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AV機器の総合展示イベント「A&Vフェスタ2006」が21日開幕した。シャープやマランツ、ケンウッドなどが不参加と、昨年と比較すると盛り上がりに欠けるものの、ビクターは数多くの新製品を参考展示。また、松下電器はフルHD液晶プロジェクタ「TH-AE1000」をA&Vフェスタにあわせて発表したほか、新Blu-rayレコーダを展示している。 ■ 松下はフルHD新プロジェクタやBlu-ray DIGAを出展
松下電器産業は、A&Vフェスタ開幕にあわせて、0.74型/1080p液晶パネル搭載のホームシアター向けプロジェクタ「TH-AE1000」を発表。実際の投写デモも行ない、フルHDの画質をアピールしているほか、新たに搭載した「波形モニター」機能などの説明も行なわれている。 11月20日より発売され、価格はオープンプライス。実売価格は45万円前後の見込み。また、新720p液晶プロジェクター「TH-AX100」も出展している。
2.4GHz帯のデジタル無線伝送を採用したワイヤレスサラウンドヘッドフォン「RP-WF6000T」も参考展示。年内の発売を予定しており、価格は35,000円程度の見込み。 従来同社のワイヤレスヘッドフォンでは、デジタル/アナログ赤外線伝送を利用していたが、新たに2.4GHz帯を利用したデジタル無線伝送を採用。無線方式の採用により、音質を維持しながら、プラズマテレビと組み合わせた際のノイズを大幅に低減するという。 デコーダはドルビーデジタル、DTS、AACのデコーダに加え、ドルビープロロジック IIを搭載。また、同社独自のサラウンド技術「パーソナルサラウンド」も備えている。
20日に発売したBlu-rayレコーダ「DIGA DMR-BW200/BR100」も展示され、多くの来場者の注目を集めている。 「DIGA DMR-BW200/BR100」では、デジタルチューナを内蔵し、HDDのほか、BD-R/REへの録画/ムーブに対応。また、市販のBlu-ray Discソフト(BDビデオ)や、DVDビデオソフトのほか、DVD±R/RW/RAM、音楽CDの再生も行なえる。 2003年発売の同社製Blu-rayレコーダ「DMR-E700BD」などで採用されたカートリッジ型BD-REメディア(Ver.1.0)は、録画はできないが、再生には対応している。開幕直後には、録画済みのカートリッジ付きのBD-REを持参した熱心なユーザーが、実際にDMR-BW200にディスクを入れて再生検証するなど、新Blu-ray DIGAへの期待の高さがうかがえた。 □関連記事【9月21日】松下、電動2倍ズーム搭載フルHD液晶プロジェクタ -「フルハイビジョンハリウッド画質」。実売45万円 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060921/pana.htm 【9月6日】松下、「シネマフィルター」新搭載の720p液晶プロジェクタ -輝度2,000ルーメン。「明るいリビングでもシアター」 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060906/pana.htm ■ HDDコンポなど多数の参考出展製品を用意したビクター ビクターは、年末投入予定の新製品を多数参考出展している。
新デザインのHDDミニコンポは、曲線を活かしたデザインを採用し、CDプレーヤーとHDDを内蔵。CDからリッピングした楽曲データや、USB接続したオーディオプレーヤーの楽曲をHDDに取り込み可能。また、音楽配信サービス「エニーミュージック」にも対応し、ネットワーク経由で楽曲購入も可能となっている。 12月頃の発売を目指しているが、価格やHDD容量など、詳細な仕様は未定となっている。特徴は「サウンドナビゲーター」と呼ばれる楽曲推薦機能を搭載すること。 サウンドナビゲーターは、HDD内に蓄積した楽曲のテンポなどを解析し、リラックス/パワー/スタンダード/アーバンの4タイプに分別。それぞれのタイプごとに“仮想DJ”がランダムに再生する機能。DJの切替のほか、同一DJ内でもムード変更が可能など、状況にあわせた再生が可能という。リモコンには専用ボタンも備えており、DJ切替やムード変更などが容易に行なえる。 同社ではHDDコンポを皮切りに、ポータブルオーディオ製品などでも同技術を導入していく予定という。
さらに、マスタリングスタジオ向けの高音質化技術「K2テクノロジー」を利用した「K2HDコーディング」を音楽配信楽曲に適用する、エニーミュージックの高音質化実験デモも行なっている。 エニーミュージックでは、現在ATRAC3 132kbpsでの配信を行なっているが、高級コンポのユーザーなど向けにより高音質での配信も検討しているという。K2HDコーディング自体は、リニアPCMだけでなくATARCのほか、様々な音声コーデックに適用できるが、今回は高音質での配信をターゲットに、CD用マスタリング前のマスターデータを音楽配信用にマスタリングししているという。 デモでは、エニーミュージックのサイトに専用のコーナーを設け、ATRAC3のほか、通常のリニアPCM、K2処理を施したリニアPCMの3種類のファイルのダウンロード/再生を可能としている。 ただし、高音質配信の実施時期や楽曲の配信価格などについては「全くの未定」とのことで、「権利者側の同意が必要となるが、そのためには高音質配信の市場性の検討など、協力を得られるかたちをこれから作っていく必要がある」とのことで、今回のデモやユーザーアンケートなど、意見を聞きながら検討を進めていくという。
また、同社としては、国内初となるノイズキャンセルヘッドフォンも参考出展。年内発売予定で、価格は1万円以下になる見込み。 電車利用の多い日本向けに、低音カット効率を向上したLOWモードを追加。飛行機向けのHIGHモードとの切替が可能で、ノイズを最大約1/4に低減できるという。
ウッドコーンを採用したCDプレーヤー内蔵のワンボックスオーディオシステムも参考出展。「大人のためのオーディオ」をコンセプトにウッドコーンユニットと、木製のシンプルな筐体を採用している。 アンプ部やスピーカーを一体化したワンボックス構造とすることで、重量増による重厚な低域再生が見込めるほか、天板に一枚の大きな板を利用することでピアノの響きなどを向上させ、小型でも高品位な音楽再生が可能という。 ただし、ワンボックス化により、スピーカー設置の柔軟性などは無くなってしまうため、試作機では約1mの近接聴取を想定し、左右それぞれ5度ずつ外向きにユニットを配置しているという。まだ、開発段階には入っていないが、来年の製品化を目指しているという。
11日に技術発表した、2chユニットを内蔵した1BOXスピーカーを至近距離で聴取することで、サラウンド音声を再現する「ニアスピーカー・サラウンド」も実機でデモが行なわれた。 リスナーがスピーカーのすぐ近くに座って、聴取するバーチャルサラウンド技術。 ソースのマルチチャンネル信号全てに独自の信号処理を行なうことで、バイノーラル信号へと変換。リスナーの耳もとでマルチチャンネルサラウンドを再現できるというもので、リスナーから1m程度の距離に置いたスピーカーでもマルチチャンネル音声を楽しめる。 同社によれば「ヘッドフォンのバーチャルサラウンドと、フロントサラウンド製品の中間的な位置づけ」とのこと。実働デモでは2m程度奥の液晶テレビで表示しているXbox 360のゲーム音声を、利用者のすぐそばに設置したニアスピーカー・サラウンド対応アンプ内蔵2chスピーカーに伝送し、サラウンド音声を体験できる。 今回はあくまで技術展示だが、今後は同技術を活かした具体的な製品企画について検討を進めていく方針。深夜に大音量が出せない環境でも、比較的小音量でサラウンドが楽しめるため簡易シアター用途や、ゲーム用のオーディオシステムなどを想定しているという。
また、14日に発表した「呼吸球式スピーカー」も出展。専用ブースで試聴会も行われている。さらに、同社のフロントサラウンド技術「√4」を内蔵したテレビラックも参考出展している。 ビクターはIFA 2006で初公開した新開発の0.7型1,920×1,080ドットD-ILAデバイスを採用したシアタープロジェクタ「DLA-HD NEW」を出展。専用のブースでの上映デモも行なわれている。
□日本オーディオ協会のホームページ ( 2006年9月21日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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