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京商、130gで超低空を飛ぶレース向けドローン。FPV動画撮影にも対応予定
2016年9月23日 13:36
ラジコン/模型メーカーの京商(KYOSHO)は、超低空を飛行するレース向けドローン「DRONE RACER」を11月25日に発売する。コントローラやバッテリなどが付属した「レディセット」の価格は26,000円。カラーがダイナミックホワイトの「G-ZERO(ジーゼロ)」と、フォースブラックの「ZEPHYR(ゼファー)」を用意。
9月23日~25日に行なわれる「第56回全日本模型ホビーショー」(一般入場は24日から)の京商ブースで発表会を行ない、特設コースを用意して紹介している。
「DRONE RACER」は、世界初という、ホイールコントローラで操作して滑空する、プロペラ4基のレース向けドローン。簡単な操作性を特徴とし、ワンタッチ操作でテイクオフ/自動ホバリングを開始。フライト技術を習得する時間を不要としている。
超音波センサーと気圧センサーにより高さ35cmまたは60cmの高度を選択可能。路面を選ばず、水面でも指定した高さを自動でキープして走行する。重量は約130gで、航空法の規制対象ではなく、特定の禁止区域以外であれば自由にフライトできる。
付属するホイールタイプのコントローラから操作を行ない、通信は2.4GHz帯で接続。グリップの付け根に、機体の高さ調整を行なうスイッチを備える。また、PC/Androidスマートフォン向けアプリ「ドローン・レーサーセッティングマネージャー」により、飛行高度などの細かな設定変更も行なえる。
本体には超音波センサーや気圧センサーのほか、6軸ジャイロスコープ(3軸加速度センサー/3軸角速度センサー)を搭載。モーターは、ハイレスポンス小型コアレスモーター4機。「イージーモード」と「アクティブモード」の速度切替が可能。飛行速度は、ノーマル仕様で時速約30km、プロペラ角度20度設定時で時速約34.5km、オプションパーツにより時速約38kmまで可能としている。
安全性にも配慮され、ものにぶつかった時や、挟まった時、機体が傾きすぎた時、電波が途切れた時などにはプロペラが自動で停止する。
フロント側のプロペラユニットにはフルカラーLEDを備え、6色から選んで点灯可能。レース時にゼッケンの代わりとしても活用できる。リア側のLEDが点灯する色で、バッテリ切れやジャイロキャリブレーション中などのステータスを確認可能。機体の前後をフライト中に素早く確認できるように、フロントに高輝度のホワイトLEDと、リアのテール側にレッドのLEDを備える。レース向けの機能として、コックピット部には専用のラップカウンターと連動する赤外線LEDを搭載する。
1,000mAhバッテリを内蔵し、飛行時間は約10分。バッテリの充電時間は1~2時間で、USB経由で充電できる。ガード部を含む外形寸法は300×302×65mm(幅×奥行き×高さ)。スペアプロペラも1機分(4本)付属する。
なお、9月24日~11月6日までの間に予約すると、もれなく交換用の1,000mAhバッテリをプレゼントする予約キャンペーンも実施する。
カメラでFPV動画撮影にも対応予定
レース用のため、本体にカメラは備えていないが、オプションとして小型軽量のカメラと、その映像をリアルタイムで伝送してFPV(一人称視点)映像でモニタリングできるディスプレイをセットで発売予定。会場で参考展示も行なっていた。
参考展示されたディスプレイはコントローラの上部に直接装着できるもので、外見は4~5型程度のサイズ。FPV映像は640×480ドット程度で伝送し、フレームレートの高さなどレースの映像を滑らかに表示できることを重視するという。発売時期や価格は未定だが「そう遠くない時期に、15,000円程度で検討中」としている。
今回のFPVセットはディスプレイを用いたものだが、ヘッドマウントディスプレイを用いてモニタリングするかどうかについては「レース用でスピードが出るため酔いやすくなる恐れもあるが、技術的には可能」としている。
全日本模型ホビーショーのブース内で行なった発表会では、京商の社長であり、今回のプロジェクトでも中心となった鈴木明久社長が、DRONE RACERについて「大地を滑空する未来のクルマ」として紹介。
一般的なドローン用コントローラがレバーで縦横4方向の操作を行なうのに対し、DRONE RACERではラジコンカーと同様のホイール型で「ハンドルとスピードだけで、車と一緒」とアピール。「レースを想定したことで、(高く)飛ばないからやさしい、奥が深い、飛ばないのに難しい、難しいのにやさしい、京商らしい、奥の深いシロモノになった」と述べた。