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Bricasti Design、超広帯域設計のステレオパワーアンプ

Bricasti DesignのAB級ステレオ・パワーアンプ「M15」

エミライは、Bricasti DesignのAB級ステレオ・パワーアンプ「M15」を3月5日に発売する。価格は198万円。

フルバランス・モノラル・パワーアンプ「M28SE」開発で培われたテクノロジーをベースとして、共通のデザイン・フィロソフィに基づき開発された。M28SEが持つ音質や動作安定性はそのままにコンパクト化が図られている。

全段差動設計のステレオ・パワーアンプで、XLR入力端子からスピーカー出力まで完全なバランス信号伝送を実現。M1SE DAコンバーターやM12ソースコントローラーなどソース機器がバランス設計の場合に、“最高の結果=最高の音質”を享受できるとのこと。

本体前面

完全バランス伝送実現のため、M15は完全に独立した2つの差動信号伝送シグナルパスを持つ。電源設計にもバランス設計思想が持ち込まれ、総容量120,000uFのコンデンサバンクを2基、ひとつのトランスで2系統の電源供給が行なえる独立2次巻き線トランスを装備。2Ω負荷で500Wrm以上の出力を誇る。

「200kHzまでフラットでMHz帯まで伸びている」超広帯域設計。周波数特性は10Hz~200kHz。出力段は金メッキ削り出し部材と圧着によるはんだレス設計を採用した。

Bricasti Designが理想とする高電流の低インピーダンス出力性能を達成するために、スピーカー端子には自社で設計・製造したものを採用。これは銅を切削加工し金メッキ処理を施したもので、端子をリアパネルに取り付けるナットも自社で切削加工したものを使用するなど、品質へのこだわりが徹底されている。

ノイズと振動に配慮した強固な筐体構造も特徴で、すべての機構部品はアルミニウムブロックから切削加工されている。シャーシ(ボトムプレート)はひとつのアルミインゴットから切削され、基板取付ポストも底面と一体で削り出されている。ヒートシンク側は3インチ(76mm)厚のアルミニウムブロックから切削加工されたもので、熱安定性と優れた放熱性を実現した。

本体背面

アンプブロックのパワートランジスタは、優れた直接熱伝達と低振動のために本体側面に直接取り付けられている。Stillpoints製の振動アイソレーション・ポストを使用しているのも特徴で、このアイソレーション・ポストはインシュレーターに精密に組み込まれ、電磁誘導で発生する振動や外力による振動を絶縁するとのこと。

音楽信号を圧縮する精巧なソフトクリッピング回路を装備。電圧駆動段でバッファされ、音楽信号として検出処理されるため、負荷インピーダンスに応じて最適なポイントで動作するという。一般的にソフトクリッピング作動時には高調波歪みが生じるが、ソフトクリッピングは穏やかに処理を行なうため、結果的に高次の歪みを生じさせない設計になっているという。

入力インピーダンスはバランス入力で200kΩ、アンバランス入力で100kΩ。ダンピングファクターは5,000:1以上。出力端子はバランス入力とアンバランス入力を各1系統備える。

外装はアルマイト処理済アルミニウム合金で、外形寸法と重さは431×457×266mm(幅×奥行き×高さ)、40.8kg。消費電力は700W。