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エソテリック、ルビジウム採用で145万円のクロックジェネレータ「G-01X」

 エソテリックは、マスタークロックジェネレータ2モデルを12月20日に発売する。価格は、ルビジウム搭載の「G-01X」が145万円、カスタムOCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)を採用した「G-02X」が45万円。

G-01X

 オーディオトランスポートや、DAC、SACDプレーヤー、ネットワークオーディオプレーヤーなどのクロック入力端子を備えた機器に、外部からクロックを供給する発振器。デジタル機器が内部で生成するクロックよりも高純度なクロック信号を供給することで、音質の向上が図れる。

G-02X

超高精度なルビジウム搭載の「G-01X」

 周波数精度が±0.05ppb(±0.00005ppm)の高精度な米国製ルビジウム発振器を搭載。音質と安定度を最優先とし、エソテリック専用の品質管理を施したカスタム仕様で、「ハイエンドモデルにふさわしい音質」としている。

 フラッグシップモデル「Grandioso G1」で開発された「ワイドレンジ・クロックバッファーアンプ」の採用によりワイドレンジ化を図っており、高周波特性に優れた高速トランジスタを使ったディスクリート回路を、出力ごとに独立して搭載している。

 また、Grandioso G1と同様、音質に重要な内部のルビジウムユニットからバッファアンプへの信号送り出しには、クロック出力の基準電位となるグラウンドを常に0Vに保つ「アダプティブ・ゼログラウンド」回路を搭載。グラウンド電圧の変動によるノイズ(ランダムジッター)の防止に効果があるというアダプティブモードと、通常モードから選べる。

 ワイドレンジ・クロックバッファーアンプの性能を引き出すという新規設計の電源回路も搭載。各出力に独立したバッファーアンプに対し、電源レギュレーターも独立。アンプと電源をブロック化することにより、クリーンでパワフルな駆動を可能にしている。

 電源トランスは、大型トロイダルトランスをメインに、デジタル制御部には専用のEIコアトランスを用いた2トランス構成。平滑回路にはコンデンサを複数組み合わせ、ショットキーバリアダイオードも使用。高速なデジタル処理時も、正確にクロック信号生成が行なえるという。

 最大8台の機器にクロックを供給可能で、10MHz正弦波クロック専用端子は4系統装備。端子ごとに出力ON/OFFを切り替えられる。A/Bの2系統4出力は、100kHz、10MHz(矩形波)、基本となる周波数系列(44.1kHz/48kHz)の1、2、4倍から最大512倍(22.5792MHz/24.576MHz)のクロック信号を出力可能。端子ごとに出力周波数を設定できる。

 端子はエソテリックオリジナルの金メッキBNCを採用。外部入力端子も備え、GPS受信機などから、10MHzまたは1ppsの基準信号を入力することも可能。衛星から受信した、より中心周波数精度の高いクロックに内蔵ルビジウムユニットを同期させ、オーディオ機器側には外部GPS受信機内蔵の水晶発振器よりも安定性の高いルビジウム発振が可能。高精度GPSシステムのメリットを活かせるという。

G-01Xの背面

 電源ボタンをOFFにしたときに、内蔵ルビジウムユニットの通電のみ継続するプリヒートモードと、システムを完全にシャットダウンするモードから選択可能。プリヒートモードは、常時ルビジウムを暖機して、電源投入から本来の性能を発揮するまでの待ち時間を短縮できるため、同モードが推奨されている。

 高精度なルビジウムユニットは、外部振動の影響を受けやすいため、シャーシは振動のコントロールを徹底。ボトムシャーシはスリット構造を採用し、各コンポーネントの相互干渉を最小とした。また、剛性の高い重量級肉厚アルミパネルのエンクロージャや、エソテリック独自のピンポイントフットにより、外部からの振動の影響も防ぐ。

 前面には有機ELディスプレイを搭載。消費電力は72W(ウォームアップ時)、29W(安定時)。外形寸法は、445×359×131mm(幅×奥行き×高さ)、重量は13.3kg。

カスタムOCXO搭載の「G-02X」

 内部温度を一定に保つオーブンに水晶振動子と発振回路を内蔵し、安定した発振を行なう、エソテリック専用カスタムのOCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)を新開発して搭載。代表値±0.01ppmの中心周波数精度を持ち、位相雑音を従来比で約3dB減少させた(オフセット周波数100Hzでの実測値)という。内蔵OCXOのプリヒート機能も備える。

 ワイドレンジ・クロックバッファーアンプや、アダプティブ・ゼログラウンドなど、Grandioso G1の技術も投入。また、電源部は、バッファーアンプと電源レギュレータをブロック化することでパワフルな駆動を実現。電源トランスは、トロイダルと制御用EIコアの2トランス構成。平滑回路にはコンデンサを複数組み合わせ、ショットキーバリアダイオードを使用している。

 上記のG-01Xと同様に、10MHz正弦波クロック専用端子4系統を含む、最大8台の機器にクロックを供給可能。端子ごとに個別に出力周波数を設定できる。

G-02Xの背面

 ボトムシャーシは、スリット構造を採用し、各コンポーネントの相互干渉を抑制。重量級の肉厚アルミパネルやエンクロージャ、スチール削り出しインシュレーターなどで、外部からの振動の影響を防ぐ。

 端子はエソテリックオリジナルの金メッキBNC。外部クロック入力端子も備える。消費電力は18W(ウォームアップ時)、12W(安定時)。外形寸法は445×359×107mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.3kg。