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国内外のデザイナーや企業、大使館、学校などが参加する、日本最大級のデザインイベント「東京デザイナーズウィーク」が10月30日から11月3日まで、東京・明治神宮外苑にて開催されている。家電やインテリアなど、さまざまな分野の最先端デザインを、東京から発信することを目的としたもので、メーカー製品から学生の作品まで、幅広い展示内容になっている。メイン会場のレポートは、僚誌・家電Watchを参照してほしい。 協賛イベントとして、都内各所のショップも「SHOP EXHIBITION」として、それぞれの店舗で展示を行なうのも特徴となっている。9月10日に、新橋のビクタービル内ショールーム「Nipper’s Ginza」をリニューアルオープンした日本ビクターも、同イベントの一環として、ショールーム内でデザインを重視したコンセプトモデルの展示を行なっている。ショールームと同様に無料で入場可能。期間は10月31日~11月2日。
展示のコンセプトは「sound garden」。エコでフレンドリーな世界を実現するデザインを採用すると同時に、同社の音響技術も盛り込み、クオリティの高い再生も両立させることを目的としている。展示機は「kirikabu」と「komorebi」の2モデル。 「kirikabu」はその名の通り、木の切り株を連想させるフォルムが特徴のスピーカー。根っこが3方向に伸びており、その断面にダイナミック型のスピーカーユニットを内蔵している。筐体の素材は襖などを再利用したエコプラスチックを使用。上部には植木鉢を搭載でき、実際に植物を植えることができる。左右1組のステレオスピーカーで、ユニットは左スピーカーの場合、リスナーに面した正面と、向かって左側の断面に搭載。残りの右側はスピーカーターミナルとバスレフポートが設けられている。右スピーカーは逆に、右側面にユニットを装備。左側面がターミナルとなる。
内部にアンプを備えるほか、DSPも搭載。サラウンド化して再生するのが特徴。側面に向けてユニットが付いていることもあり、デモではサイズから考えると意外なほど音場が広く、横方向の遠くから音が聞こえる。「薄型化して高音質再生が難しくなっている大画面テレビに接続しての利用を想定している」(デザインセンター 商品デザイングループ 宮森昭彦グループ長)という。ほかにも、デザイン性を活かして店舗のBGM用としても提案されている。
「komorebi」は一体型のサラウンドスピーカー。ソファーとテレビの間にあるテーブルの上などに設置するもので、内蔵している2chスピーカーでサラウンド再生可能なのが特徴。2006年9月に発表した「ニアスピーカー・サラウンド」技術を用いており、ソースのマルチチャンネル信号全てに独自の信号処理を行なうことで、バイノーラル信号へと変換。リスナーの耳もとでマルチチャンネルサラウンドを再現できるという技術。 通常、バイノーラル信号は完全なチャンネルセパレーションが実現できるヘッドフォンで聴くものであり、スピーカーで再生すると左耳に入るべき信号が右耳にも入ってしまうクロストークが発生する。ビクターの技術では独自のクロストーク・キャンセル「トランスオーラル処理」を行なうことで、逆相感を抑えた音像定位を実現しているのが特徴。 2006年9月に開催された「A&Vフェスタ2006」で、採用スピーカーの試作機が展示されていたが、「komorebi」はそれをブラッシュアップしたもの。薄緑色の半透明ラインがホワイトを基調としたフロントパネルに、少し空間を持たせて重ねられており、外光が当たると半透明ラインの影がフロントパネルに落ち、立体感が出る。森林の中の木漏れ日をイメージさせるデザインだ。
ニアフィールドでサラウンド再生ができるため、複数台のスピーカーや、大出力のAVアンプなどが不要。音量も必要以上に大きくしなくて済むため、省エネルギーに繋がるという。
これ以外にも、ショールームではウッドコーンスピーカーの紹介や、Everioの撮影ブースなど、同社製品を実際に触って体験できるコーナーが設けられている。2階では120インチのスクリーンを導入したシアタールームも用意。こちらは予約制となるが、新スピーカー「SX-M7」や、フルHD/D-ILA搭載の「DLA-HD350」などが体験できる。
□日本ビクターのホームページ
(2008年10月31日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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