトル表示]を追加し、ビデオのファイル名だけでなく、タイトルも表示可能となった。

 ビデオプレーヤーと考えたときに、液晶の改善とともに、大きなアップデートといえるのが、640×480ドットのMPEG-4 AVC/H.264のビデオファイルを再生可能となったこと。対応プロファイルはMainProfile(AVC CABAC)。

 ただし現時点では、640×480ドットのMPEG-4 AVC/H.264 MainProfile(AVC CABAC)を簡単に作成できるというツールがあまり無いようだ。例えば、ソニーのBDレコーダの「おでかけ転送」機能やパソコン用ソフトの「Image Converter」、各社のPSP用動画作成ソフトウェアはほとんどQVGAクラスの動画作成にまでしか対応していない。

 iPodについては、VGAクラスの解像度でAVC動画を作成できるソフトもある。今回、携帯動画変換君の高画質モードや、iTunesで配信されたiPod touch発表会のビデオPodcastなどを転送してみたが、いずれも再生できなかった。

 また、VideoStudio 12などのAVC出力対応ソフトで、VGAファイルを作ってみたが、いずれもPSP上で「非対応」と表示されてしまった。編集部で試して再生できたAVC/VGAファイルは、バッファローのMPEG-4 AVC/H.264エンコード対応チューナ「PC-MV9H/U2」で作成したものだけだった。

【訂正】
記事初出時に「従来はQVGAクラスのファイルまでしか再生できなかった」と記載しておりましたが、PSP システムソフトウェア Ver.3.30で720×480ドットなどの高解像度ファイルに対応しておりました。記事の一部を削除し、訂正いたします(10月17日追記)

 SCEによれば、今回のVGA対応は、米国で発売されているソニーのデジタルカメラ「DSC-T500」の動画形式への対応を目的としたという。そのため、現時点では同形式に対応した動画作成ソフトなどがなく、VGA動画作成のハードルは高めだ。しかし、今後PSP用動画作成ソフトやレコーダ機器などでもVGA対応が行なわれるだろう。

□関連記事
【8月28日】ソニー、HD記録対応の「DSC-T500」を海外で発表
〜AVC/H.264形式に対応(DC)
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/compact/2008/08/28/9108.html

 また、ビデオ出力系も強化。(省電力設定)に[自動バックライト調整]を追加し、ON/OFF設定が可能が行なえる。周囲の明るさにあわせてバックライトを制御することで、適正な明るさと、バッテリ駆動時間の長時間化が図れる。

 さらに、外部ディスプレイ設定に[ちらつき低減]を追加しており、インターレース映像出力時のちらつきを抑制できる。

PSP-3000で自動バックライト調整を新搭載 [ちらつき低減]を追加した

 また、PLAYSTATION Storeへ直接アクセス可能となったことで、パソコンやPS3を介さずに、ゲームの体験版や、トレーラなどのビデオコンテンツをダウンロード可能となった点も大きな機能強化といえるだろう。

 もちろん従来モデルと同様に音楽再生機能や、別売のワンセグチューナにも対応している。

PLAYSTATION Storeに直接アクセス可能に トロステーションもPSPでプレイ可能となった


■ 確かに「美・画質」

 PSP-3000の最大の機能強化点である「液晶ディスプレイの高画質化」は、実際に体験してみればすぐに確認できる。特に色再現の改善はビデオや写真を楽しむ上では非常に魅力的な機能向上だ。ビデオプレーヤーとしてのPSPの魅力はいっそう高まったといえるだろう。

 もちろん、既存のPSP-1000/2000ユーザーも、Ver.5.00を適用することで、VGA解像度のAVC動画再生や、USB接続機能の改善、PLAYSTATION Storeのダイレクトアクセスなど多くの機能強化を図れる。改めて、PSPのポテンシャルの高さを感じられるアップデートになっている。

□SCEのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□PSPシステムソフトウェア更新情報
http://www.jp.playstation.com/psp/update/ud_01.html
□製品情報
http://www.jp.playstation.com/psp/
□関連記事
【10月15日】PSPアップデートで、640×480ドットのAVC動画に対応
−PSStoreへの直接アクセスも可能に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20081015/sce2.htm
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【2007年8月9日】新型PSP「PSP-2000」とワンセグ機能に触れた
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070809/psp.htm

( 2008年10月16日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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