ニュース

Wi-Fi/バッテリ内蔵の一体型VR「IDEALENS K2」が秋発売。2.5K有機EL搭載で295g

 中国でVR製品を展開する「IDEALENS(アイデアレンズ)」は、世界最軽量で最も広い視野角を実現したというVR対応ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「IDEALENS K2」を'16年秋に発売する。価格は未定で、“アッパーミドルレンジ”に位置づけられるという。

IDEALENS K2

 '15年7月に同社が初の量産型オールインワンVRヘッドセットとして発売した「IDEALENS K1」のスペックを引き継ぎつつ、120度の視野角と、17msという短い遅延を実現。重量は295gで、2時間以上でも大きな負担なく装着できるという。Android 6.0ベースの「IDEAL OS」を備える。

IDEALENS K2
Foxconn(鴻海精密工業)で製造されたという初代のK1

 ディスプレイは有機ELで、3.81型パネル2枚を使用。解像度は2.5Kとしている。視野角は120度。9軸センサーを搭載するほか、無線LAN、Bluetooth 4.0を搭載。自社のストアからアプリをダウンロードして使える。Androidアプリ/ゲーム/ビデオにも対応し、前述の自社ストアには現在100以上のVRゲームや、35,000以上のVRビデオがあるという。IDEALENS単体で起動からコンテンツのダウンロード、再生が行なえる。4G通信にも対応可能としている。

VRコンテンツの体験例
2つのレンズからのぞき込む
他社製品との遅延の比較
7つの大きな特徴

 頭の前後から挟み込むように装着し、後部側にバッテリを内蔵。屋外などでも利用できる。CPUはSamsungのExynos 7420、GPUはMali-T760 MP8、RAMは2GB、ストレージは32GB。ステレオミニの音声出力を備えるほか、microUSBとmicroSDスロットを装備する。HDMIなどの映像入力端子は搭載しない。

頭の前後から挟んで装着
主なスペック

上位機「K3」も予告

 CEOの宋海涛氏は、「子供のころから“現実の世界はコピーしたり再生したりできるのか”と考えてきた。この答えを求めるべく中国とアメリカで勉強し、博士号を取得した。この夢が実現に近づいている。想像を形にできるのがIDEALENS」とした。今後中国の北京で発表会を予定しており、価格などはその場で明らかになる見込み。日本で先に発表した理由は「IDEALENSのテクノロジーに自信があるから。まずは高い技術で知られる日本で認知を得たい」とした。

宋海涛CEO

 同社のビジネス開発ディレクターを務めるブレント・ジェンツ氏は、HTC ViveやPlayStation VRといった製品を“ハイエンド”、Gear VRやDaydream(Google)などを“ミッドレンジ”、Cardboardなどを“ローエンド”と分類し、IDEALENS K2はミッドレンジとハイエンドの中間にあたる“アッパーミドルレンジ”とし、「ビジネスにもコンシューマ向けにも使いやすい」とアピールした。

“アッパーミドルレンジ”製品として紹介するブレント・ジェンツ氏

 ゲストとして、ハウステンボスの澤田秀雄社長も登壇。ロボットがフロントやクロークを務める「変なホテル」など、ユニークな展開で知られるハウステンボスでは「3年以上前からVR/ARを使ったイベントを行なっており、今年~来年から本格的なVR時代が来ると感じている」との認識を示した。H.I.S.会長でもある澤田氏は「旅行業界やホテル業界などのB2Bで使われて普及すれば、2~3年後にはB2C展開も増えてくるだろう」と述べた。

 また、テレビ番組や映画といったコンテンツ制作に関わるプロデュースやエージェントなどの業務を展開するクリーク・アンド・リバーの井川幸広社長も来場。澤田社長らとともに、IDEALENSなどのVRを使った新たなサービスを今後検討していくという。

ハウステンボスの澤田秀雄社長
クリーク・アンド・リバーの井川幸広社長

 IDEALENSの宋CEOは、今回披露したK2に加え、上位モデルという「K3」の発表も予告。K2の視野角120度を上回る180度を実現するというモデルで、詳細は、今後中国で行なわれるイベントで明らかになる見込み。コンテンツの拡充については、グローバルでの取り組みに加え、日本の映画やゲームなどのVR対応にも積極的な姿勢を見せ、今後のセミナーなどを通じてコンテンツ開発を進めるという。

K3という上位モデルも予告
パートナーと協力してコンテンツを拡充
中国の有名人や投資家も集まって発表会を盛り上げた