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ボーズ、「一体型スピーカーの限界を超える」サウンドバー「SoundTouch 300」

 ボーズは、「これまでの一体型スピーカーの限界を超える」というサウンドバー「SoundTouch 300 soundbar」を2月10日に発売する。価格は75,000円。オプションとして追加のサブウーファ「Acoustimass 300 bass module」を75,000円、サラウンドスピーカー「Virtually Invisible 300 rear surround speakers」をペア35,000円で用意する。

サウンドバー「SoundTouch 300 soundbar」

 「SoundTouch 300 soundbar」は、978×108×57mm(幅×奥行き×高さ)のスリムな筐体を採用したサウンドバー。テレビとHDMIケーブル1本で接続できるほか、Wi-FiやBluetoothに対応し、インターネットラジオやスマートフォンからの音源も再生可能。Spotifyにも対応する。

 製品名通り、同社SoundTouchシリーズとして、他のSoundTouch製品との連携も可能。別々の部屋に設置したSoundTouchスピーカーとSoundTouch 300から同じ曲を再生するといった使い方もできる。

高さは57mm

 内部には左右チャンネル用それぞれに、2基のウーファ、1基とツイータ、1基のPhaseGuideアレイを搭載。PhaseGuideアレイは、密閉されたチューブのような機構を持ち、メッシュ状に穴が空いたスリットが入っている。チューブの中に高域の音を出すと、高音がメッシュの穴から強い指向性のあるビームとなって放出。そのビームが壁などに反射し、視聴者の背後から音を出す事ができる。

内部の構造

 セッティング用に「ADAPTiQ」機能も搭載。手軽かつ自動的に、設置環境にマッチした出力状態に調整できるという。

PhaseGuideアレイ説明用のツール。棒のようなツールを向けた先にある壁などから、反射した音が聴こえる
PhaseGuideアレイがサウンドバーの中に内蔵されている

 サウンドバーでも豊かな低音を再生するため、新開発のQuietPortテクノロジーも導入。筐体の後部に搭載されているもので、パイプのようなパーツに音を通す事で省スペースで低音再生を実現するもの。パイプにスリットを入れる事で、音が歪んで不自然なサウンドになる事を防いでおり、「いかなる音量域でも深みのあるクリーンな低音を再生し、ボリュームを上げても歪が生じない」という。DSPも進化し、周波数帯域ごとのバランスも音の細部の粒立ちも整えている。

 HDMI入出力を各1系統備え、ARC(オーディオリターンチャンネル)に対応。テレビとHDMIケーブル1本で接続でき、4Kパススルーにも対応。HDCP 2.2もサポートする。デコーダはドルビーデジタルとDTSをサポート。光デジタルオーディオ入力も備えている。リモコンも付属する。

HDMI入出力、光デジタル入力を装備
リモコンも付属する

 サウンドバーだけでも成立している製品だが、より低音をグレードアップさせるために、サブウーファの追加も可能。この追加用サブウーファ「Acoustimass 300 bass module」にも、QuietPortテクノロジーを投入した。

追加用サブウーファ「Acoustimass 300 bass module」、リアスピーカー「Virtually Invisible 300 rear surround speakers」と組み合わせたところ

 さらに、サラウンドスピーカー「Virtually Invisible 300 rear surround speakers」も追加可能。リアルスピーカーによる5.1ch環境へとアップグレードできる。ワイヤレス接続用の受信機が付属しており、その受信機は電源供給が必要。受信機とVirtually Invisible 300スピーカーを、スピーカーケーブルで接続する形となる。

リアスピーカー「Virtually Invisible 300 rear surround speakers」

 なお、同日にはシアターシステムの新モデルとして「Lifestyle 600 home entertainment system」と「Lifestyle 650 home entertainment system」も発表されている。これらは別記事で紹介する。

SoundTouch 300 soundbarの音を聴いてみる

 薄型のサウンドバーだが、まず驚かされるのは低域の量感だ。試聴室では、追加用サブウーファ「Acoustimass 300 bass module」も置かれていたので、デモ再生の序盤はてっきりサブウーファも鳴っているのだろうと思いこんでいたが、鳴っていないと知り、驚いた。お腹に響くような、量感のある低音がしっかりと出てる。

試聴してみる

 同時に、セリフなど中高域の定位も明瞭。壁掛けしたテレビとSoundTouch 300の間にはかなり距離があるセッティングだったが、セリフが下のサウンドバーからではなく、上の画面から聴こえてくる。

 左右方向の音の広がりも見事で、テレビ画面の範囲を大きく超えて音が出てくる。高域は横や背後からも聴こえてくるため、包み込まれるようなシアタースピーカーの感覚がサウンドバーだけで味わえる。背後の定位感は、リアルなリアスピーカーを設置した場合と比べて負ける部分はあるが、人の声が様々な方向から聴こえてくるような映画のワンシーンでは、確かに背後からささやき声も聴こえてくる。

 サブウーファの「Acoustimass 300 bass module」を加えると、サウンドバーだけで感じられた量感豊かな中低域の、低域部分がさらに深く沈む。お腹に響く低音から、地面をズズンと揺すって、振動のように伝わる低音にランクアップする感覚だ。映画の迫力などはよりアップするだろう。一方で、SoundTouch 300が、サウンドバー部分だけでかなりクオリティの高い中低域を再生できている事に改めて感心した。