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パナソニック株式会社は、プラズマテレビ「VIERA」の新シリーズとして、「ネオ・プラズマパネル」を搭載し、別売アダプタでワイヤレスにも対応可能な「Zシリーズ」を4月20日に発売する。価格はオープンプライスで、ラインナップと店頭予想価格は下表の通り。
新開発「ネオ・プラズマパネル」の採用などで、最厚部でも24.7mm(46型は49mm)という薄さを実現。ディスプレイとチューナが別筐体となっていることも特徴。別売でWirelessHD対応のフルハイビジョンワイヤレスユニット「TU-WH1J」(オープンプライス/店頭予想価格6万円前後)や、壁寄せスタンドを用意し、薄型を活かした設置が可能となっている。 画質面では、暗部コントラスト4万:1という高コントラストを可能とし、動画解像度は民生用市販PDPで世界最高という1,080本を実現。さらに、新パネルは省電力も特徴とし、従来モデルのPZ800シリーズに比べ年間消費電力量を約半減(46型は約46%減)した。 チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各1基搭載。シングルチューナだが、レコーダなどからHDMI入力することで、テレビ側の受信映像を子画面としたPinP(子画面表示)に対応する。外部入力端子はチューナ部に装備。HDMI入力は1080/24p対応で、3モデルとも4系統装備する。
■ 新パネルで1インチ以下に薄型化、画質と消費電力を大幅に向上
ネオ・プラズマパネルは、同社'08年モデル「PZ800シリーズ」などで採用しているパネル前面板の誘電体層上に構成した「ダイナミックブラックレイヤー」に加えて、新開発の電極構造で前面板の電極幅を広げ、放電領域を拡大。また、新たな放電ガス/蛍光体などの採用で発光効率を'08年モデル「PZ750シリーズ」に比べ約2倍まで高めたことが特徴。 この高効率発光により、薄型化に伴う発熱の課題をクリア。さらに、低背型電源回路や高密度実装技術と合わせて、高画質/省電力化とフルフラットタイプで薄さ約1インチ(最厚部24.7mm)を達成した。さらに、前面板と一体化させ、外光の映り込みを抑えた新「クリアピクチャーパネル」も薄型化に貢献している。
画質面では、ネオ・プラズマパネルで1コマの表示時間を更に短縮し、動画解像度を従来の“900本以上”から“1,080本”に向上。動きの速いシーンや、遅い動き/速い動きが混在するシーンでも、見やすく高精細な映像を実現したという。同パネルでは予備放電を低減させ、ピーク輝度を向上。暗部コントラスト4万:1、白/黒表示輝度の差が最大200万:1まで高めている。 明部から暗部までを高い精度でデジタル制御する「デジタルカラー・リアリティ技術」も搭載。世界最高という18bit映像処理により、高い階調表現力を実現。また、PDPの蛍光体の輝度飽和特性まで考慮した補正処理を導入するとともに、シーンや信号レベルに適応して色温度補正機能を調整。高精度なホワイトバランストラッキングを実現したという。
HDTV規格「ITU-R BT-709」で100%をカバー。x.v.Colorもサポートする。デジタル信号処理による3次元色空間補正やコントラスト補正を搭載。微妙な表現が難しい肌色においても、独自の信号処理アルゴリズムにより、自然な色合いと豊かな質感で表現するとしている。MPEGノイズなどを抑制し、ハイビジョンらしい鮮鋭感を実現する「HDオプティマイザー」も搭載。外部入力系でもノイズを低減できる新開発のノイズリダクション回路を搭載している。 音質面では、新開発のバーチャル3Dサラウンドシステムを採用。音響伝達関数の詳細な分析と、音の位置を知覚する音像の研究を重ね、周波数スペクトルを用いた新規の周波数制御アルゴリズムを開発し、2chスピーカーで広がりのあるサラウンドを実現するという。コンテンツに応じてサウンドモードは5種類用意する。スピーカーユニットは3モデル共通。2.3×10cmのミッドレンジと3.5×20cmのウーファで構成する。振動板には竹繊維を使用する。
■ 別売ユニットで無線フルHD伝送も
もう一つの特徴として、別売のワイヤレスユニット「TU-WH1J」(4月20日発売、オープンプライス/店頭予想価格6万円前後の見込み)との組み合わせにより、ディスプレイとチューナユニットの間をワイヤレスで接続可能。1080p映像と音声をワイヤレスで非圧縮伝送できる。 無線接続はWirelessHD規格に準拠。60GHz帯を使用して伝送する。米SiBEAMが開発した「ビームステアリング技術」を採用し、ディスプレイとチューナの間を人がさえぎった場合でも、受信部が室内の壁の反射などを利用した別の伝送路を瞬時に見つけ出し、映像/音声が途切れることがないという。通信距離は約10m。なお、ワイヤレス接続時もVIERA Link機能が利用でき、テレビのリモコンで他の機器を操作することなどが可能となっている。 ワイヤレスユニットは送信機と受信機で構成。送信部の背面にはHDMI入力に加え、電源や制御信号を入力する専用端子(ワイヤレスユニット制御端子)を用意。この2つの端子は、チューナユニットのHDMI出力端子と、ワイヤレスユニット制御端子と接続して利用する。受信機側も、受信機に備えたHDMI出力をプラズマパネル裏にあるHDMI入力(チューナユニット接続端子)に接続するほか、ワイヤレスユニット制御端子からの出力も、パネル背面の同端子に接続する必要がある。これにより、リモコンで操作した画質調整などの信号が映像/音声データと共に、チューナから送信機を介して受信機に送られ、パネルの設定に反映されるという仕組み。
伝送している映像/音声のデータそのものは通常のHDMIであるため、HDMI端子に接続すれば、VIERA以外の映像をワイヤレス伝送できる可能性はあるが、パナソニックでは正式サポートしていない。また、Zシリーズはいずれもシングルチューナ採用モデルだが、60GHz帯の1チャンネルを使った伝送では1080p映像を1ストリーム無線送信するのが限界だという。将来的にダブルチューナで2番組をワイヤレス伝送する際は、複数伝送チャンネルの利用が必要になるとのこと。
また、リモコンの通信方式は従来の赤外線から変更し、2.4GHz帯の無線通信を採用。機器の方向や障害物を気にせず快適に操作できるとしている。リモコンには「テレビでネット」、「ディーガ録画一覧」、「注目番組」、「ジャンル検索」など6つのショートカットを呼び出せる「らくらくアイコン」ボタンを備える。また、ボタンの色は、色弱者にとっても見分けやすい組み合わせを採用し、NPO法人による「CUD」(Color Universal Design)マークを取得している。 ネットワーク機能では、YouTubeやアクトビラ ビデオ・フルに対応。SD/SDHCカードスロットも備え、デジタルビデオカメラなどで記録した動画/静止画を再生できる。720pの新規格「AVCHD Lite」もサポートし、対応デジタルカメラなどを接続して動画を再生できる。 また、DLNAにも対応し、LAN経由で別室にある対応DIGAでの録画予約を行なったり、録画番組の再生を行なうといったことも可能となっている。また、対応レコーダとの接続時に、見ている番組を一時的に録画し、後で追っかけ再生ができる「番組キープ」機能も利用できる。そのほか、玄関などのセンサーカメラや、ドアホン、ファックスなどの映像やデータを画面に表示できる連携機能も備える。 EPGは、最大19ch/7時間の表示が可能な新「インテリジェントテレビ番組ガイド」で、スポーツ、ドラマ、映画、音楽、アニメの5ジャンルに色分け可能。チャンネル別に8日分の番組表を表示できる「チャンネル別番組表示」も備えている。Gガイドが1月末からサービスを開始した「注目番組」に対応。最大1カ月先の番組タイトルや内容を見ることができて、HDMI接続したDIGAへの録画予約も行なえる。 GUIの表示パターンを「スタンダード」、「リッチ」、「ポップ」、「スマートリッチ」の4種類用意。画面上に、対応レコーダやムービーカメラなどの操作パネルを表示する「画面 de リモコン」も利用できる。 省電力化のアプローチとして、DIGAなど対応機器との接続時に、VIERAで使用していない機器の電源をOFFにする「こまめにオフ」機能を搭載。また、VIERAを試聴していないときに、接続しているDIGAの待機電力モードを自動で最小に切り替える「ECOスタンバイ」も採用している。
□パナソニックのホームページ ( 2009年2月3日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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