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ヤマハの高音質技術を薄型ボディに凝縮。新ネットワークプリメインアンプ

 ヤマハは、「Simple & Flexible」という新コンセプトを掲げたオーディオとして、ネットワーク再生機能を備えたプリメインアンプ「WXA-50」と、パワーアンプ機能を省いて既存のコンポと連携できる「WXC-50」の2機種を10月中旬に発売する。価格は「WXA-50」が69,000円、「WXC-50」が54,000円。カラーはどちらもダークシルバー。

ネットワーク再生機能を備えたプリメインアンプ「WXA-50」

 ネットワークオーディオプレーヤー、Bluetooth受信、USB再生機能を備え、ヤマハがこれまで培ってきたハイファイやAVアンプの高音質化機能も投入。シンプルかつ薄型コンパクト筐体ながら、様々な音楽ソースを高音質で楽しめる製品として開発したという。「WXA-50」は単体でスピーカーをドライブでき、「WXC-50」はプリアンプ、もしくはネットワークプレーヤーとして、別途アンプと接続して利用する。

スピーカーと「WXA-50」を組み合わせたところ
「WXC-50」をネットワークプレーヤーとしてオーディオシステムに組み込んだところ

 消費電力はWXA-50が60W、WXC-50が12W。外形寸法と重量は、WXA-50が214×251.4×51.5mm(幅×奥行き×高さ)で1.94kg。WXC-50が214×245.9×51.5mm(幅×奥行き×高さ)で1.44kg。縦置きもできる。

 ヤマハ独自のMusicCastに対応し、DLNA対応のNASなどに保存されている音楽ファイルをネットワーク経由で再生したり、別のMusicCast対応機と連携し、複数の部屋で同じ音楽を流す、別のMusicCast対応機に入力された音楽を流すといった使い方も可能。制御はiOS/Android用アプリ「MusicCast CONTROLLER」で行なう。Bluetooth受信もでき、AirPlayもサポート。

 ネットワーク再生や、USB端子に接続したUSBメモリからの再生では、MP3、WMA、AAC、WAV、FLAC、AIFF、Apple Lossless、DSDに対応。WAV/FLAC/AIFFは192kHz/24bit、Apple Losslessは96kHz/24bitまで、DSDは5.6MHzまでの再生が可能。DSDのネイティブ再生もサポート。DACには、ESS製の「SABRE 9006AS」を採用する。BluetoothのコーデックはSBC、AACに。プロファイルはA2DP、AVRCPをサポートする。SCMS-Tにも対応する。

左が「WXA-50」、右が「WXC-50」

 入力端子は光デジタル音声、アナログ(AUX)を各1系統装備。出力は、アンプ搭載の「WXA-50」は、アナログ(AUX)とサブウーファ出力を各1系統装備。パワーアンプ無しの「WXC-50」は、光デジタル、同軸デジタル、アナログ音声(AUX)、サブウーファプリアウトを各1系統装備。他のコンポと連携するためのトリガー入出力も備えている。

「WXA-50」の背面。スピーカーターミナルを備えている
「WXC-50」の背面

 ヤマハがAVアンプなどで採用している、オリジナルネットワークモジュールを採用しており、高精細かつロージッターのクロックを用いて、ノイズレベルを大幅に低減した高音質なネットワーク再生を可能にしている。

 様々なソースを高音質に楽しむための機能を搭載。圧縮音楽ファイルのネットワーク再生や、Bluetooth受信時に利用できる「ミュージック エンハンサー」は、圧縮音楽で失われた高域を補正し、クリアで奥行きのある音質が楽しめるというもの。

 小音量時に失われがちな低音と高音のバランスをコントロールし、フラットに近づけ、深夜やニアフィールドでのリスニングをリッチにする「ボリュームアダプティブEQ」。低域を補う「アドバンスド・バス・エクステンション」なども利用できる。

 様々な処理をパスし、原音のままの再生ができるというダイレクトモードも用意する。

「WXC-50」の背面
使用イメージ

ボリューム方式など新たな試みも

 アンプ搭載の「WXA-50」は、デジタル式のボリュームを搭載。通常のデジタルボリュームは、少ないデジタルビット数で音量演算するため音質が劣化するが、信号のビット数を大幅に超える48bit以上の精度で演算することで、「高性能なアナログボリュームに匹敵する性能を実現した」という。また、アンプを搭載していないWXC-50のデジタル出力へのボリューム処理は32bitで演算されている。

「WXA-50」

 音質に悪影響を与えるデジタルジッタとDAC以降の回路による影響を抑えた、プリアンプデザインも採用。高級AVアンプで採用するESS DACと組み合わせて、圧倒的なステレオセパレーションと低雑音を実現したという。

 AVアンプの上位シリーズ「AVENTAGE」4桁品番の一部モデルで使用している、32bitのDSP回路も搭載。サンプリングレートコンバート処理を行なっているほか、イコライジング、低域拡張、エンハンサーなどの処理も高精度に行なっている。

 それぞれのセクションでジッタを除去するための回路を搭載。最終的にESS DACのセクションで最も精度の高いクロックを保つようにしている。ウルトラロージッターPLL機能も搭載。聴く音楽に合わせて、ユーザーがジッタ除去能力を3段階から選択できる。

 PMLコンデンサを採用。ルビコンとヤマハのハイファイチームが共同開発したものを元に、カスタマイズして使っており、Polymer Multi-Layer(薄膜高分子積層)コンデンサが音の明瞭度をアップ。より自然で原音に忠実な再生ができるという。

 独自の電源グランド構成のコンセプト「D.O.P.G.(DAC on Pure Ground)」も採用。デジタル回路で起こるグランドノイズとアナログ回路を切り離した構成になっており、電源起因の音質劣化を排除している。

 筐体には、1枚板の鉄板の4辺を折り曲げ、ネジ止め無しでシャーシとして採用。前面と側面を一体で覆う2.0mm厚の鉄製フロント&サイドパネルと、サンドブラスト加工した1.6mm厚のアルミ製トップカバーで包み込んでいる。コンパクトかつ高密度な内部構造のためのデザインであると同時に、剛性を高める効果もあるという。カラーはフロント&サイドパネルがダークシルバー、トップパネルはブラックアルマイト加工。

トップカバーはサンド仕上げを施したアルミ製

WXA-50にはデジタルアンプ搭載。WXC-50は動作モードを選択可能

 プリメインアンプ機能を備えた「WXA-50」には、小型で大出力のデジタルアンプと、専用の電源を搭載。最大出力は115W×2ch(4Ω)。別途アクティブサブウーファを接続するための出力端子も備えている。

WXA-50の前面と背面

 ネットワークプリアンプの「WXC-50」は、プリアンプモードとプレーヤーモードを背面のスイッチで切り替え可能。デフォルトのプリアンプモードに設定すると、プリ部が利用でき、WXC-50からボリューム可変ができるようになる。入力された信号は、WXCのDACやDSP回路で処理をし、ヤマハ独自のエンハンサーなどの機能が利用できる。

WXC-50の前面と背面

 プレーヤーモードに設定すると、プリ部は動作せず、ネットワークプレーヤーとして動作し、ボリュームは0dBで固定。接続した先のアンプ側で操作するカタチとなる。また、オーディオ信号はDSP処理を通らず、DACをバイパスして出力される。

「WXC-50」を組み込んだオーディオシステムのイメージ