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ソニーと東大が新学問“人間拡張学”始動。AR/VR/ドローン/ロボット等で人間の能力拡張
2017年3月13日 12:23
ソニーと東京大学は、次世代を牽引する技術系人材の育成と強化を目的とし、新たな学問領域「ヒューマンオーグメンテーション(人間拡張)学」を東京大学大学院情報学環において推進していく事で合意。ソニーの寄付講座として2017年4月1日~2020年3月31日(3カ年度)まで実施予定。担当教員は特任准教授・味八木崇氏の予定。
ヒューマンオーグメンテーション(Human Augmentation)とは、東京大学大学院情報学環教授でソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)の副所長でもある暦本純一氏が提唱するコンセプト。
「人間と一体化して、人間の能力を拡張させるテクノロジーを開拓していく」というもので、能力の範囲は、知覚能力・認知能力・身体能力・存在感や身体システム(健康)まで幅広い。
これまでに、視線を認識するウェアラブルコンピュータ、ドローンやロボットによる体外離脱視点を用いたトレーニング支援、人間の体験をウェアラブルセンサーやネットワークにより他の人間と共有・接続する“人間=人間接続型テレプレゼンス”などの研究を行なっている。
さらに、人間とテクノロジー・AIが一体化し、時間や空間の制約を超えて相互に能力を強化しあう、IoA(Internet of Abilities:能力のインターネット)という未来社会基盤の構築を視野に入れた、最先端の研究を体系化していく学問領域でもある。
東大とソニーの連携は、東京大学大学院情報学環・学際情報学府が使命とする、「情報学分野の総合的で高度な研究と教育を先端的かつダイナミックに推進する組織であり、知の構造化に積極的に参画し、知の公共性を担保していく」事と、ソニーが目指す「新技術を通じて人類、社会へ貢献する」未来像が繋がったため、実現したという。
ヒューマンオーグメンテーション学という新たな学問領域を開拓していくことで、「産業界と教育界を活性化させ、未来を創る人材の育成と強化に繋げていく」としている。