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'17年度のフジテレビ FODはオリジナル番組強化。「淘汰の時代を勝ち抜く」

 フジテレビは、映像配信を中心としたエンターテインメントサービス「FOD(フジテレビオンデマンド)」の新作オリジナルドラマやバラエティ番組を紹介し、FODの戦略、2017年度の方針について発表。東京・お台場のフジテレビ本社にはゲストとして、Netflixと共に配信予定の恋愛観察バラエティ「あいのり REBOOT」(仮)MCに決定したタレント・ベッキーや、dTVとの共同制作ドラマ「Love or Not」の出演者らが登場した。

「オリジナル番組はFOD」。若者向けドラマやバラエティなど強化

 フジテレビジョンの山口真 コンテンツ事業局長は、FODの強みについて「名作ドラマやバラエティ番組など5,000本が独占見放題。昨年は計166時間に及ぶオリジナル番組を用意し、質・量ともに充実させた。80の雑誌や17万冊のコミック・小説が読めることも、他の配信サービスにはない特徴」と説明。

フジテレビの山口真 コンテンツ事業局長
配信コンテンツ数は約5,000本。計166時間に及ぶオリジナル番組を用意
雑誌やコミック・小説が読めるのも特徴

 FODの重要戦略目標として「『若者向けドラマに強い』というフジテレビ本来の強みをブランディングし、親しみを持っていただけるユーザーをたくさん作る。地上波、BS、CS、配信という4つのメディアの価値を高め、フジテレビの“トータルコンテンツファクトリー”という考え方に最大限貢献していきたい」とした。

『若者向けドラマに強い』をブランディング

 ブランディング方針では「オリジナル番組はFOD」を掲げ、「オリジナル番組ならFODと言っていただけるようにしたい。競合他社に質・量とも劣らないラインナップを作り上げる」(山口氏)とする。2017年度のオリジナル番組制作量は、前年比約3倍となる総計500時間を予定する。

「オリジナル番組はFOD」

 オリジナル新作は、バラエティが12コンテンツ(新作3つ含む)、ドラマ&アニメが13コンテンツ(新作1つ、CS・海外リメイク5つを含む)。お笑い芸人によるバラエティ番組として、矢作兼と山崎弘也が所属事務所・人力舎の若手を発掘する「矢作と山崎と」、メイプル超合金がメインMCを務める散歩番組「ゲスト メイプル超合金」、マキタスポーツらが若手芸人と世の中の気になることを研究する「マキタ研究所」の3本を発表。ドラマ枠では、若手女優12人によるオムニバスドラマ「&美少女~NEXT GIRL meets Tokyo」など。今春より順次配信していく。

FODオリジナルバラエティのラインナップ
FODオリジナルドラマ・アニメのラインナップ

 このほか、CS放送向けドラマ新作や、国内ドラマを中国版にリメイクした「デート 恋とはどんなものかしら」、「プロポーズ大作戦」も発表された。

CS・海外リメイクドラマのラインナップ
「プロポーズ大作戦」のチャン・イーシンも登場。日本語を交えながら同作の魅力を語った

 山口氏は、現在配信中のオリジナルドラマの視聴者属性の一例として「クズの本懐」や「ラブホの上野さん」が10〜20代の女性に受けていることを紹介。今後もこの層に向け、ラブコメなどオリジナルドラマの充実を図るとした。また、20代以上の男性をターゲットとしたバラエティ番組や、より幅広い層に向けた他社との共同制作ドラマも拡充していくという。

 「配信サービスは淘汰の時代に入った。サッカーで言うならば決勝トーナメントの頃合いだ。フジテレビでは、月額888円の定額制見放題『FODプレミアム』を主力サービスと位置づける。また、ADVOD(Advertising Video On Demand)である無料見逃し配信『+7』や『ホウドウキョク』と、FODプレミアム、そして都度課金(TVOD)の相乗効果で顧客単価を高めたい。SVOD、ADVOD、TVODを合わせた『UVOD』を目指す。Uはアルティメット、ユニーク、ウルトラといったいわば”完成形”を指す。これをひとつのプラットフォームで実現したい。他の配信業者にコンテンツライセンスをお売りすることで収入を多様化し、決勝トーナメントを勝ち抜きたい」(山口氏)。

FODプレミアムを主力に、無料見逃しや都度課金サービスの相乗効果で顧客単価を高める
「UVOD」という独自の用語を用いつつ、FODの収入多様化を図る

新「あいのり」MCはベッキー。ドラマ「Love or Not」メンバーも

 他の配信サービスとの提携コンテンツとして、Netflixとともに'17年配信予定の恋愛観察バラエティ番組「あいのり REBOOT」(仮)や、3月20日からdTVとFODで配信開始した共同制作ドラマ「Love or Not」が紹介された。

NetflixとFODの提携コンテンツラインナップ

 「あいのり REBOOT」(仮)は、'99年〜’09年まで地上波放送され、平均視聴率が午後11時台では異例の15%を記録した「あいのり」の新シリーズとして制作される。番組MCはベッキーに決定した。

 「最初は(ラブワゴンに)乗る方のオファーかと思っていたが、まさかのMCだった。恋愛偏差値が低いのになんで? と意外で、皆さんもきっとそうでしょう?」と会場の笑いを誘いつつ、ベッキーさんは「番組のファンだったので、両思いになれて嬉しい。世界の現状を教えてくれる番組でもあり、恋愛模様とは別に、(参加者の)人間としての成長も見られる。私も色々学びたい」と話した。

「あいのり REBOOT」(仮)の番組MCに決まったベッキー(右)

 「Love or Not」は、フジテレビが「配信版月9ドラマ」を目指し、dTVとFODで同時配信中の恋愛ドラマ。主演は三代目J Soul Brothersの山下健二郎で、本仮屋ユイカ、浅見れいな、町田啓太(劇団EXILE)、八木将康(同)、水沢エレナら、男女6人の交錯する恋を描く。

 発表会には山下さんや町田さん、八木さんに加えて、歌手・女優のレオラ(Leola)さんが登場し、撮影時のエピソードなどを紹介。レオラさんはドラマ主題歌にもなっている新曲「Mr.Right」の弾き語りを披露した。

左から町田啓太さん、Leolaさん、山下健二郎さん、八木将康さん
Leolaさんがドラマ主題歌「Mr.Right」の弾き語りを披露した