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東芝、上期黒字化や福山効果などテレビ事業を説明
-国内シェア2割/2位を堅守。ブランド認知80%を目指す


11月18日発表


 株式会社東芝は18日、上期黒字化や福山雅治氏を起用したCMの効果など、テレビ事業の現状について説明した。


■ 年末にシェア2位固め。通期黒字化を目指す

東芝DM社 テレビ事業部 大角事業部長

 東芝デジタルメディアネットワーク社 テレビ事業部の大角正明事業部長は、テレビ市場の見通しについて説明。9月18日のREGZA新商品発表会時の見通しでは、2008年に全世界で1億台規模となり、2010年まで毎年10%超の伸びを予測。同様に国内も2008年に800万台に近づき、2010年には1,300万台まで拡大すると予測していた。しかし、「直近の経済環境の変化を入れ込むと、(グローバルで)500万台ぐらい落ち込んで、2008年は9,500万台ぐらいになりそう。ただし、年末商戦の実績を元に見通しを調整するかもしれないが、拡大は続くと考えている」との現状認識を示した。

 国内市場については、液晶テレビ市場で直近2カ月でシェア2位を獲得。9月は17.5%、10月は17.0%を獲得。「3、4位とかなり接近しているがナンバー2」という。26型以上については、9月が21.8%、10月が21.1%で、「(3、4位に)間違いなく差をつけた」とした。

 10月の実績を昨年と比較すると、伸張率は全サイズで昨年比175%(市場伸張率は116%)、26型以上は172%(同121%)となり、市場平均を上回る伸びを見せている。

 また、HDD搭載テレビにおいては、上期でシェア70.6%、10月には89.5%を獲得し、トップを堅持しているという。購入者のアンケートでも購入理由のトップが「HDDに録画できるから」の84.7%、「高画質だから」(61.1%)、「値段が手ごろだったから」(45.8%)などが続く。また、GfKジャパンによる満足度調査でも首位を獲得しているが、これも「録画ができる」という点が牽引していると分析している。

直近2カ月で液晶テレビシェア2位を獲得 26型以上では20%以上のシェア HDD搭載テレビでは9割近いシェアを獲得

ローコストオペレーションと規模の拡大でシェア獲得を図る

 海外展開においても、上期の台数ベースの伸張率は154%と市場全体の137%を上回る拡大を続けている。米国は台数ベースの伸張率が194%(市場伸張率139%)、ドイツも157%(同138%)と拡大基調で、シェアも8%台となり、「市場のプレゼンスは確実に向上している」という。

 一方、グローバル展開による規模の確保による低コスト化や生産向上にも着手。「最適地生産と最適商品の投入、調達力を生かし、数を生かしながら事業のボトムを守っている。そのため、市場で第6位ぐらいだが、ロスを出さない事業運営ができている」と説明。具体的な取り組みについては、「詳細は企業秘密」としながらも、ノートPC用と液晶テレビ用の共同購買による液晶パネルの調達コスト削減などに、取り組んでいるとした。

 テレビ事業の目標としては、9月の製品発表時と変わらず、2010年度グローバル液晶テレビ市場でシェア10%、2008年度下期国内液晶テレビ市場でシェア20%、国内26型以上液晶テレビ市場でシェア25%を掲げている。

 なお、景気の低迷による市場への影響については、「影響はあるが、例えば米国向けの画面サイズでは、37~42型の伸びが止まったが、下と上は伸びている。例えば46型は対前年で倍になっている。(大画面化への)期待値が大きすぎたとはいえ、アメリカでは大画面化のニーズは大きく、その基調は変わっていない。細かく堅調なところをしっかりとやっていく。また欧州でも同じように、堅調な国がある。イギリスは低調だが、ドイツ、フランスは昨年比でかなり伸びている。国や地域にあわせて、営業力、商品力などのリソースをシフトしていく」とした。

 また、通期でのテレビ事業の業績についても、「上期は若干ですが黒字化を達成できた。欧米を中心に、為替、需要、売価が厳しい状況にあるが、黒字基調を2009年の3月までも継続していきたい」とした。

海外市場においてもシェアを拡大 2010年グローバル市場シェア10%を目指す


■ 福山効果でブランド認知が2割向上

テレビ事業部 日本部 岡田部長

 東芝DM社 テレビ事業部 日本部 部長の岡田淳氏は、福山雅治氏を起用したCM展開など、国内における広告/販促展開と、その効果について説明した。

 2006年のREGZAブランド立ち上げ以来、「画質」、「録画」、「ネットワーク」などの特徴を訴求。男性を中心とした「こだわり層」に評価され、シェアの拡大を図ってきた。一方、REGZAのブランド認知は2007年調査で42%と、競合社と比べてもかなり低い数字にとどまっていた。

 そのため、“調べて買う”こだわり層には強いが、一般層や女性には、ブランド力の強い他社製品がアピールしていたという。そこで、上期の「黒字化」を背景に、ブランド訴求を強化。「誰もがほしいと思うREGZA」にしていくべき起用したのが、福山氏というわけだ。20~35歳までの女性でほぼ100%、40歳代女性で99%、50代女性でも9割以上という福山氏の高い認知率を生かし、特にいままで手薄だった女性への訴求を目指しているという。


福山で「こだわり層」から「一般層」へ 大量のテレビCMを実施

 REGZAのブランド立ち上げ時には、ニューヨークヤンキースの松井秀喜選手を起用したことがあったが、「金額も規模、本数ともに比較にならないぐらい」という集中したプロモーションを実施。テレビCMは12月にも大量に放送する予定。

 また、広告にあわせて全国2,000店舗で、「ALL NEW レグザフェア」を実施。超解像や録画機能などのREGZAの新機能をPOPなどで紹介していく。

 プロモーション開始後3カ月だが、店頭からの報告でも、女性客が増加したことや、“福山の液晶”の指名が増えているという。2007年に42%だったブランド認知率は11月時点で63%にまで拡大。さらに年末には80%のブランド認知を目指しているという。

CM起用後3カ月でREGZAブランド認知が20%向上 店頭の声 シェア拡大に向けた施策

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/index_j3.htm
□REGZAのホームページ
http://www.regza.jp/product/tv/top.html
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( 2008年11月18日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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