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シャープ、国内テレビ生産撤退報道を否定。80型超や8Kは国内。亀山に全自動ラインも

 シャープは15日、国内液晶テレビ工場のスマートファクトリー化やアッセンブリーの海外移管方針などを表明した。朝日新聞による「2018年にテレビ国内生産撤退、亀山工場では中小型の液晶パネル生産に集中」との報道に対し、同社の国内液晶テレビ生産方針をまとめており、80/90型の大型など一部製品は国内生産、また亀山工場には新規の全自動生産ライン構築も検討しているという。

戴正呉社長

 3月13日の戴正呉社長懇親会において、新生シャープの「生産」について、「日本国内の工場はスマートファクトリー化(全自動化、高度な自動化を含む)する」、「複雑な手作業が多いアッセンブリーについては、鴻海や海外協力工場などへ移管する」という方針を説明。これらにより、競争力を高めていく。

栃木工場でAQUOSの開発などを行なう技術センター

 上記の方針を前提とするが、一部の液晶テレビ生産は国内に残す方向で検討中。具体的には、運送費用や輸送期間などの問題がある80/90型などの大型液晶テレビは、亀山工場で生産する。また、亀山工場には2017年度に45型液晶パネルの全自動生産ライン設置も検討しているほか、最先端の8Kテレビは栃木工場で開発し、栃木、亀山で開発予定としている。

 検討中の国内テレビ生産方針は以下の通り。

  • 海外生産に移管した場合、運送費用の上昇や輸送期間の長期化などにより競争力の低下が見込まれる大型液晶テレビ(例えば80型、90型など)については、亀山工場にて生産
  • 最先端の8Kテレビは栃木工場にて開発する。生産については、スマートファクトリー化を前提に、栃木または亀山工場で行なう
  • 亀山工場では、2017年度に45インチ液晶パネルの開発、及びパネルからテレビまでの全自動生産ラインの設置を検討。その他サイズのテレビ用液晶パネルも生産を継続する。全自動生産ラインにより十分な競争力が得られれば、45インチ以外のテレビ生産の可能性も検討
  • 栃木工場は、液晶テレビの開発、試作、アフターサービスを行なう拠点とする
栃木工場の生産ライン(2015年11月撮影)