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Netflixの'17年作品はJimmy、スタトレ、HDRアニメ。世界最大のクリエイターに

 Netflixは14日、2017年のコンテンツラインナップ発表会を開催し、明石家さんま企画・プロデュースの「Jimmy」や久住昌之原作の「野武士のグルメ」などのオリジナル作品の紹介や制作方針などを説明。「ゆくゆくは、50%をNetflixのオリジナルコンテンツにしていく」という。

Netflixのグレッグ・ピーターズ社長

半数はオリジナルコンテンツへ、2020年には世界最大のクリエイター

 日本法人Netflix株式会社のグレッグ・ピーターズ社長は、「Netflixは、1月に170カ国でサービスを開始し、全世界で使えるサービスを目指している。どこに住んでいても、旅をしていても楽しめる世界最大級のプラットフォームになった。飛行機の中でも電車でも、砂漠の真ん中でも楽しめるよう、ダウンロードにも対応した」と、最近の取り組みを紹介。マクドナルド店頭のWi-FiでNetflixオリジナル作品が視聴できるサービスなどにも触れ、こうしたパートナーとの協力も加速し、「いつも、どこにいてもNetflixが見られるよう取り組む」と語った。

 全世界では8,600万人を超える世界最大の映像配信サービスだが、「同時に世界最大級のコンテンツクリエイターでもある」と説明。2017年には、1,000時間以上のオリジナルコンテンツを制作し、「ゆくゆくは配信作品の50%がNetflixオリジナルコンテンツになる」と、オリジナル作品にこだわる姿勢を強調した。

 「いまのNetflixの規模のコンテンツクリエイターは、CBSやディズニーぐらい。クオリティ、そして量も追求し、2020年には世界最大のコンテンツクリエイターになる。そこで、最高のエンターテインメント体験をお客様に提供する」と、Netflixの目標を語った。

 一方、'15年9月の日本市場参入以来力を入れているのが、オリジナルコンテンツの制作と、海外への日本作品の紹介。「日本のコンテンツを世界の観客に届けているが、その反応も少しづつ見え始めた」と語り、「火花」がフランスやシンガポールなどで人気が出ていること、「テラスハウス」の視聴者は海外が半分となっており、「日本の文化をユニークな姿で見せてくれる」と評価されていることなどを紹介した。さらに「深夜食堂」の視聴者は、90%が日本以外で、韓国や台湾などの東アジアだけでなく、インドなどにも広がっているとする。

 また、視聴時間も伸びており、日本でテレビやSTBを使ってNetflixを使っている人の月間平均視聴時間は30時間を超えたという。

オリジナル続々、リアリティーショー強化、BLAME!はHDR

 膨大な資金を投入して、オリジナルコンテンツを制作しているが、ハリウッド以外でもブラジルなど様々な国で制作を開始。日本では、現時点でオリジナルを10シリーズを作っているほか、企画中の作品が22本で、50社を超えるパートナーと協力。2017年も多くのオリジナル作品を制作していく方針。なお、「オリジナルコンテンツ」の定義は、「劇場や放送でなく、Netflixを第一に想定した作品」で、全世界配信の権利をNetflixが有するもの。

 コンテンツディレクターのジュリアン・ライハン氏は、映画やアニメだけでなく、リアリティーショーなどのバラエティも強化する方針を説明。シルヴェスター・スタローンがプロデュースする、6カ国のアスリート18人が戦うグローバルスポーツエンタテインメント「アルティメット・ビーストマスター」('17年2月24日配信開始)や、4K/HDR対応の「レモニー・スニケットの世にも不幸なできごと」(同1月13日配信開始)、ドリュー・バリモア主演のドラマ「サンタ・クラリタ・ダイエット」(同2月3日配信開始)、「デスノート/Death Note」('17年中配信)、ブラッド・ピット主演の「ウォー・マシーン」('17年中配信)などを2017年に順次投入する。

コンテンツディレクターのジュリアン・ライハン氏

 また'17年に注力するのが「スタートレック」。オリジナル作品の「スタートレック:ディスカバリー」は5月に配信開始するほか、劇場版、TVシリーズの全てをNetflix上で配信する。

 アニメについては、「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」や、プロダクションI.Gと中澤一登監督による新アニメシリーズ「パーフェクト・ボーンズ」などを制作。またポリゴン・ピクチュアズとのコラボレーションによる劇場アニメ「BLAME!(ブラム)」はHDR制作で、'17年中に全世界配信予定という。

 1月からテレビ放送される「リトルウィッチアカデミア」の見逃し独占配信も予定している。

 ライハン氏は、「日本のクリエイターとの関係構築が、日本オフィスを構えた理由。トツプクリエイターと連携し、HDRを含めて作品を作っていく」とした。

さんまがネットに登場「Jimmy」。「野武士のグルメ」は3月スタート

 日本制作コンテンツとして力を入れるのは、吉本興業と協力して制作する明石家さんま企画・プロデュースの「Jimmy ~アホみたいなほんまの話~」。明石家さんま初のドラマのプロデュースとなるだけでなく、放送以外の配信系デジタルメディアでの露出も初という。4Kで制作し、ジミー大西を中尾明慶が、明石家さんまを小出恵介が演じる。2017年夏に放送予定。

Jimmy ~アホみたいなほんまの話~
(C)2016YD クリエイション
明石家さんまが演技指導
(C)2016YD クリエイション

 また、孤独のグルメスタッフによる、続編的な作品「野武士のグルメ」(全12話)も'17年3月17日から全世界配信。定年退職して、お金と時間を自由に使えるようになったサラリーマン香住武(竹中直人)が、野武士のように好きなものを好きなときに好きなように食することを決意、様々な店で食を楽しんでいく。妻の静子を演じるのは鈴木保奈美。

野武士のグルメ

 オリジナルコンテンツだけでなく、他社調達のコンテンツも年末から年始に向けて強化。「マッド・マックス 怒りのデスロード」、「リトルプリンス 星の王子さまと私」など、ワーナーブラザーズ作品や、「マネーショート」や「デジモンアドベンチャー」、「ピースオブケイク」、「水曜どうでしょうClassic」などを、SVODではNetflix独占先行配信とし、「“Netflixでしかみられない”コンテンツを増やしていく」(竹井規道 コンテンツマネージャー)という。

 また、他のSVODで展開しているように、テレビドラマやアニメの「見逃し配信」にも取り組んでいる。「放送後一週間限定ではなく、配信開始以降は見放題」とすることを前提に、「猫忍」などの作品を配信予定としている。